4343とB310(その9)
ステレオサウンド別冊のHigh Technic シリーズVol.1 には、
6畳というスペースに大型スピーカーシステムをあえて持ち込む理由について、次のように述べられている。
6畳という限られたスペースではどうしてもスピーカーとの距離を確保できない。近づいて聴くことになる。
そのため、音の歪、それに音のつながりがよくなかったり、エネルギー的にかけた帯域があれば、
広い空間(響きの豊かな空間)よりも、はるかに耳につきやすい。
音の豊かさは、低音域をいかに充実したエネルギー感で、豊かでそして自然にならすかにかかっている。
しかも6畳、それも和室となると、そのままでは低音が逃げていくばかりだから、
かなりしっかりしたウーファーをもってこないと、低音がの量感がとぼしくなり、
音全体の豊かさ、柔らかさ、深みを欠くことになる。
そして部屋の響きを助けがないということは、そこに指向性の狭い(鋭い)スピーカーをもってくると、
よけいに音が貧弱になりがちで、自然な響きがさらに得られにくくなる。
そのためにも全帯域にわたって均一の広い指向性を確保しなければならない。
そして音量についても、小音量だからこそ、できるだけ口径の大きなウーファーで、
できるだけ(部屋のスペースがゆるすかぎり)たっぷりの容積のエンクロージュアにおさめる。
これらの理由をあげられている。
いいかかれば、真のワイドレンジのスピーカーシステムを求められている、わけだ。
周波数帯域(振幅特性、位相特性ともに)、指向性、そしてダイナミックレンジ、
これらがバランスよく、どこにも欠落感がなく、十分に広くあること。
この構造を実現するために方法として、フルレンジユニットからスタートする4ウェイ・システムである。