Date: 7月 29th, 2025
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その13)

PSVANEのUK-KT88に交換したばかりのMC275の音は、けっこう違うな、だった。
とはいえPSVANEに挿し替えて電源を入れて数分経っただけの音なのだから、
これがPSVANEのKT88の音は、言い切れるわけではない。

しばらく音を鳴らしながらの音の変化を聴いていく。
最初にかけたのは、バルビローリ指揮ベルリンファルハーモニーによるマーラーの九番。

第一楽章を最後までかけて、もう一度、かける。
明らかにスクラッチノイズの耳につく感じが、いい方向にと変る。
次にかけたのは、チッコリーニによるサティ。このレコードの後半あたりから、また音が変る。

サティのあとにもう一枚(片面)をかけ、別項で触れているフォーレを聴く。

シャルラン レコードならではの音で鳴っている。
私はそう感じながら聴いていたし、このフォーレは聴いている人の心をなんらかのかたちで捉えたようだ。

そういう音で鳴ってくれたのだから、PSVANEのUK-KT88の選択は間違いではなかった。
正しかったと書きたいところだが、寿命の点は、これから先確認していくことだから、
いまのところ、そこまでは言えない。

ここでの寿命とはヒーターが切れるまでのことではなく、
しばらく使っていくうちにノイズが増えたり、音が悪い方向に変っていくなどの意味での寿命だ。

真空管の品質に関わることだ。
一年後、二年後、PSVANEにしてよかった、といえるのかどうか。

こんなふうに音が変化していくのは、新品であればよくあることだし、
鳴らしはじめから、いい音がするわけないのだから、その時の音は聴かないというオーディオマニアもいる。

そんな発言をインターネットやら雑誌で見かけると、
なぜ聴かないのか、と逆に思う。

自分の装置なのに──、とも思う。
どんなふうに変化していくのか、自分の装置だこらこそ、そういうことまで把握しておきたいし、
音の変化きちんと聴いていくことは、経験へとつながっていくからだ。

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