オーディオ・システムのデザインの中心(その22)
五年前の別項で、
ステレオサウンドは、オーディオのデザイン論をやってこなかった、と書いた。
これは私自身の反省もある。
私がいたときもやってこなかった。
企画をたてたところで、当時の私にどれだけの内容の記事がつくれたのか。
それでもやっておくべきだった、と後悔している。
やらずにすませてきた。
それから五年経った。
やはりステレオサウンドは、オーディオのデザイン論はやっていない。
おそらく、これから先もまったく期待できないはずだ。
オーディオのデザイン論、
そういう記事がどれだけ必要なのか、と疑問に思われるかもしれない。
ステレオサウンドがやってこなかったから、
エソテリックの、ああいうデザインが登場してくるし、
今回のタイムロード/ArchitecturaのAlinaのデザインが、
平気な顔して登場してくる──、そう思ってしまう。
ジョーダン・ワッツのflagonへのオマージュとリスペクト、
デザインや機能に意味合いを持った製品開発、
そういったことを謳いながらの、このかたちなのか。
特に青色のAlinaは、Flagonというよりドラゴンクエストのスライムである。
こんなことを記事になかったなら、
変な形のスピーカーが登場したな、とは思いつつも、ここで書くことはしなかった。
けれど違う。
それで書いている。
どうして、こんなデザイン(デザインとは呼べない)モノが、
日本のオーディオ製品として、ここに来てさらに目立つようになったのか。
REPLY))
1976年のレコード芸術誌に瀬川冬樹が「物マニアック装置考」と題するオーディオデザイン論を連載していました。たまたま手元にある9月号が第5回です。
REPLY))
ありがとうございます。