Date: 10月 11th, 2010
Cate: 4343, JBL
Tags:

4343とB310(その10)

瀬川先生の、この構想のなかで具体的になっているのはウーファーについて、である。
大口径、つまり15インチ口径のウーファーということになる。
それも、f0の比較的高いウーファーではなくて、おそらく20Hz前後のf0のウーファーを想定されている、と思う。

つまり比較的重い振動板のウーファーとなる。
そういうウーファーに、低くても500Hz、高ければ1kHzという音域まで受け持たせることに疑問を抱かれている。
500Hzといかば、音楽の帯域でいえば、低音ではなく中音(メロディの音域)になる。
この大切な音域を、重い振動板のスピーカーユニットにはまかせたくない。

軽い振動板を使いながらも、グッドマンのAXIOM80のようにf0をさげることに成功したユニットがある。
AXIOM80は、外径9.5インチ(約24cm)というサイズにもかかわらず、その値は20Hzと、
軽めの振動板を採用したユニットとは思えないほど低い。
かりにそんなウーファーが存在していたとしても、やはり瀬川先生はウーファーに、1kHzまでは使われないはずだ。

軽い振動板を使い、高域特性もすなおに伸びていたとしても、15インチの口径のものであれば、
すでに指向性が劣化しはじめている。
くりかえすが、瀬川先生の構想には、指向性の広さも求められている。

それに、現実のところ、そのようなウーファーはない。
けれど、小口径から中口径(16cmから20cmぐらい)のフルレンジユニットが、存在している。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]