オーディオ 夢モノがたり(想像してみてほしい・その2)
いまや億を超える金額であっても、
オーディオに限っても夢のような金額とはいえなくなりつつある。
ならば十億円、百億円、さらには一兆円と考えてみる。
一兆円ほどあれば、世界中、好きな場所に望むままの家を建てられるし、
リスニングルームもいくつもも持てる。
オーディオ機器に関しても、気に入ったブランドを買収して──、
そんなことまで可能になる。
それにホールを建てて、オーケストラを自前でもち、
それこそ、そこで原音再生に取り組むことだってやれる。
一兆円という数字は、無尽蔵に思えるし、実際にそうであろう。
世の中には一兆円でも現実的な数字でしかない、という人もいるだろうが、
一兆円を生きているうちにすべて使い切ることを想像してみれば、
その金額の途方のなさを、少しは実感できようというものだ。
そうやって想像(妄想)のかぎりを考えていく。
そんなばかげたことをまじめに考えていくことで、
それではやりたいことをすべてやって、最後にしたいことは──、
この問いが残るのではないのか。