輸入商社なのか輸入代理店なのか(その11)
マークレビンソンの輸入元がRFエンタープライゼスからハーマンインターナショナルに移ったころの話だ。
輸入元が変れば、RFエンタープライゼスから購入したマークレビンソンのアンプも、
新しい輸入元のハーマンインターナショナルで修理することになる。
けれどRFエンタープライゼスから購入した人は、
ハーマンインターナショナルではなくRFエンタープライゼスでこれからもアフターサービスを受けてほしい、
そういう人が少なからずいた、ときいたことがある。
これは何も当時のハーマンインターナショナルのサービス部門の技術力に問題があったとか、
そういうことではなかった。
それ以上にRFエンタープライゼスは信頼されていたということである。
この項の(その5)(その6)(その7)で、RFエンタープライゼスのことを書いた。
そこでふれたRFエンタープライゼスの広告を読んでいたころ、
RFエンタープライゼスが取り扱っているオーディオ機器は、とても買えなかった。
買えなかったけれど、RFエンタープライゼスが取り扱っているオーディオ機器は、
いつか手にしたい、とそう思っていた。
実際にRFエンタープライゼスのサービスをうけたことのない私ですらそう思っていた。
実際にRFエンタープライゼスから購入してサービスをうけたことのある人なら、
よけいにそう思っていたのではないか。
RFエンタープライゼスがなくなって、ずいぶん経つ。
RFエンタープライゼスがあったころ、輸入元は輸入代理店ではなく、輸入商社と呼べたような気がするのは、
RFエンタープライゼスという手本があったから──、
輸入元(輸入代理店としか呼べないところが増えてきた)のウワサをきくたびに、そう思ってしまう。