Date: 9月 27th, 2013
Cate: D44000 Paragon, JBL, 瀬川冬樹
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瀬川冬樹氏とスピーカーのこと(その10)

瀬川先生が生きておられたならば、
どのスピーカーシステムを鳴らされていたであろうか。
最終的にたどり着かれたのは、
この項の最初に書いているようにジャーマン・フィジックスのDDD型ユニットであることは断言できる。

このユニットは、瀬川先生にとって、21世紀のAXIOM80となったことだろう。

この項で考えていくのは、瀬川先生が目黒のマンションで鳴らされていた、
瀬川先生にとって終のスピーカーとなったJBLの4345、
このスピーカーシステムからDDD型ユニットまでのあいだに、
いったいどんなスピーカーシステムを鳴らされたであろうか。

もう瀬川先生におられない。
だから、答は誰にもわからない。
それならば、好き勝手に書けるわけではない。
いま、そんなことに頭を使って、時間を費やして、何になるのか、と思われるかもしれない。

無駄な時間といえば、一般的にはそうなのだろう。
でも、私には、瀬川先生が亡くなられてしばらく経ったころから、
ずっと頭のどこかにあって、あれこれ考えつづけてきたことであり、
いまもこうやって書いているのだから、考え続けている。

誰も答は知らない(わからない)。
それぞれの人の、瀬川先生の理解の範囲内で答を出している。
ある人は、アクースタットのコンデンサー型スピーカー、
アポジーのリボン型スピーカーを高く評価されたはず、という。

私は、これには素直に頷けない。
私がそう考えるわけについては、「BBCモニター考(LS3/5Aのこと)」で触れているので、
ここではくわしくはくり返さないが、
瀬川先生が苦手とする音についての考察が欠けたままの、それは答でしかすぎないからだ。

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