BOSE 901がやって来た(その2)
BOSEの901がやって来て、丸四日。
これまで私が見てきた(聴いてきた)901が置かれていた空間で、私の部屋がいちばん狭い。
そんな空間に置かれた901を見て、家庭用スピーカーとして、なかなかいいモノじゃないかと感じている。
別項でも家庭用スピーカーについて書いているところだが、
家庭用スピーカーの、はっきりした定義のようなものはない。
1970年代のJBLは、家庭用スピーカーとスタジオ用(プロ用)とを、はっきり分けていた。
L200、L300といった家庭用モデルには、4331、4333というスタジオモニターが存在していた。
スピーカーユニットに関しても、家庭用(コンシューマー用)とプロ用とに分かれていた。
とはいえ、そこでなんらかのはっきりとした定義が提示されていたとは言えない。
これらのJBLのモデルと同時期のセレッションのDitton 66は、どう見ても(聴いても)、家庭用スピーカーである。
けれど、Ditton 66の銘板には“Studio Monitor”とある。Ditton 66をスタジオモニターとするのか。
当時のセレッションの人たちに、その理由を訊いてみたい。
こうやって具体例を挙げていくことはできるが、挙げればあげるほど、家庭用スピーカーの定義がはっきりしてくるとは言い難い。
それでも901を数日とはいえ、毎日眺めていると、はっきりと家庭用スピーカーと言いたくなる。
大きさも形もいい。
独自の放射パターンを持つ901は、家庭用スピーカーの理想形を目指した一つの実例と言いたくなってくる。