Date: 9月 28th, 2013
Cate: D44000 Paragon, JBL, 瀬川冬樹
Tags:

瀬川冬樹氏とスピーカーのこと(その11)

好きな音に対して嫌いな音がある。
好きな音に対してのものではないけれど、そして嫌いな音とひとくくりにされがちだが、
苦手な音というものもある。

たしかにアクースタットのコンデンサー型スピーカーシステムを、
サウンドコニサーの取材で初めて聴いた時には、驚いた。
そこでの黒田先生の発言にもあるように、
瀬川先生だったら、このスピーカーの特徴を空気感というった言葉で表現されるだろう、
ということには素直に同意できる。
アポジーのリボン型に関しても、同じであり、その意味では瀬川先生の好きな音の範疇にある、といえる。

けれど同時に瀬川先生の苦手とされる音があり、それが何かを、書かれたものから読みとっていけば、
アクースタットとアポジーは微妙なところに立っているスピーカーということになる。

そしてもうひとつ、これは山中先生との対談ではっきり言われていることだが、
背の高いスピーカーシステムを嫌われている。
このことも瀬川先生とスピーカーシステムについて考えるときに忘れがちなのだが、
大事なことのひとつである。

瀬川先生の苦手な音、背の高いスピーカーに対するある種の嫌悪感、
こういった要素をあえて無視すれば、アクースタット、アポジーは有力な候補として浮上してくる。

だが、あくまでも、そういった要素を無視しての候補であり、
アクースタット、アポジーは高く評価された可能性はあるけれど、
導入されるまではいたらなかったはず、と私は考えている。

では、何があるのか。
ひとつ、確実に購入されたであろう、といえるスピーカーシステムがある。
JBLのD44000 Paragonである。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]