My Favorite Things(チューナー篇・その3)
マランツのModel 10Bに続くのは、やはりセクエラのModel 1である。
Model 10Bが管球式チューナーにおける通信機レベルのモノ、ソリッドステートのチューナーではModel 1である。
Model 10Bの開発者であったリチャード・セクエラが自身の名をブランドとし、チューナーだけを会社を興した。
これまでに、さまざまなオーディオのブランドが誕生してきたけれど、チューナーだけで勝負というのはセクエラだけだろう。
セクエラのModel 1は高かった。
マークレビンソンのLNP2が1,080,000円だった時に、1,280,000円していた。それから1,480,000円になった。
Model 10Bは前回書いているように、聴く機会はあったが、Model 1の音は聴いたことがない。
何度か見てはいるものの、音は聴けず、である。
セクエラの音を聴いたことがある人は、どのくらいいるのだろうか。
おそらくなのだが、Model 10Bを聴いたことのある人よりも少ないのではないのか。
聴いたことがある、という人が、私の周りにはいない。
これだけ高価なチューナーなのだから、きちんとアンテナを建てることができる人のみが買うのだろう。
お金があってもマンション住まいで、FM用のアンテナを用意できなければ、宝の持ち腐れでしかない。
それはModel 10Bだってそうだ。
アンテナは、アナログプレーヤーシステムにおけるカートリッジ的存在だ。
どんなに優れたトーンアーム、ターンテーブルであっても、カートリッジがそれらに見合ったモノでなければ──、と同じことだ。
もちろん安価なカートリッジでも、価格的にも性能的にも音質的にも釣り合わないプレーヤーシステムに取り付ければ、
このカートリッジは、こんな音で鳴ってくれるのか、という驚きはあるだろうが、そこまで留まりでしかない。
そんなことはわかっている。
いまコンディションのいいModel 10Bと Model 1があったら、そして買えるだけの余裕があれば、欲しい。
どちらも欲しい、が本音だ。
何を聴くのか。なんだろうなぁ……、と自分でも思う。
いまコンサートのライヴ中継は、どのくらいあるのか。いま手元に二台のチューナーがあるのに、そんなことも調べていない。
期待できない、と思い込んでいるからだ。
もしかするとNHKのアナウンサーの話を聴くようになるのかもしれない。
生々しい声だな、と思いながら。