Archive for category テーマ

Date: 11月 24th, 2019
Cate: 「オーディオ」考

「ゴドーを待ちながら」再読(その1)

二日前にインターナショナルオーディオショウに行った。
それぞれのブースは、人が大勢入っているところもあれば、そうでないところもある。

日に何度かオーディオ評論家によるイベントを行うところもある。
人気のあるオーディオ評論家の回だと、開始時間のかなり前から、大勢の人が待っている。
毎年、そういうのを眺めてきた。今年もそうだった。

今年は、少し違った。
待っている人を見て、この人たちは何を待っているのか、とふと思った。
開始時間を待っているわけなのに、
お目当てのオーディオ評論家が登場するのを待っているのはわかっているのに、
なぜかそう思った。

何を待っているのか。
待っている人一人ひとりに、「何を待っていますか」と訊いてまわっても、
答は「始まるのを待っている」、
「○○さん(オーディオ評論家)が登場するのを待っている」、
そんなところのはずだ。

きっと、何をわかりきったことを訊くんだ、と思われることだろう。
それでも、何を待っているのか、はっきりとわかっている人はいるのだろうか。

初日にインターナショナルオーディオショウに行った。
この日の最後に訪れたのはテクニクスのブースだった。

テクニクスのブースは、他のブースから離れたところにある。
この日は歯の治療に行かなければならなかったので、
最後にテクニクスのブースに寄って、18時には会場を出る予定だった。

17時半ごろに行くと、SL-G700のデモが始まるところだった。
椅子に座って待っていると、スタッフの方がパンフレットを配られている。

SL-G700のパンフレットか、と思っていたら、MQAのパンフレットだった。
MQAジャパンの人もいて、MQAのデモも行う雰囲気があった。

Date: 11月 23rd, 2019
Cate: 「本」

オーディオの「本」(近所の書店にて・その6)

別項「菅野沖彦のレコード演奏家訪問〈選集〉」へのfacebookでのコメントに、
県内最大の書店で、やっと見つけた、とあった。
別の方は、あてになりそうな書店がないとのことで、amazonに注文した、ともあった。

東京でも、規模がそれほど大きくない書店だと、
オーディオ関係の雑誌は置かれていないところが確実に増えてきている。

東京以外でも同じようである。
おそらく、私の実家がある熊本の田舎町も同じであろう。

「五味オーディオ教室」でオーディオの世界に出逢った私にとっては、
これから先、オーディオはどうなるんだろう……、と心配にダイレクトに結びついていく。

いまちょうどインターナショナルオーディオショウがやっている。
今年はどれだけの入場者があるのか、
例年と同じくらいてのか、増えているのか減っているのか。

いまのところなんともいえないが、増えたからといって喜べる状況だろうか。

本は、見知らぬ世界への入口となってくれる。
こんなことを書くと、amazonがあるだろう、と返ってくるかもしれない。

ここでは無線と実験が、近所の書店が置かれなくなった、ということから書き始めている。
書店になければ、amazonから買えばいいだろう、
わざわざ書くほどのことじゃない──、
ほんとうにそうだろうか。

ずっとオーディオをやってきて、無線と実験という雑誌があること、
これまで読んできた人ならば、それでいい。
でも、世の中には、無線と実験というオーディオ雑誌を知らない人の方が圧倒的に多い。

無線と実験の名をたまたま挙げているが、
ステレオサウンドに置き換えても同じだ。

ステレオサウンドで働きはじめたばかりのころ、いわれたことがある。
ステレオサウンドはオーディオの世界では有名だけど、
雑誌全体の世界から見れば無名に近い存在なんだ、と。

Date: 11月 23rd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その21)

電車に乗ると、非常に混んでいてもバックパック(リュック)を背負ったままの人がいる。
アナウンスでは前に抱えてください、とくり返していても、
背負ったままの人は、必ずいる。

今年のインターナショナルオーディオショウで初めて感じたのは、
大きなバックパックを背負ったままの人が少なからずいて、
混んでいるブースでも、周りの人をまったく気にせずに体の向きを変えたり、
後ずさりしている人が目についただけでなく、ぶつかりそうになった。

ほんとうに、こういう人たちは、
体の厚みがバックパックの分だけ後に増していることをまったく意識していないようである。

誰かにあたれば気づきそうなのに、まったく気にする様子もうかがえない。
来年、再来年……とこういう人たちが増えてくるようになると、
インターナショナルオーディオショウの会場でも、
バックパックは前に抱えてください、とアナウンスされるようになるのかもしれない。

Date: 11月 22nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その20)

FMアコースティックスについて続きを書いていくと、
それだけで終ってしまいそうなので、ここまでとするが、
それでも明日明後日、インターナショナルオーディオショウに行かれる方は、
FMアコースティックスで鳴らされるファインオーディオのF1-12の音を聴いてほしい。

今年聴く機会のない人は、来年がある。
来年もアクシスのブースでは、FMアコースティックスはあるはずだし、
ファインオーディオもあるはずだから、来年も聴けるはずだ。

とにかくFMアコースティックスほど、低音の表現力に秀でたアンプは、
いまのところ存在しないのかもしれない。

あと意外だったのが、タイムロードのブースだった。
別項「オーディオ・システムのデザインの中心」で、
タイムロードのオリジナルブランドのスピーカー、Alinaのデザインについて書いている。

デザインは酷評したが、音に関しては何も書いていない。
聴いていないのだから。

今日、タイムロードのブースに入ったら、ちょうどAlinaが鳴っていた。
デザインとは対照的に、音には好印象を持つことができた。

青色のAlinaが鳴っていた。
別項で、ドラゴンクエストのスライムだ、と書いた青色のAlinaであるだけに、
ジョーダン・ワッツのflagonへのオマージュとリスペクト、
デザインや機能に意味合いを持った製品開発、
そういったことを謳っていなければ、愛嬌ある製品(形)に見えてくる。

タイムロードの部費酢に入ったときから、
既に椅子に座って聴いている人たちの雰囲気が、聴き入っているという感じがあった。

Date: 11月 22nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その19)

会場の国際フォーラムに着いたのは12時30分ごろだった。
19時までいられればよかったのだが、
歯の治療の予約をしていたので、18時までしかいられず、
今回も素通りせざるをえなかったブースがある。
すべてのブースをまわったわけではない。

なので、あくまでも私が入ったブースということになるが、
今年聴いたなかで、印象深かったのは、アクシスで鳴っていたファインオーディオのF1-12だ。

昨年もファインオーディオのスピーカーには好印象を持っていた。
昨年鳴っていたのは、F1-10で、今年のモデルはユニット口径が12インチにアップしている。

しかも今年は、FMアコースティックスでの音を聴けた。
他のアンプで鳴らされた音もいいのだが、FMアコースティックスの音を聴いた後では、
色褪てしまうほどに、魅力的に鳴っていた。

アクシスのスタッフの方がいわれていたけれど、
FMアコースティックスの製品は、毎年値上げされる。十年でほぼ二倍になる。

確かにそうである。
このあいだ、ひさしぶりにFMアコースティックスの価格を確認してみたら、
ここまで高くなっていたのか、と驚いた。
ほんとうに高い。あえて価格は書かないでおく。

音は空気の振動である。
空気にも質量はあるというものの、我々は空気の重さを感じることはほとんどない。

けれど音楽という空気は、重量ある楽器から生み出されたものである。
その楽器を弾く人には体重がある。

そういうところから音は出てくる、ということを感じる音なのだ。
ピアノの音は、それが300kgほどの重量をもつグランドピアノから発せられていることを感じる。
演奏者にも体重があることを感じさせる。

かといって、音そのものが重々しいわけではない。
FMアコースティックスの音を聴いたあと、
アクシスのブースのほかのアンプ、
ほかのブースでの音を聴くと、そこに肉体の不在を感じてしまうほどに、
FMアコースティックスの音には、肉体がある、ボディがある。

Date: 11月 22nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その18)

今日から三日間、インターナショナルオーディオショウの開催。
東京は冷たい雨。土日で天気が回復するなら今日はやめようかな、と思っていたけれど、
天気の回復は遅くなるようなので、初日の今日、行ってきた。

今年は、初の試み(のはず)として、
ニュ状パスカードの裏にスクラッチクジがついている。
当選すれば、各ブースでノベルティグッズがもらえる。
600名に当る、とのこと。

こういうクジ運はまったくない私なのに、
アブサートロンのB賞が当った。
とはいっても、ノベルティグッズの類なのか、とほとんど期待はしていなかった。
アブサートロンのブースで手渡されたのは、小さな袋に入ったモノだった。

パッと見て、何が入っているのかはわからなかった。
会場出る時になって、そうだ、と中身を確認すると、
アブサートロンが輸入しているストレートワイヤーのY字ラグGLS-Y8だった。
定価5,800円である。

これでB賞なのか、と思った。意外にいいモノをいただけた、と思っている。
A賞はなんだったのか、と想像もした。
実用的なモノを貰えて、こういう企画は、来年以降も続けてほしい、と思うと同時に、
当選した人は、できるだけ、SNSなどで、何が貰えたのか公開したらいいのではないか。

そんなモノを目当てに……、とか、そんなこと書かなくても……、
なんていう人もいるけれど、
これが少しでも入場者アップにつながっていき、盛り上ってくれればいいことである。

Date: 11月 21st, 2019
Cate: 「本」

オーディオの「本」(近所の書店にて・その5)

SWITCHは、12月号はオーディオを特集するのが三年続いている。
12月号は、「いい音と暮らす QUALITY of SOUND LIFE」である。

今日書店に寄ったのは、SWITCHが目的でもあった。
ション手について、まずオーディオアクセサリーの最新号を、
それから「菅野沖彦著作集」、「菅野沖彦のレコード演奏家訪問〈選集〉」を手にした。

この数分のあいだに、これからの本を手にした人は誰もいなかった。
でも、SWITCH 12月号は三人が手にしていた。
三人とも買いはしなかったが、それでも迷わずSWITCHに手を伸ばしていたのだから、
12月号の特集の内容に興味を持ってのことなのだろう。

この人たちが、オーディオに関心があるのか、それとも村上春樹への興味からなのか、
それとも両方に関心があるのか──、私にはわからない。

それでも手にする人がこれだけいるのか、と思った。
わずか三人じゃないか、といわれそうだが、
上記のように、オーディオ雑誌を手にした人はいないのだから。

今日に限らない。
オーディオ雑誌に手を伸ばす人を見かけるのは、一年の間に二回あるかないかである。

Date: 11月 20th, 2019
Cate: デザイン
2 msgs

オーディオ・システムのデザインの中心(その22)

五年前の別項で、
ステレオサウンドは、オーディオのデザイン論をやってこなかった、と書いた。

これは私自身の反省もある。
私がいたときもやってこなかった。

企画をたてたところで、当時の私にどれだけの内容の記事がつくれたのか。
それでもやっておくべきだった、と後悔している。

やらずにすませてきた。
それから五年経った。
やはりステレオサウンドは、オーディオのデザイン論はやっていない。
おそらく、これから先もまったく期待できないはずだ。

オーディオのデザイン論、
そういう記事がどれだけ必要なのか、と疑問に思われるかもしれない。

ステレオサウンドがやってこなかったから、
エソテリックの、ああいうデザインが登場してくるし、
今回のタイムロード/ArchitecturaのAlinaのデザインが、
平気な顔して登場してくる──、そう思ってしまう。

ジョーダン・ワッツのflagonへのオマージュとリスペクト、
デザインや機能に意味合いを持った製品開発、
そういったことを謳いながらの、このかたちなのか。

特に青色のAlinaは、Flagonというよりドラゴンクエストのスライムである。

こんなことを記事になかったなら、
変な形のスピーカーが登場したな、とは思いつつも、ここで書くことはしなかった。

けれど違う。
それで書いている。

どうして、こんなデザイン(デザインとは呼べない)モノが、
日本のオーディオ製品として、ここに来てさらに目立つようになったのか。

Date: 11月 20th, 2019
Cate: ディスク/ブック

CHARLES MUNCH/THE COMPLETE RECORDINGS ON WANER CLASSICS(その2)

2018年9月に出た“CHARLES MUNCH/THE COMPLETE RECORDINGS ON WANER CLASSICS”。
この13枚組のCDボックスから、今年6月に、
パリ管弦楽団とのブラームスの交響曲第一番とベルリオーズの幻想交響曲が、MQA-CDで発売になった。

ほかの曲はどうなのだろう、とまたまたe-onkyoを検索してみると、
昨年のCDボックス発売にあわせて、四枚が配信されていることを、いまごろ知った。

ブラームスの一番は、先月のaudio wednesdayでかけた。
早い時間に第一楽章を、
終り近くで第四楽章をかけた。

ミュンシュのパリ管弦楽団を振ってのブラームスは、
宇野功芳氏と福永陽一郎の両氏は、
フルトヴェングラー以上にフルトヴェングラー的である、
最上のフルトヴェングラーだ、
そういうふうに高く評価されている。

フルトヴェングラーのブラームスは、モノーラルしかない。
仕方ないといえばそれまでだが、ミュンシュ/パリ管弦楽団は1967年のステレオ録音である。

最上のフルトヴェングラーといいたくなる気持は、聴けば納得できる。
特に第四楽章は、圧倒的というか圧巻だ。

フランス人の指揮者で、フランスのオーケストラ。
そんなふうには誰も感じないはずだ。

奇蹟のような名演、と表現してしまうと、大袈裟な……、と感じてしまう人が必ず出てくる。
MQA-CDには、
《特に終楽章の高揚感と壮麗な表現は大きな感動を呼びます》とある。
決して誇張ではないし、
この演奏が聴けることこそ、オーディオの醍醐味とさえいえる。

Date: 11月 20th, 2019
Cate: 会うこと・話すこと

会って話すと云うこと(audio wednesdayのこと・その4)

いまではaudio wednesdayといっているが、
最初のころはaudio sharing例会といっていた。

そのころは音は鳴らさずに、話だけだった。
音を鳴らすようになってほぼ三年になる。

この三年間は、一度器材の不具合で音を鳴らせない日があったし、
喫茶茶会記のスペースが、どうしてもその日は空いていないということで、
飲み会に変更した日もあったけれど、
それ以外は、ずっと音を鳴らしてきた。

音を鳴らすと、話す時間は極端に減る。
というか、最低限のことしか話さない時も多い。

でも皆で集まって、
オーディオの話、音楽の話、時にはほとんど関係ない話をするのは楽しい。
たまには音を鳴らさない会もいいんじゃないですか、といわれたこともある。

だから、毎年忘年会やっているじゃないですか、と返事したが、
忘年会での話とaudio wednesdayで喫茶茶会記に集まってでは、
場の雰囲気も違うし、お酒が入って会話とそうでない会話と同じではない。

そういわれればそうである。
audio wednesdayに新しく来られた方たちと、あまり話すことがなかった。

会の終りまで参加されている方たちとは、片づけをしている時に話したりするけれど、
終りはたいてい23時半ごろで、喫茶茶会記を出るのは20分ぐらい後になるのだから、
皆が最後まで、というわけではない。

音を聴いてもらうことを優先していると、どうしてもそうなってしまうのだが、
どちらがいいのだろうか、と少し迷うところもある。

8月のaudio wednesdayのように、なんらかのトラブルがあったときなどは、
音を鳴らさずに話に切りかえよう、とか、そういうことではなく、
普段の会から、きちんと来られた方たちともっと話をしよう、ということを思う。

Date: 11月 19th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その21)

続けてエソテリックについて書くつもりでいたが、
数日前に、首を傾げたくなるスピーカーシステムが登場したので、
まずこのことについて書きたい。

もうこれだけで、どのスピーカーのことなのか、わかった方はけっこう多いと思う。
タイムロードのオリジナルブランド、
Architectura(アーキテクチューラ)のスピーカー、Alina(アリーナ)だ。

Phile webの記事で知った。

記事には、《「デザインや機能に意味合いを持った製品」の開発をコンセプトに掲げる》とある。
古いオーディオマニアならば、このAlinaを見て、
ジョーダン・ワッツのFlagon(フラゴン)を思い出す。

記事にも、
《JORDAN WATTSの壺型陶器製スピーカー「FLAGON」の存在が大きいと説明。これを現代の技術で作ったらどうなるのかと考え、オマージュとリスペクトとして日本の伝統というオリジナル要素を加えて開発したとのことだ》
とある。

Flagonの存在を知ったのは、
1976年12月に出たステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」だった。
岡先生が、FlagonとQUADの33と303、FM3、それにデュアルの1228という組合せをつくられていた。
当時Flagonは、49,500円(一本)していた。

けっして安いスピーカーではなかった。
搭載ユニットはジョーダン・ワッツ独自の10cm口径フルレンジのModule Unit。
エンクロージュアは陶器製で、どこか東洋的な花瓶のようなスタイルをもつ。

こんな変ったスピーカーがあるのか、と思うだけでなく、
いつかお金に余裕ができたら、欲しいと思ったスピーカーでもある。

エンクロージュアが焼き物だったため、生産性が悪く、
1980年代には金属製に変更されたが、ロングセラーのスピーカーシステムである。

Alinaは、そのFlagonへのオマージュとリスペクトなのだそうだ。

Date: 11月 19th, 2019
Cate: アンチテーゼ, 平面バッフル

アンチテーゼとしての「音」(平面バッフル・その4)

平面バッフルの構造は、特に複雑ではない。
バッフル板と支える脚部があれば、平面バッフルとして機能する。

とはいえ脚部をどうするのかは、意外と難しい。
脚部というよりも、平面バッフル全体を、どう支えるかの問題である。

さらに平面バッフルの材質には、響きのよいものを、と昔からいわれている。
だから上質の木材が、平面バッフルにはよく使われる。

平面バッフルにおいて、バッフル板の響きは確かに重要であるが、
その響きを疎外する要因となっているのが、
スピーカーユニットのバッフル板への取り付けである。

重力のない世界ならば影響は抑えられるが、
地球上にはそういう場所はない。
バッフル板には、ユニットの重量が荷重となる。

2m×2mといった大きな平面バッフルに、10cm口径のユニットならば、
ユニットの荷重による影響は小さくなっても、
2m×2mの平面バッフルに、小口径のユニットを取り付ける人はまれだろう。

やはりこれだけの規模となれば、38cm口径のユニットを、私だったら迷わず選ぶ。
となるとユニットによくる荷重は、10cm口径のユニットとは比較にならないほど大きくなる。

そうするとバッフル板へのテンションが強くかかることになる。
このテンションの強さは、本来材質が持っている響きのよさを損ねる方向に働きがちだ。

ダンボールの平面バッフルは、不思議といい音だった。
ダンボールだから、叩いてみても、良質の木材のようないい感じの音がしてくるわけではない。

ダンボールの平面バッフルの音の良さは、
ユニットを人が手で支えていたから、ダンボールのバッフル板には、
ユニットによる荷重はまったくない。

Date: 11月 19th, 2019
Cate: 1年の終りに……

2019年をふりかえって(その11)

2018年が、MQAとメリディアンのULTRA DACと出逢えた年で、
2019年は、よりMQAに近づくことができた一年といえる。

MQA-CDがワーナーミュージックからも発売されるようになった。
それに度々書いているように、e-onkyoでのMQAのラインナップが充実してきている。

タワーレコードやHMVからの新譜のメールが届いて、
こんな新譜(旧盤の復刻を含めて)が出るのか、と思い、
e-onkyoで検索してみると、CDの発売にあわせて配信が開始されることも増えた。

ジネット・ヌヴーがそうだったし、
新録音の新譜でも、もう出ているのか、と驚くこともある。

当然e-onkyoでの配信は、CDのスペックをうわまわっている。
そのうえでMQAがあることも増えてきている。

オンキヨーがメリディアンの輸入を12月から開始するくらいだから、
このことにはいろんな感情があるとはいえ、
e-onkyoでのMQAのラインナップが、今年以上に充実してくる可能性もあるのでは──、
と都合のいいように考えて、期待がふくらんでいるのは否定できない。

e-onkyoのラインナップにまだまだ満足していないけれど、
今年のように、もしくはそれ以上積極的に展開してくれれば、
CDの売上げがいまも大きい日本でも、徐々に変化していくのではないのか。

Date: 11月 19th, 2019
Cate: 使いこなし

セッティングとチューニングの境界(その20)

その19)で挙げた例と同じ状況におかれた、私ならどうするか。

知人の友人と同じ状況だったら、どうするか、といえば、
会社を辞めることをまず考える。

欲しいと思い続けてきたスピーカーをなんとか手に入れることができた。
なのに海外への転勤が決まってしまい、
スピーカーは転勤先に持っていけないことになったら、
ここを読まれている方はどうするだろうか。

24時間空調が完備している倉庫で、日本に戻ってくるまで寝かしておくのか。
けれど、スピーカーというものは、鳴らさずに一年、二年……、と置いておくだけで、
本来の性能が失われていく。

これは不可避の現象である。
そういうことを知っていれば、なんとかしたい、と考える。

知人の友人は、だから、知人に預ってもらって、
転勤のあいだ、ずっと鳴らしてもらうことを考えついたのか。

新品で買ったスピーカーを、そうやって人に預けて鳴らしてもらう。
短期間ではない、海外転勤が終るまで、少なくとも一年とか二年はかかるのだろうか。

たとえば、誰かに預けるスピーカーが、
新品のときから鳴らしていて、すでに二年、三年が経っていたのであれば、
信頼できる人に預ける、ということを、私も考えるかもしれない。

けれど新品、もしくは数ヵ月程度しか鳴らしていないスピーカーを、
誰かに預けることは絶対に考えない。

だから、仕事を辞めるということを考える。
辞める、といっても、仕事の関係上、そうもいかないこともある。

私なら、そのままにしておく。
鳴らさずに置いておく。

確かに新品の状態を、いろんな意味で維持できなくなるのはわかっている。
それでも、誰かに鳴らされるよりは、そちらのほうがましだからだ。

Date: 11月 18th, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その17)

今週金曜日(22日)から三日間、インターナショナルオーディオショウである。
今年、多くの人の注目を集めるのは、
テクダスのAir Force Zeroと断言してもいい。

生産台数の少ない限定であるだけでなく、
その重量を考えても、来年のオーディオショウで見られる(聴ける)とはかぎらない。
今年が最初で最後の機会になる可能性はある。

私が関心があるのは、roonのNucleusを使用するブースがどれだけなのか、がまずある。
それからMQAでの音出しを行うところがどれだけあるのかも、そうだ。

(その11)で書いているように、
今年は、各ブースのスピーカーで目立つのはフォーカルなのか、
それとも他のブランドなのか、も興味がある。

オーディオショウなんて、いい音が聴けるわけでもないし、
人は多いし……、
文句ばかり言って行かない人も少なくないようだ。
知人にも、一人いる。

いいたくなる気持はわかるけれど、
行けばやはり楽しいところは、必ずある。
通ぶっても、行かずに文句ばかりたれているのが最悪なのは皆わかっているはず。