サイズ考(その20)
一般的なコーン型ユニットの口径は、8cm、10cm、12cm、16cm、20cm、25cm、30cm、38cmである。
セレッションのSL6のウーファーの口径は15cm。おそらく他のメーカーだったら16cmを採用しているだろう。
15cmと16cm、それほど大きな違いはないようにも感じられるが、
あえて15cmにしている点は見逃せないと思える。
SL6のユニットは、トゥイーターもウーファーも、専用の新規開発だから、
16cmすることもたやすかったはず。
それにウーファーは面積が大きいほど低音再生に関しては有利になってくる。
SL6はウーファーは高分子系重合材を振動板に採用している。
剛性、内部損失、経年変化の度合い、製造時のバラツキの少なさなどを考慮しての選択だろうが、
おそらく16cmもつくっていると、私は思っている。もしかしたら14cmのものをつくっているのかもしれない。
それらをレーザー光線による振動の動的解析を行なった上で、振動板の材質との兼合いも含めると、
15cm口径が、彼らの求める性能を実現してくれたからなのだろう。
まずサイズありき、の開発では、15cm口径のウーファーはあり得なかっただろう。
そういえば、同じイギリスのグッドマンのAXIOM80も、約22.5cmという中途半端な口径だった。
どちらかといえば保守的な印象の濃いイギリスだが、
暗黙の規格に縛られないところもイギリスの良さなのかもしれない。