サイズ考(その22)
セレッションSL6の開発スタイルは、同じイギリスのアレックス・モールトンとそっくりだと思う。
アレックス・モールトンは小口径ホイールの自転車で、
日本で一時期流行したミニサイクルの原型と言われている。
開発者のモールトン博士は、理想の自転車を開発するために、
まず従来の大口径ホイール(28インチ)とダイヤモンド・フレームという組合せだけでなく、
いままでの自転車の乗り方にまで疑問を持ち、自ら、ひとつひとつの疑問に答を出し、
その結果が、小口径ホイール(17インチ)とサスペンション、トランス・フレーム採用の、
現在の形態である。
通常とは異る乗り方も考え出したらしいが、危険な面もあり、従来の位置関係を踏襲している。
モールトンは、まずサイズありき、でもない。一般的な常識ありき、でもない。
従来の枠組みの中での理想を追い求めたのではない。
アレックス・モールトンの輸入元は、
質量分離型トーンアームの DV505やスーパーステレオ方式、
ダイヤモンドカンチレバーを早くからカートリッジに採用していたダイナベクターである。
ブリヂストンがライセンス生産しているブリヂストン・モールトンもある。