Date: 10月 19th, 2010
Cate: 4343, JBL
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4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その1)

HIGH-TECHNIC SERIES-1は1977年に発売された。
2年後にSOUND SPACEが出た。

1979年ごろは、ステレオサウンドに「ひろがり溶け合う響きを求めて」が連載されていた。
50号から54号に載っている(52号休載)。

SOUND SPACEという本のタイトルからも想像がつくように、
この本で紹介されている組合せは、
すべて部屋(リスニングルームであったり、リビングルーム、書斎、寝室など)とのかかわり合いを示している。

「華麗なる4ウェイシステムの音世界」とつけられた瀬川先生の組合せは、10畳の洋室──、
これは自らのリスニングルームのあり方をベースにしたもので、
壁は瀬川先生のリスニングルームと同じ漆喰塗り。床はイタリアタイル、天井も漆喰塗りと、いうもの。
そこにアルフレックスのソファをL字型に配置し、
スピーカーとパワーアンプを収めたラックは、部屋の長手の壁に置かれる。

肝心のスピーカーだが、JBLのユニットを中心に組んだもの。
低音域は2231Aをダブルで使用。中音域は2420ドライバーと2397ホーンの組合せ。
高音域は、やはり2405。そしてその上にテクニクスのリーフトゥイーター、10TH1000をつけ加えられている。

これらのユニットをすべて専用のパワーアンプでドライブするマルチアンプ構成という、
そうとうに大がかりなシステムだ。

アンプはすべてマークレビンソン。
コントロールアンプはML6。
パワーアンプは2231A、2420用にML2L、2405、10TH1000用にML3Lとなっている。
これについては、好みに応じて帯域分担を交換させてもいいと書かれている。

エレクトロニッククロスオーバーネットワークはLNC2Lで、クロスオーバー周波数は800Hzと8kHz。
これだけで2台のLNC2Lを使う(LNC2Lは2ウェイ専用なので)。

となると10TH1000はどうなるかというと、LCネットワークで分割するか、
LNC2LにOSCモジュールを使いすれば、3ウェイ仕様にできる。ただしスロープ特性は本来18dB/oct.だが、
追加分のクロスオーバーのみ6dB/oct.になる。

とにかく4ウェイではあるが、High Technic シリーズVol. 1のフルレンジからはじまる構想とは、あきらかに違う。
だから、正直、この記事を読んだとき、驚いた。なぜだろう? という疑問もわいた。
この組合せに関する詳細をもっと知りたい、と思った……。

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