妄想組合せの楽しみ(その16)
DBシステムズについて書いていたら、同時代の、どのスピーカーと組み合わせたら、
おもしろいだろうか、楽しいだろうか、と考えていたら、KEFの104aBが頭に浮んだ。
小音量で、スピーカーに接近して聴くかぎり、おそろしくデリケートで、細身の音の極致を聴かせてくれそうで、
意外にいい組合せになりそうだと、思えてきた。
そうなるとパワーアンプはなんだろう。
DB1+DB2は、パイオニアのエクスクルーシヴM4の組合せを、
瀬川先生の、熊本での講演のときにリクエストしたことがある。
「なかなか思いつかない面白い組合せだね」と言ってくださった。
M4が、だから真っ先に候補に上がったが、このアンプには冷却ファンがついている。
小音量での再生を前提しているだけに、ファンの音があっては困る。
冷却ファンがなく自然空冷で、ローレベルが美しいアンプで、1970年代後半のパワーアンプとなると、
ラックスのラボラトリーシリーズの5M20があった。
メーター付の5M21もあるが、ほんのわずかでも聴感上のSN比をよくしたいので、
あえてメーターなしの5M20を選ぶ。
ただこのままの組合せだと、艶っぽさに不足するだろうから、
カートリッジには、そこのところをうまく補ってくれるものを選ぶ。
エレクトロ・アクースティック(エラック)のSTS455Eの音の艶は、
人によっては過剰すぎると感じるぐらい濃厚だが、
ここでは、もう少し繊細でデリケートであってほしいから、
455Eの上級機のSTS555Eが、ぴったりのような気がしてくる。
音の艶っぽさを要求せずに、さらに繊細に切れ込む表現を求めるのであれば、
サテンのカートリッジも、おもしろいと思う。