ケーブル考(銀線のこと・その2)
銀線の良さを認める人がいる一方で、否定的な人がいる。
銀線といっても、さまざまなことを考えれば、あたりまえのことである。
銅線にしてもタフピッチ銅と無酸素銅があり、純度に関しても大きな違いがあり、
熱処理、線径の太さなど、すべてが音に関係しているのだから、
銅線の音に関しても、いわゆるピンキリの状態である。
銀線も、銅線ほどあれこれ選べるわけではないけれど、同じであるのだから。
五味先生が感心された岩竹氏によるマッキントッシュのMC275には、
どの程度の銀線が使われたのかはわからない。
それでも、五味先生が「冴え冴えと美しかった」と書かれているのだから、
銀線の可能性に大きく期待して当然だろう。
もちろん銀線だけで音が決定されるわけではない。
それにマークレビンソンにしても銀線をアンプ内配線に使ったのはML6だけだろう、という反論がある。
確かに銀線使用を大きく謳ったのはML6だけである。
ML7以降は、アンプ回路の設計者も変り、モジュール構成も大きく変更され、
銀線は使われていない、と私も思っていた。
けれどML7のブロックダイアグラムをみると、ML7にも銀線が使われいてることがわかる。
インプットセレクターからボリュウムへの配線に、”Silver Coax”と表記してある。
ブロックダイアグラムに、ふつうそういった仕様に関することは書きこまないにもかかわらず、
そう書きこんであるのだ。