audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その4)
11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮に住むHさんのモノである。
彼は四谷三丁目の喫茶茶会期からの常連で、当時は名古屋、兵庫から来てくれていた。
audio wednesdayが終ったあと、新宿から深夜バスで帰り、
翌日は、もちろん朝から仕事。若いなぁ──、と思っていた。
彼はまだ30代。今は宇都宮なので、アンプやスピーカーを、
audio wednesdayに持ってきてくれる。
クレルのKMA200、アポジーのDuetta Signatureも、
彼の私物である。
彼が4343を一人でクルマに積み、運んできてくれた。
クルマの後ろの扉を開ける。
横置きで積まれた4343の底板が見える。
4343は1976年登場で、1981年くらいまで製造されていた。
四十年から五十年近く経っているわけだから、
新品同様ということはまずない。
底板は、調整の際、動かすわけだから、多少なりとも傷が残る。
そんな底板を見た時は、それだけの年月が経っていることを感じていた。
それでも運び込み設置。
アンプやその他の器材もセットして結線して──、
けれどすでに書いたように予想外の不具合が発生して、
4343からやっと音が鳴ってきたのは、けっこう時間が経っていた。
やっと落ち着いてソファーに座り、音をきちんと聴く。
その時改めて、4343はスーパースターだ、と、感じていた。
佇まいが、そうだった。
お互い歳をとったけれど、4343はやはりスーパースターのままだった。
様になるスピーカーのままだった。