終のスピーカー(JBL 4343・その1)
「終のスピーカーがやって来る」を書き始めた頃、
これを読まれた方のなかには、終のスピーカーは何なのだろうか、
と予想された人も何人かいる。
JBLの4343ではないだろうか、と予想された人もいる。
4343については、これまでもかなりの数書いてきている。
4343は1976年に登場している。
4343の登場と同じくして、私はオーディオの世界に興味をもった。
私にとっての初めてのステレオサウンドは、41号。
4343が表紙の号だ。
当時、熊本の片田舎に住んでいた私でも、4343を聴く機会には比較的恵まれていた。
それだけ4343は売れていた。
当時としてはかなり高価なスピーカーシステムなのに、
それが聴ける、ということは、すごいことだ。
当時、熱心に読んでいたステレオサウンドにも、ほぼ毎号4343は登場していた、といえる。
4343が完璧なスピーカーではないことはわかっていても、それでも輝いて見えたし、
4343はスターであった、といまでもおもう。
4343が製造中止になってけっこうな時が経っても、4343を聴く機会はけっこうあった。
私と同じ1963年生れの友人のAさんとは、2006年に、二人の年齢を合せると4343だ、
そんなことをいっていたくらいである。
いまでも4343のコンディションのいいモノがあれば、欲しい。
置き場所がないけれど、それでも欲しい、とおもっている。
それでも、4343は私にとって終のスピーカーとなるだろうか(なっただろうか)、
そんなことをおもう。