Date: 5月 22nd, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その30)

ダイナコのSCA35では7199という複合管が使われている。
手元にはトランスとともに、7199も取り外したものが1ペア残っている。

とはいえ1ペアだけだから、心もとない。
7199が入手可能かといえば、なかなか難しい。

伊藤先生はEL84のプッシュプルアンプにはE80CFを使われていた。
この球も7199ほどではないが、いまではポピュラーな真空管ではなくなっている。

一台作って、音が鳴ればいい、という感じであれば、
7199が1ペアあるのだから、それでいい、となるのだが、
私の感覚としては、予備用にもう1ペア用意しておきたい。

作った以上は、きちんと使い続けたいからである。
そうなると五極管、三極管の複合管の使用はあきらめるしかない。

シーメンスのEL84のプッシュプルアンプの回路は、
電圧増幅管にはECC83を使っている。
初段で増幅して二段目がP-K分割の位相反転回路である。

位相反転回路といえば、いま書店に並んでいるラジオ技術 6月号に、
位相反転回路についての短期連載が始まっている。

現在の真空管の入手状況を考慮すると、
ECC83を使うことになるのか、と思っていた。

ダイナコには、SCA35と同じEL84のプッシュプルのパワーアンプがある。
Stereo35である。
日本ではStereo70の陰にかくれてしまっている感がある。
私もStereo70の音は聴いているけれど、Stereo35は実物を見たことはない。

このStereo35、SCA35のパワーアンプを独立させたモノととらえがちだが、
電圧増幅段には7247が使われている。

7247も複合管なのだが、五極管と三極管のそれではなく、
ECC83とECC82の複合管といっていい。

7247も入手は難しいが、
これならばECC83とECC82を一本ずつ用意して、
双三極管の内部ユニットを左右チャンネルに振り分ければ済む。

Date: 5月 22nd, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その29)

私としては、初心者ならば最初に作る真空管アンプは、
プッシュプルアンプがいい、と考える。
すでに(その1)で書いていることだ。

私がオーディオに興味をもちはじめたころ(1970年代後半)、
初心者向きの真空管アンプ製作といえば、プッシュプルアンプだった。

EL84(6BQ5)、6F6、6V6などのポピュラーな出力管のプッシュプルで、
電圧増幅管には五極管と三極管をひとつにまとめた複合管、
ECC82(12AU7)、ECC83(12AX7)などの双三極管を使い、
初段で増幅したあとにP-K分割の位相反転段という構成だった。

この構成であれば片チャンネルあたり使用真空管は三本。
出力もそれほど大きくないから出力トランスも大型のモノを必要とはしないから、
アンプ全体もそれほど大きくならずに製作出来る。

電源トランスなどが大型化になれば、それだけ高価になるし、
シャーシーもよりしっかりしたものが必要になるなど、費用はかさむことになる。
それにチョークコイルも省くことができる。

それからシングル用の出力トランスのいいモノは、けっこう少ないし、
それだけ高価だったりする。

とりあえず音が鳴ってくれれば、それでいい──程度の自作であれば、
シングルアンプでもいいけれど、初めてのアンプであっても、
きちんと鳴ってくれる音を求めるのならば、
初心者ならばプッシュプルアンプのほうが好結果が期待できる。

いま手元にダイナコのSCA35から取り外した出力トランスと電源トランスがある。
これらを使って、EL84のプッシュプルアンプを作ろうと考えている。

SCA35のパワーアンプ部そのままの回路でいきたいところだが、
一つネックがある。電圧増幅段の複合管が入手しにくい。

この点が、1970年代後半とは大きく状況が変ってきている。

Date: 5月 21st, 2022
Cate: 老い

老いとオーディオ(とステレオサウンド・その13)

「人は歳をとればとるほど自由になる」
内田光子は、あるインタヴューでそう語っていた。

先月リリースされた内田光子のベートーヴェンのディアベリ変奏曲、
ここでの演奏に耳を傾ければ、内田光子のことばを確かに実感できる。

オーディオ評論家はどうなのだろうか。
歳をとればとるほど自由になっているのだろうか──、とふと思う。

いまのステレオサウンドで書いている人たちは、高齢者といっていい。
内田光子よりも歳をとっている人もいるし、同世代の人もいる。

評論家と演奏家は違う──、
そういう声がきこえてきそうだが、
内田光子は「人は歳をとればとるほど自由になる」といっている。

人は、である。

自由になっていない、と私がそう感じているだけで、
当の本人たちは、歳をとるほどに自由になっている(書いてきている)、
という自覚なのかもしれない。

それでも──、とあえていう。
私が読みはじめたころのステレオサウンドの書き手の多くは、40代だった。
その時代のほうが、ずっと自由であった、と感じている。

Date: 5月 21st, 2022
Cate: 新製品

新製品(Western Electric 777)

300Bの復刻が順調にいっているからなのか、
ウェスターン・エレクトリックから今年になんて新製品が二機種登場している。

一つは300Bのシングル動作のプリメインアンプ、91Eである。
どういうアンプなのか、その技術内容を読むと、聴いてみたくなる。
けれど写真を見てしまうと、
ここにもパチモンの波が押し寄せているのか──、と言いたくなる。

そして今回、スピーカーに関する新製品が登場している。
777というモデルである。

150Hzから2kHzまで受け持つミッドレンジ・ドライバーである。
写真をみると、昔ながらのコンプレッションドライバー+ホーン型のようだが、
ドライバーはAMT(ハイルドライバー)である。

ウェスターン・エレクトリックは、今回の777についてrAMTと謳っている。
Radical Air Motion Transformerの略である。

この777ドライバーを搭載したスピーカーシステムの写真もある。
このスピーカーシステムもまた91Eのようなアピアランスで、
この写真だけだったら、あまり関心をもたなかったけれど、777は違う。

777は100dB/W/mと能率が高いだけでなく、
受持帯域の下限(150Hz)と上限(2kHz)の積は30万になる。
40万の法則にぴったりとあてはまる、とまではいえないけれど、
ほぼほぼ40万の法則ともいえる。

777の単売はあるのだろうか。

Date: 5月 20th, 2022
Cate: 冗長性

冗長と情調(その7)

マークレビンソンのLNP2のブロックダイアグラムを見ればすぐにわかることだが、
フォノ入力は三つのモジュール(アンプ)を経由して出力される。

ライン入力に関しても二つのモジュールを通って出力される。
それだけでなくポテンショメーター(レベルコントロール)も二つ通ることになる。

音の鮮度をことさら重視する人は、
それだけでダメだ、と決めつけるし、
LNP2としてREC OUTを出力としたほうが、ずっと音がいい、と自慢気に語ったりする。

そういう人に限って、他の人はそのことに気づいていない、
自分だけが気づいたことだ、と思っているから滑稽でもある。

LNP2のREC OUTは、一般的なアンプのそれとは違い、レベルコントロールが可能である。
ただし左右独立のポテンショメーターを操作することになるけれども。

トーンコントロール機能を備えるモジュールをパスする使い方なのだから、
音の鮮度だけでいえば、確かに音はよくなる。
それにゲイン的にも、CDを再生するのであれば使いやすくもなることもある。

使い方は人それぞれだから、どういうLNP2の使い方をしようといい。
でも、自分だけが気づいている、と思い込むのだけはやめたほうがいい。

LNP2を使っている人ならば、たいていの人がずっと以前から知っていることなのだから。

そういう自分だけが──、という人のことはどうでもいのだが、
この、自分だけが──、という人は、
おそらくCelloのAudio Suiteも同様に問題視するだろう。

Audio Suiteはインプットモジュールとアウトプットモジュールとがある。
それを組み合わせることができる。

CDのみしか聴かないという人ならば、
ライン入力のインプットモジュールとアウトプットモジュールという、
最低限の構成にしたほうが、価格も抑えられるし、音のいい。

けれど、この構成でもライン入力からの信号は、
インプットモジュールのアンプとアウトプットモジュールのアンプ、
二つのアンプを通って出力される。

Date: 5月 19th, 2022
Cate: Kate Bush, ディスク/ブック

So(その2)

ピーター・ガブリエルの“Don’t Give Up”。
これがケイト・ブッシュではなく、誰か別の女性歌手だったら、
これほど聴いてきただろうか。

ライヴ盤ではケイト・ブッシュではない。
だからといって曲の評価が変るわけではないが、
それでも私はケイト・ブッシュとによる“Don’t Give Up”を聴きたい。

“Don’t Give Up”を聴いたのは23歳のときだった。
1986年、いったい何回“Don’t Give Up”を聴いただろうか。

自分のシステムでも数え切れないほど聴いていたし、
ステレオサウンドの試聴室でも、試聴の準備の時、
試聴が終ってからも聴いていたりした。

そうとうにいろいろな音で、“Don’t Give Up”を聴いている。
それでも飽きずに、いい曲(歌)だな、と感じながら聴いていた。

ケイト・ブッシュが“Don’t Give Up”と歌う。
聴き手のこちらに語りかけるように歌う。

ケイト・ブッシュによる“Don’t Give Up”、この言葉は心に沁みる。
けれど、それは“Don’t Give Up”と誰かに言ってほしかったわけではなかったからだった。

六十年近く生きていれば、
“Don’t Give Up”と言ってほしいときがあった。

そういう時に“Don’t Give Up”を聴いている。
初めて聴いた時よりも、より心に沁みたかといえば、まったく違っていた。

他の人はどうなのかは知らないし、どうでもいい。
私は、そういう時に聴いた“Don’t Give Up”は、最後まで聴けなかった。

Date: 5月 19th, 2022
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(オンキヨーのこと・その5)

(その4)で取り上げているスカイシステムは、
オンキョー、パイオニア、サンスイのオーディオ機器の修理を行ってくれる。

いうまでもなく、それはオーディオ機器というハードウェアに関して、である。
アナログ時代のオーディオ機器は、それだけでよかった。

けれどデジタル時代になり、
ハードウェアだけでなくソフトウェアも組み込まれるようになってきた。

そういう機器の場合、そのメーカーが倒産してしまったら、
ハードウェアは大事に使ったり、修理に出したりすることで、
ある程度寿命を永らえることはできても、
ソフトウェアに関しては、アップデートが行われなくなる、といっていい。

この点を見落していた。
その4)への、デザイナーの坂野さんのfacebookでのコメントで気づかされた。

Date: 5月 18th, 2022
Cate: 広告

オーディオ雑誌と広告(その9)

(その8)へのfacebookへのコメントで、
今年の1月に創刊された「写真」という雑誌のことが書かれてあった。

年二回発行で、広告はなし。
作品と評論に集中した内容の雑誌とのこと。

まだ手にとっていないので、どんな本なのかについては書けないが、
「写真」が広告なしでやっていけるのだとしたら、
それはカメラ雑誌ではなく、写真雑誌だからこそだろう。

オーディオ雑誌は、カメラ雑誌と同じ分類となる。
写真雑誌と同じところに立ってほしい、と私は思っているけれど、
それをいまのオーディオ雑誌に求めるのは酷なことなのはわかっている。

それでも写真雑誌的性格の濃いオーディオ雑誌を読みたい。
私が別項で、月刊ステレオサウンドについて書いているのは、そういうことである。

Date: 5月 18th, 2022
Cate: ディスク/ブック

モントゥーのフランク 交響曲二短調

中庸ということについて考えるとき、
菅野先生がお好きだった演奏家の録音を聴くようにしている。

昨晩、ピエール・モントゥーの演奏を聴こう、と思い立ったのも、そういう理由からだった。
菅野先生はモントゥーをお好きだった以上に尊敬されていた。

モントゥーのディスクは、それほど持っていないというよりも、かなり少ない。
でもTIDALには、かなりの数のアルバムがラインナップされている。

どのアルバムを聴こうか。
まずはMQAで聴けるアルバムから聴こう、と思いながら眺めていると、
フランクの交響曲二短調が目に留った。

シカゴ交響楽団を指揮してのもので、TIDALではMQA Studio(176.4kHz)で聴ける。
MQA Studioであっても44.1kHzもある。

モントゥーのフランクは、昨晩初めて聴いた。
こんなにもすごい演奏なのか、と驚いていた。

フランクの交響曲二短調を聴いたのも久しぶりだった。
いままで聴いてこなかったわけではないが、
この曲の熱心な聴き手ではなかった。

それでも好きな指揮者が録音すれば買って聴いてきた。
けれど、この交響曲に胸を打たれることはなかった。
なのに昨晩は違っていた。

世の中には、私がまだ出逢っていない素晴らしい演奏がある。
けっこうな数ある、といっていいだろう。

さほど期待せずに聴きはじめただけに、
モントゥーのフランクには圧倒された。

Date: 5月 18th, 2022
Cate: 世代

世代とオーディオ(あるイベント・その1)

私がステレオサウンドにいたころから、
タンノイをスピーカーを買うのは日本人だけだ、
そんなことをいうオーディオの関係者はいた。

同じことをいうオーディオマニアもいる。
いまも少なからずいることだろう。

なにもタンノイに限らない。
JBLだったり、アルテックだったりする。
昔からの、ホーン型を採用してきたメーカーが、
こうやって揶揄する人たちが昔からいる。

でもインターネットが普及してからわかるのは、
決してそんなことはない、ということだった。

日本にもいろいろな人たちがいるように、
海外もいろんな人たちがいる。

タンノイ、JBL、アルテックといったスピーカーで聴く人たちはいる。
こういったホーン型のスピーカーだけでなく、
たとえばセレッションのDittonシリーズが、
意外にもオーディオ雑誌ではなく、他の雑誌がリスニングルームをとりあげた場合、
けっこう登場したりもしている。

一本の記事を、今日教えてもらった。
教えてくれたのは、私よりも一世代ほど若いMさん。

Donna Leakeという若い女性が取り上げられている記事は、
なかなか興味深い。

彼女の部屋は、楽しそうな雰囲気に充ちている。

ドナ・リーク(Donna Leake)という人が、
どれだけ有名なのかは私は知らないが、
来週火曜日(5月24日)に、八王子にあるクラブSHeLTeRに来てイベントを行う、とのこと。

イベントは21時からで、
ドナ・リークによるDJが始まるのは日付が変ったころかららしい。

時間的に迷うところなのだが、面白そうと思っている。

Date: 5月 18th, 2022
Cate: 広告

オーディオ雑誌と広告(その8)

HiViがKindle Unlimitedで読めることは知っていても、
これまで読んでこなかったけれど、
月刊誌から季刊誌になるということで、最新号(6月号)を読んでみた。

ベストバイが特集であるにもかかわらず、
広告が少なすぎて驚いてしまった。

季刊誌になるぐらいだから広告が減ってきているのだろうなぁ、
と思っていたけれど、ここまで少なくなってきているのに、
しかもベストバイが特集の号で、これだけしか広告が集まらないのか──、
その現実に、いったいいつからこんなふうになっていったのか、
あれこれ思ってしまった。

HiViを読んでこなかった私は、
HiViが月刊誌ではなくなるのは、まだ先のことのように思っていたが、
毎号読んできた人ならば、月刊での発行は厳しいと感じていたことだろう。

ホームシアター・メーカーが雑誌に広告を出す余裕がなくなったのか。
そんなふうには思えない。

けれど現実に、広告は少ない。
季刊誌になったからといって急に増えるのだろうか。

Date: 5月 18th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その4)

OTOTENの出展社が発表になっている。

これですべての出展社なのかはわからないが、
いまのところ中国のESD ACOUSTICの名はない。

2019年のOTOTENで、
オールホーンの5ウェイシステムで、
ユニットは励磁型のスピーカーシステムを発表していたメーカーである。

2017年創立のメーカーということ、
規模の大きさもあってか、
トータルのシステムとしての音には、いろいろ注文をつけたくなるものの、
この会社が今後どうなっていくのかは楽しみでもあったが、
コロナ禍のためOTOTENが中止で、その後、音がどうなっていったのかは知りようがない。

もう一社楽しみにしていたのが、富士フイルムである。
φという独自のスピーカーシステムのプロトタイプを発表していたが、
2018年、2019年、どちらも人気がありすぎてブースに入ることが出来ず、
いまだ聴けていない。

2020年のOTOTENを三度目の正直で聴けるか、と期待していたけれど、
今年が三度目になるか、と期待していたけれど、いまのところ出展しないようである。

Date: 5月 18th, 2022
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(オンキヨーのこと・その4)

オンキヨーの倒産で今後困る人は、
オンキョーの製品を使っている人である。

パイオニアの製品はどうなるのだろうか。
オンキヨーがパイオニアのAV事業部を買収してからのパイオニア・ブランドの製品は、
オンキヨーの修理扱いとなるだろうが、それ以前の製品に関してはどうなるのか。

現時点でわかっているのは、
オンキヨー&パイオニア修理センターサービス指定店 スカイシステムが、
オンキョー、パイオニア、そしてサンスイの製品の修理を行ってくれる、とのこと。

この会社は、
ウェブサイトによるとオンキヨーの大阪サービス指定店として三十年以上携わってきた、とある。

Date: 5月 17th, 2022
Cate: 黄金の組合せ

黄金の組合せ(その37)

黄金の組合せとは、アナログディスク全盛時代だからこそ、と、
改めて、この項を書きながら思っているところだ。

スピーカーがあり、アンプがあり、
そしてカートリッジがあってのいわば三位一体ともいえる絶妙の組合せだからこそ、
黄金の組合せと呼ばれたのだろう。

タンノイのIIILZ、ラックスのSQ38F、オルトフォンのSPU-G/T(E)、
この三つが揃っての黄金の組合せなのだ。

もしカートリッジがSPU-G/T(E)ではなく、
SPU-G/T(E)と正反対の性格の音のカートリッジだったらどうなっただろうか。

SPU-G/T(E)よりも透明で繊細な音だけれども、
低音の豊かさ、充足感に乏しいカートリッジでは、
《〝黄金〟の鳴らす簡素な音の世界》は奏でられなかったはずだ。

私が考えた組合せでも、そうだ。
カートリッジがピカリングのXUV/4500Qだったからこそ、である。

瀬川先生が考えられる《現代の黄金の組合せ》もまた、
アナログディスクゆえの組合せである。

瀬川先生はCDの音を聴かれていない。
瀬川先生が長生きされていたら──、
1990年ごろに現代の黄金の組合せについて何か書かれていたとしたら、
どんなことを書かれただろうか。

Date: 5月 17th, 2022
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(オンキヨーのこと・その3)

5月13日の夕刻、オンキヨー倒産のニュースがあった。
オンキヨーホームエンターテイメントが自己破産である。

ソーシャルメディアでも話題になっていた。
私が目にしたニュースのなかには、名門の破産、といった見出しをつけているところもあった。

いくつかの記事のなかで、
とんちんかんなことを書いている東洋経済の記事は、なかなか笑える。

名門(?)、
オンキヨーは名門だったのか。
そんなことを思いながらも、オンキヨーが消えても何の感情もわかない。

悲しい、とか、寂しいといった感情はない。
むしろここ二、三年、悪いウワサを耳にしていた。

いいウワサはまったくなかった。
悪いウワサのどれが本当なのかはっきりしないから取り上げなかったけれど、
オンキヨーはホームシアターを積極的に展開していくつもりだったのだろう。
そのためのメリディアンの輸入元になった、と思っている。

けれど結果はどうだったのか。

幸いなことにメリディアンの無入元はハイレス・ミュージックに戻っている。
e-onkyoもまったく別会社になっているから、オンキヨーとは関係ないので安心。