サイズ考(その24)
ARのスピーカーが、それまでのフロアー型スピーカーと比べると小型化に成功したときから、
小型スピーカー・イコール・密閉型という図式が続いてきたと思う。
セレッションのSL6以前の小型スピーカーのディットン11も密閉型だし、
すこし大きめのUL6はパッシヴラジエターを採用して、低域を補っている。
およそ小型スピーカーでバスレフ型というのは、アコースティック・エナジー以前には見たことがない。
そして、この後、小型スピーカーのバスレフ型が増えていくことになる。
このことは、おそらく小口径ユニットが各部の改良によって、
かなりの振幅でも使えるようになったためではないかと思う。
AE2は、早瀬さんが一時期鳴らされていたことがあるので、
数回にわたって、かなりの時間を聴くことができた。
当時の早瀬さんのリスニングルームは、広かった、そして大きかった。
おそらく50から60疂ほど広さで、弧を描いている天井も、いちばん高いところでは、
5、6mほどあったと思う。
さらに低域がこもらないようにと、廊下と続いている。
もうエアーボリュウムとしては相当なものだ。
そういうところで鳴らしても、まったく平気だったのがAE2だ。
なんの心配することなくボリュームを上げていける。
おそらくアコースティック・エナジーの謳い文句どおりに、
ウーファーのアルミ振動板がきっちり放熱しているのだろう。
LS3/5が登場したのが1970年、改良モデルのLS3/5Aが75年、SL6が82年、
AE1、AE2の日本登場は90年だが、イギリスでは87年に登場しているらしい。
SL6からわずか5年である。