同軸型ユニットの選択(その27)
ステレオサウンド 50号のマイ・ハンディクラフト、
別冊「HIGH-TECHNIC SERIES 4」、
同じく別冊「SOUND SPACE 音のある住空間をめぐる52の提案」、
これらの記事を何度もくり返し読んできた私にとっては、
アルテックの604-8Gと平面バッフルとの組合せが鳴らす音と響きは、
私自身が心から求める世界とは違っていることはわかっていても、
思いっきり鳴らしてみたい世界でもある。
でるだけ大きな面積の平面バッフルこそが、
こういう音を求めるには最良の結果をもたらすことぐらいはわかっていも、
現実に5.5畳ほどのワンルームに、1.8m×0.9mの平面バッフルを無理矢理入れて、
シーメンスのコアキシャルを取り付けて聴いていた私は、
いかにも大きすぎることを感じていた。
私の感覚からすれば、自分の身長よりも高いスピーカーはあまり使いたくない。
それは広いリスニングルームがあったとしてもだ。
このへんのことは、人それぞれの感覚があってのことだから、
どんなに背の高いスピーカーであっても、音が良ければまったく気にならない、
そういう人もいれば、私のような人もいる。
さほど大きくない平面バッフルに604-8Gを取り付けて、
サブウーファーはエンクロージュアにおさめる。
こんな構想を考えながら思い出しているのは、
ダルクィストのスピーカーシステムDQ10のことだ。
いまではDQ10といっても、どんなスピーカー?
ダルクィスト? という人のほうが多数だろう。
あえてQUADのESLのアピアランスに似せたDQ10は、
私は聴く機会はなかったけれど、
ハイエンドスピーカーの流れに連なっていく音だったのではないだろうか。
DQ10はウーファーだけがエンクロージュアに収まっていた。
他のユニットは最小限のバッフルに取り付けられていた。
サランネットを外した姿、いわば裸のDQ10はバラックのようでもあった。