Date: 12月 22nd, 2014
Cate: コペルニクス的
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オーディオにおける天動説(その2)

ステレオサウンド別冊HIGH-TECHNIC SERIES 4は、「魅力のフルレンジスピーカーその選び方使い方」で、
巻末には佐伯多門氏による「フルレンジスピーカーの基礎知識」が載っている。

この記事中に、出力音圧周波数特性と電気インピータンス特性、
このふたつのグラフを上下に並べている図がある。

電気インピータンス特性のグラフでは、
インピーダンスがもっとも高い値を示すところに低音共振周波数(f0)と書いてあり、
そこからの垂線が出力音圧周波数のグラフと交わるところには、低域限界周波数とある。
同じような図と説明は、他のスピーカーの技術書にも載っている。

HIGH-TECHNIC SERIES 4では、このグラフの隣のページには、
六つのフルレンジユニットの周波数特性のグラフががある。
ダイヤトーンのP610、パイオニアのPE8、フィリップスのEL7024/01、
JBLのLE8T、ラウザーのPM6、グッドマンのAXIOM80である。
HIGH-TECHNIC SERIES 4では、この他に37機種の実測データも載っている。

これらのグラフと、出力音圧周波数特性のグラフに書き込まれている解説を読んで気がついたことがあった。
グラフの説明では、低域限界周波数から下の帯域では、低音減衰(-12dB/oct)とある。
だがHIGH-TECHNIC SERIES 4に登場するフルレンジユニットの中には、そうでない機種がある。

AXIOM80、PM6がそうだし、JBLのD130もそうである。他にもいくつかある。
これらは古典的な高能率のフルレンジユニットである。いわば古い時代のユニットでもある。

HIGH-TECHNIC SERIES 4を読んだ当時(1979年)、16歳だった私は違いがあることに気づいても、
それがどういうことを意味しているのか、深いところまではわからなかった。

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