Date: 10月 30th, 2008
Cate: サイズ
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サイズ考(その18)

クレルの初期のパワーアンプとは対照的な思想でつくられているのが、47研究所のGainCardだ。

GainCardのクローンという意味のGainCloneで検索すると、海外の自作マニアのサイトが数多くヒットする。
47研究所のGainCardをそっくりそのまま模倣したものから、
設計思想はそのままで、使用するパワー ICを、より大出力のものに変更したり、
電源とアンプ本体を一体化したり、真空管によるバッファーを前段に設置したり、と、
それぞれ創意工夫がこらされている。なかには空回りしているものも……。

トランジスター、FET、抵抗やコンデンサーを組み合わせてつくるディスクリート構成と比べると、
OPアンプ(パワーIC)によるアンプは性能だけでなく音質面でも低いものと見がちだが、
必ずしもそうではなく、結局は、広い意味での使いこなしである。

GainCardは、パワーICを使い、入力端子、出力端子との配線も極力短縮化し、
信号経路の短縮化を実現している。
さらにパワーICのリード線に直接NFB用の抵抗をハンダ付けすることで、
NFBループもひじょうに小さなものになっている。
結果、アンプ本体は手のひらに乗せることが出来る。

47研究所のサイトでは信号経路の短さが謳われているが、注目したいのは、NFBループの小ささだ。

携帯電話やパソコン、インバーター式の家電製品が氾濫し、オーディオ機器は、
あらゆる高周波ノイズにさらされている。

高音質化をうたい、高音質パーツ(大概大きい)を使い、ディスクリート構成で安易に組み上げると、
NFBループが大きくなってしまう。ここから高周波ノイズがはいってくる。
NFBループは小さいほどいい。

パワーICを使っても、プリント基板にパーツを配置して、となると、
リード線に直接ハンダ付けと比較するとNFBループは大きくなる。
それを嫌い、作業としては何倍も面倒なリード線にハンダ付けの手法をとっている。

アマチュアライクという人もいるだろうが、確実な方法だと私は思っている。
47研究所のGainCardと同じ思想でつくられているのが、ジェフ・ロゥランドDGのModel 10、12だ。

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