日米ヒーローの造形(その3)
1963年生れの私にとって、
想像上のヒーローといえばウルトラマンと仮面ライダーが真っ先に浮ぶ。
しかも、この二つは、続編が昭和から平成、そして令和になってもつくられ続けている。
そして、初代にあったデザインが、次第にデコレーションへと変っていった、という点でも共通している。
(その2)で書いたように、ウルトラマン・シリーズにおいて、
ウルトラマン、ウルトラセブンまでがデザインの時代であり、
帰ってきたウルトラマンから、
特に四シリーズ目のウルトラマンAからは、はっきりとデコレーションの時代になってしまった。
ウルトラマンAは1972年4月から放送が始まった。
私は9歳。
デザイン、デコレーション──、
そんなことは知らずに見ていたわけだが、
それでもウルトラマンAからは、ゴテゴテしている、という感じを強く受けていて、
ウルトラマン、ウルトラセブンに感じたかっこよさは感じていなかった。
大人になり、ウルトラマンのことに再び興味をもって、
ウルトラマンとウルトラセブンが成田亨氏のデザインだということを知る。
そうか、そうか、やっぱりそうなんだ、とひとりごちた。
そして、成田亨氏のデザインがそのまま、
テレビ放送でのウルトラマン、ウルトラセブンの着ぐるみになったわけでないことも知る。
着ぐるみである以上、着脱に必要なファスナーの存在が、
ウルトラマンの背中に背びれとなってしまう。
それから役者が中に入るわけだから、目の部分にのぞき穴も必要となる。
これらは成田亨氏のデザインになかった要素であり、仕方なく生じたものである。
そしてウルトラマンといえばカラータイマーなのだが、
これも成田亨氏のデザインにはないことを、大人になって知った。