GAS THAEDRAがやって来る(その2)
GASのTHAEDRAの落札は昨晩、つまり日曜日である。
ヤフオク!にはいくつかのクーポンがある。
土日落札分にかぎり、10%割引(上限5,000円まで)というクーポンもある。
このクーポンが使えて、33,000円の落札金額は10%割引の金額になった。
こんな金額で落札してTHAEDRAに申しわけない、みたいな気持もある。
とはいっても、四十年以上のアンプを入手して、
そのまま使おう、とはまったく考えていないわけで、
メインテナンス、場合によっては修理が必要になることも、
その費用も考慮して、つねに落札金額を決めて入札している。
応札することは、なので、まずない。
ヤフオク!を眺めていると、
ジャンクと説明されているアンプを、けっこうな金額で落札する人がいる。
そういうモノのなかには、写真で判断するかぎり、かなり手入れが必要と思われるのがある。
その費用はけっこう金額になるであろうに、
そんな金額で落札するのか──、
落札した人は、どこに修理依頼するのか、それとも自分で直すのか、
まさかそのまま聴くということはないであろうに、
いったいどうするつもりなのか。よけいなことをつい考えてしまう。
話が逸れてしまったが、
今回、THAEDRAをもう一度と思ったのには、いくつかの理由がある。
といっても、欲しい、というまず気持があっての、後付けみたいな理由なのだが、
THAEDRAのヘッドフォンアンプとしての実力を知りたい、というのがまずある。
以前、別項で書いているように、ロジャースのLS3/5AをTHAEDRAで鳴らしたことがある。
私にとって、LS3/5Aの最上の音は、この時の音である。
多くの人がもっているGASのアンプの音のイメージとは、違っているのかもしれない。
LS3/5Aから、馥郁たる響きが鳴ってきた。
馥郁たる響きといっても、人によってイメージする響きは、たぶん大きく違うだろう。
ここで聴けた響きこそが、イギリスの、あの時代のスピーカーだからこそ聴けた響きであり、
THAEDRAの繊細な一面をはっきりと聴きとれた。
LS3/5Aを持っている人は割と多い。
そういう人のところで、いくつかのLS3/5Aの音を聴いてきたけれど、
THAEDRA+LS3/5Aの音を超えていない。