Archive for category テーマ

Date: 10月 8th, 2019
Cate: 「ネットワーク」, ステレオサウンド

オーディオと「ネットワーク」(人脈力・その3)

この項の(その1)は、2014年12月8日に書いている。
出たばかりのステレオサウンド 193号に、人脈力が載っていたから、である。

(その3)はもう少し早く書く予定だった。
なのに放ったらかしにしていたのは、
その後のステレオサウンドに人脈力が登場しなくなったことも関係している。

「難条件を克服するマイシステムの作り方」という記事に、
人脈力は、本文にも見出しにも登場している。

それに、この記事には若い読者も登場していた。
なんとなく、この人たちを、将来の筆者に育てようとしているのか……、
そんなふうに勘ぐりもしたけれど、
そこで終ってしまって、それからは登場していないはずだ。

そんなこともあって、
それに他に書きたいこともあって、(その3)を書かずに四年近く経ってしまった。

思い出したように書いているのは、
SNSへの接し方を眺めていると、
言葉にしていわないけれど、
この人は人脈力を目的としているのか、と思うことがあったためだ。

Date: 10月 8th, 2019
Cate: 「オーディオ」考

オーディオの罠(その2)

一年前に、(その1)を書いた。
そこで、オーディオの罠は存在しない、と思うように変った、と書いた。

それまでは、オーディオの罠といえるものが、存在しているように感じていた。
それを人は泥沼と呼んでたりしている。

そう書いた一ヵ月くらい後に、
自己模倣という純化の沼と書いた。

結局、この自己模倣という純化の沼を、
オーディオの罠のように錯覚しているだけなのだろう。

それをオーディオの泥沼と思っているだけなのだろう。

自己模倣という純化の沼を楽しみたければ、それもいい。
やめたほうがいいですよ、とは、もう言わないことにした。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(SNSの選択・その5)

自己責任という言葉が頻繁に使われるようになって、
もう十年程が経つのだろうか。

なんとなくでしかないが、自己責任という言葉が登場し、
使われるようになったのと、インターネットの普及はどこかに関係があるのかもしれない。

自己責任という言葉は、はっきりと嫌いである。
使いたい人は使えばいい。それだけのことである。

その自己責任について、ここで取り上げているのは、
自己責任が使われるようになって、
個人の責任という言葉が代りに使われなくなってきたように感じているからだ。

そして個人の責任から逃避する人が増えてきたようにも感じている。
逃避する、という表現が行き過ぎているのならば、
個人の責任を曖昧にする人が増えてきている、といいなおそう。

自己責任と個人の責任の違いについて、
うまく言い表せないままで書いていくのだが、
結局のところ、(その4)で書いた表現のインフレーションは、
こういうところにもどこかで関係しているような気がしてならない。

その2)でも書いているように、
音楽のこと、オーディオのことを平気でマルチポストする人とは、
音楽、オーディオについて語らないようにしている。

このことも、私にとっては同じことなのかもしれない、と思っているところだ。
個人の責任から逃避している、曖昧にしようとしている人と、
音楽のこと、オーディオのことを平気でマルチポストする人とが、どうしても重なってしまう。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: イコライザー

トーンコントロール(その11)

10月2日のaudio wednesdayでは、
メリディアンの218のトーンコントロール機能をゼロにすることはなかった。

どのディスクでも、低音か高音のどちらかはトーンコントロールでいじっていた。

最初に鳴らしたディスクでは、どのくらいの変化量が音としてあらわれるのか、
さぐっていく段階だったので、
低音も高音も、数回、曲を鳴らしながら操作していた。

二枚目を聴いて、三枚目くらいになると、
おおよその目安のようなものはつかめた。

それでもディスクをかえて、このくらいかな、と思って操作して、
そのまま最後まで聴き続けることもあったが、
冒頭の音の十秒ほどを聴いて、0.5dBステップで調整もしていた。

さわってみると実感できるのは、
ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩のたとえ通りであるということだ。

こんなに頻繁にトーンコントロールを調整したことは、
これまでをふりかえっても一度もなかった。

だからといって神経質になることはない。
ほんとうに、いい感じで音が決まる感触があって、
iPhoneで手元で調整できるのだから、とにかく触って音を聴くだけである。

メリディアンの輸入元ハイレス・ミュージックの鈴木さんによれば、
ボブ・スチュアートが長年取り組んできた成果である、とのこと。

ULTRA DAC、218のトーンコントロールのアルゴリズムがどういうものなのか、
技術的なことはまったく知らない。
正直、そんなことはどうでもいい。

使ってみれば、その良さはよくわかるはずだ。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その9)

12月に出るステレオサウンドの特集の一つはベストバイである。
マッキントッシュのMA7900はすでに製造中止になっているが、
MCD350は現行製品だから、何人かが点を入れることだろう。

ステレオサウンドの特集で、たとえば総テストだと、
そこでは試聴記とあるように、ステレオサウンドの試聴室で鳴った音について書かれる。

これはこれでいい。
けれど年末のベストバイとなると、ちょっと違ってこなければならないはずだ。

ベストバイである。
ここでは単に音がよいだけではなく、
製品としての安定性とか使いやすさとか、
そういったもろもろのことを含めての判断でのベストバイではないのか。

そして、そこには取り扱い説明書のことも含まれる。
私がベストバイの選者だったら、MCD350の音を仮に気に入っていたとしても、
三つ星をいれることはない。

それはこれまで書いてきていることが理由である。

ベストバイで点(星)を入れる製品すべての取り扱い説明書をチェックするのは、
そんなのは無理だ、とステレオサウンドのベストバイの選者はきっというだろう。

ほんとうに無理なのだろうか。
ベストバイを選出する時期になってから、
ベストバイ候補の機種すへでの取り扱い説明書をチェックするのは時間をかなりとられる。

けれど、ベストバイというのは、一年を通じて接してきたオーディオ機器に、
点を入れる行為である。

ならば最初に接した時に、
ある程度は、その人のなかで今年のベストバイ候補になるのかどうかの判断は、
ついている、と考えられる。

ならばその時点で取り扱い説明書をチェックしておけばいいだけの話だ。

少なくともベストバイで三星を入れるのであれば、
それらの製品だけでもしっかりと取り扱い説明書をチェックしたうえで、
どれだけトラブルに関しても、メーカー側がきちんと考えているのか、
そこまで読み切ってこそのプロのオーディオ評論家なのではないか。

Date: 10月 5th, 2019
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その8)

この項を書くきっかけとなったのも、マッキントッシュのMA7900に関することだった。
MA7900は、その後も、一度ディスプレイに、Firmware updateと表示が出たこともある。

MA7900はスピーカーとCDプレーヤーには接続しているが、
インターネットには接続していないし、そういう端子もない。

にもかかわらず、こんな表示が出る。

どこかが明らかに故障するとか、音がおかしくなっているわけではない。
Firmware updateの表示が出ても、電源を一旦落せば消えてしまう。

とはいえ精神衛生上よくない。
今回のMCD350のデジタル出力のトラブルに関しても同じだ。

リセットすることで、いつもの音になっている。
デジタル出力も使えるようになっている。

けれど、本当にこれでいいのか、と私は思う。
出来の悪いOSで動いているパソコンではないのだから、
不具合が生じたら、一度電源を落せばいい──、
というのは、オーディオ機器の感覚からは離れている。

前回も書いたが、これが登場したばかりのメーカーの製品ならば、
そんなものだろう、とこちらも思うわけだが、
マッキントッシュの製品である。

以前のマッキントッシュならば、
一つのツマミにいくつかの機能を受け持たせるようなことを行っても、
安定していたであろうし、リセットが前提ということはなかったはずだ。

マッキントッシュは堕落し始めている──、
こんなこと思いたくなかったが、
喫茶茶会記にあるMA7900とMCD350を使っていると、否定は出来ない。

そして取り扱い説明書が、また不親切なのだ。

Date: 10月 4th, 2019
Cate: High Resolution,

MQAで聴けるエリザベート・シュヴァルツコップ(その1)

エリザベート・シュヴァルツコップのMQAでの配信が、
e-onkyo musicで始まっているのは知っていた。

それでも、私がいちばん聴きたい曲は、まだそこにはなかった。
出ないのか、しばらくしたら出るのか。

一年後でも二年後でもいいから、出してほしい、
とにかくMQAで聴きたい──、
ULTRA DACでMQA-CDの音を聴いた日から、そう思っていた曲が、
今日から配信されるようになった。

Strauss: Seven Songs – Mozart: Concert Arias”の一曲目、
モーツァルトの“Ch’io mi scordi di te?… Non temer, amato bene, K. 505”である。

シュヴァルツコップの歌唱は、どうも苦手だった。
のめり込めないような何かを、聴く度に感じていた。

そんなときにふと手にしたのが、CD化されたばかりのモーツァルトのアリア集だった。
今回配信された“Strauss: Seven Songs – Mozart: Concert Arias”とは、
だから収録曲に違いがある。

そんなことはどうでもいい。
私がとにかく聴きたかった一曲が入っているのだから。

“Ch’io mi scordi di te?… Non temer, amato bene, K. 505”は、
私にとってシュヴァルツコップへの認識をがらりと変えてくれた。

シュヴァルツコップには、もっと素晴らしい歌唱がたくさんある──、
そうなのかもしれない。

私はシュヴァルツコップの歌唱をすべて聴いているわけではない。

でもそんなことはどうでもいい、と思っている。
美しい音楽が聴ける。
それで充分である──、
そう思いながらも、さらに美しい音で聴きたい、という欲がある。

Date: 10月 4th, 2019
Cate: イコライザー

トーンコントロール(その10)

瀬川先生が、「コンポーネントステレオの世界 ’79」の巻頭、
「’78コンポーネント界の動向をふりかえって」で、トーンコントロールについて触れられている。
     *
 また、音楽の愛好家ならば、レコードを録音本位では買わない。自分の好きな曲、好きな演奏家、を選ぶのは当り前だ。それが結果として良い音であれば嬉しいが、中には録音のコンディションのために、低音や高音の過不足もある。それをそのまま聴くというのもひとつの態度だろうが、私はそれほど寛大になれない。もう反射的に、手がトーンコントロールにのびて、音のバランスを修整したくなる。料理をひと口たべてみて、胡椒をひと振りするのと全く同じだ。ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩が、どれほど味を生きかえらせることだろう。
 そういう意味で、くりかえすが私はトーンコントロールやラウドネスコントロールや、フィルタのコントロール類を、やたらと省略するアンプの作り方に全く賛成できない。録音の良いレコードばかりが用意されて、遮音の十分なメーカーの試聴室の中で十分な音量で聴きながら仕上げているかぎりは、たしかにトーンコントロールは不要だろうが、現実に私たちの手に渡ってからのアンプは、そういう聴かれかたばかりではないのだ。GASやマランツやマッキントッシュやQUADのコントロールアンプは、決してトーンコントロールをないがしろにしていない。マーク・レビンソンも、JC2がML1Lになって音質は納得がいったが私自身はLNPにこだわるのもそのためだ。
     *
《ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩が、どれほど味を生きかえらせることだろう》
とある。

よくできたトーンコントロールを、
うまく使いこなせれば、ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩の例えはまさにそうであり、
味が生きかえることはある。

10月2日のaudio wednesdayで、
メリディアンの218のトーンコントロール機能を、iPhoneでいじっていて、
そのことを実感していた。

それは、初めての、ともいいたくなる実感でもあった。
マークレビンソンのLNP2の3バンドのトーンコントロールは、使ってみると納得できる。

LNP2のトーンコントロールは連続可変ではなく、
切替えスイッチによるステップ式である。

それで不満を感じないといえばそうともいえるが、
時として、ステップがもう少し小さければ、もっといいのに……、
そうおもうことがまったくない、とはいえない。

218は低音と高音の2バンドのトーンコントロールで、
0.5dBステップで増減できる。

Date: 10月 3rd, 2019
Cate: audio wednesday

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その1)

昨晩のaudio wednesdayは、「メリディアン 218を再度聴く」がテーマだった。
正確に、喫茶茶会記で218を再度鳴らす、であって、
私自身は、218を聴くのは二度目ではなく、何度か聴いている。

今回はCDプレーヤーとの接続だけでなく、
ノート型パソコン(MacBook Air)との接続も行った。

iPhoneにMeridian IP Controlをインストールして、操作していた。
roonも途中でインストールして、あれこれ楽しんだ。

私にとって、楽しい時間だった。
喫茶茶会記にも218が導入されればいいのに……、
そんなことも思っていたら、店主の福地さんが決心した。

おそらく年内には218が、喫茶茶会記のシステムに加わることだろう。

Date: 10月 3rd, 2019
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その7)

昨晩はaudio wednesdayだった。
メリディアンの218をテーマにした音出しだった。

喫茶茶会記のCDプレーヤー、マッキントッシュのMCD350と218を接続する。
なのにロックしない。
ケーブルを替えてみてもダメ。

MCD350のデジタル出力がOFFになっているような感じだった。
MCD350のフロントパネル、リモコンを見ても、
デジタル出力をON/OFFできるボタンは見当たらない。

英文のマニュアルを取り出してもらう。
それらしい記述はどこにもない。

私はセッティングをやらなければならなかったから、
常連のHさんにマニュアルに目を通してもらった。

するとリセットの仕方が書いてある、とのこと。
特定のボタンを二つ同時に長押しすることでリセットできる、らしい。

とにかくリセットしてもらう。
今度はロックできた。

やはりリセットする前のMCD350のデジタル出力は、
なぜだかOFFになっていたようだ。

ソフトウェア的に機能を制御しようとした結果が、これだ、と思う。
プリメインアンプのMA7900でも、同じように感じた。

これが、どこか新しいメーカーの製品のことであれば、
そんなものだよなぁ、と終る。

けれど、目の前にあるのはマッキントッシュの製品である。
信頼性は高かったはずのマッキントッシュである。

しかも以前のマッキントッシュの製品ならば、
こんなトラブルは発生しなかっただろうし、
発生したとしても、マニュアルを取り出してくる必要は、ほぼなかったはずだ。

Date: 10月 3rd, 2019
Cate: audio wednesday

第106回audio wednesdayのお知らせ

11月のaudio wednesdayは、6日。
テーマはなんとなく考えているものの、いまのところ未定。
音出しです。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 2nd, 2019
Cate: イコライザー

トーンコントロール(その9)

トーンコントロールは、以前は多くの人が使っていた、と思う。
トーンコントロールがジャマモノ扱いされるようになったのは、
マークレビンソンのJC2の登場の影響は無視できないだろう。

薄型アンプの流行をつくったともいえるJC2だが、
それ以上にトーンコントロールの省略の兆しをつくったアンプでもある。

国産のアンプでもトーンコントロールを省いた製品が登場しはじめたし、
トーンコントロールはついていても、
トーンディフィート(バイパス)スイッチがついていて、
トーンコントロールの回路自体を信号が経由しないようにする機能がつくようにもなった。

プリメインアンプも同じだった。
トーンディフィートスイッチが当り前になってきたし、
トーンディフィートをONにすれば、
回路を一つ経由しないわけだから、いわゆる音の鮮度は向上する。

トーンディフィートスイッチをON/OFFしても、
音の違いが少ないアンプがいいアンプでもある──、
そういうこともいわれたが、トーンコントロールはジャマモノ扱いされていった。

トーンコントロール回路を最初から省いてしまえば、
その分コストが浮くし、
浮いたコストの分だけ価格を安くもできるし、
浮いたコストを、他のところにかければ、性能向上もはかれる。

ある世代から下は、CDが当り前のメディアであって、
LP(アナログディスク)を見たことも聴いたこともないのが普通になった。

いまアナログディスクブームだから、そうでもないだろうが、
とにかく、トーンコントロールがジャマモノ扱いされることで、
トーンコントロールなんて、一度も使ったことがない──、
というオーディオマニアがいても不思議ではないのかもしれないし、
いまはそういう時代なのだろうか。

そこに、DSPを使ったメリディアンのトーンコントロール機能が、
ひっそりと登場した(あえて、ひっそりをつけ加えた)。

Date: 10月 1st, 2019
Cate: audio wednesday

第105回audio wednesdayのお知らせ(メリディアン 218を再度聴く)

audio wednesdayでは、一枚のディスクを何度もかけることが度々ある。
9月もそうだった。

ちょっとした実験をした。
その音の変化をきちんと聴いてもらうために、
他の箇所は変更したくないから、一枚のディスクを、
トラックをいくつか使ったものの、くり返し鳴らした(聴いてもらった)。

以前も書いているが、
とあるオーディオ店で、何かを変える度にかけるディスクを変えていた。
同じディスクでなければ、変えたことによる音の変化を聴き取ることは無理といえるのに、
なぜ? と思っていたら、
同じディスクを何度もかけると帰ってしまう人が多いからだそうだ。

世の中、変ったなぁ……、と思った。

2日のaudio wednesdayでは、ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーのチェロ協奏曲を鳴らす。
このディスクは、一度きりである。

会の終りにかける。
なので22時45分くらいから、になる。

ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーのチェロ協奏曲で、
10月2日のaudio wednesdayはしめたい。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 9月 29th, 2019
Cate: オーディオ入門

オーディオ入門・考(ブームなのだろうか・その3)

「オーディオって、結局、部屋でしょ」
「オーディオは、いい部屋がなきゃダメなんでしょ」
「オーディオって、部屋込みの趣味でしょ」

言い方は他にもいくつかあるけれど、こういうことをいわれる(訊かれる)ことがある。

こちらがオーディオマニアだとわかると、
音楽は好きだけれども、オーディオには特に関心がないという人から、そういわれる。
今年も、数人の方から、そういわれた。

部屋の重要性は、確かに大きい。
けれど部屋がすべてではない。

私に、そう訊いてきた人たちは、
いい部屋がなければ、いいオーディオ(高価なオーディオ)を揃えても意味がない──、
そんなふうに捉えているようだ。

そういうふうに思い込ませたのは、誰なのか、
と、いつも思う。

一部のオーディオマニアなんだ、と、これまたいつも思うことだ。

音楽好きな人は多い。
できれば、いい音で聴きたい、と思っている人もけっこう多いように感じている。

いい音で聴きたい(聴いてみたい)と少しでも思っている人たちを、
オーディオの世界に引き込むにはどうすればいいかについて、
SNSやブログで書いている人たちがいる。

そういう人のなかには、現在考えられる最高のオーディオ機器を揃えて、
価格は無視しての意味も含まれているわけだが、
とにかく最高の音で、好きな音楽を聴いてもらえば、
何割かの人たちは、オーディオに関心を持つようになるのでは──、
そんなことを見かけたこともある。

私は、これには懐疑的である。

Date: 9月 28th, 2019
Cate: audio wednesday

第105回audio wednesdayのお知らせ(メリディアン 218を再度聴く)

10月2日のaudio wednesdayは、
「40年前のシステムの鳴らす音」を聴く予定だった。

けれどアナログプレーヤーのテクニクスSL01の回転が、安定としているとはいえない。
45回転は問題ないが、33 1/3回転だと、不安定になることがある。

鳴らせないことはない、とは思うが、微妙だなぁ……、と思っている。
ほかのテーマも考え準備する時間もないから、そのままやろうかな、とも思ったが、
幸なことにメリディアンの218を、再度鳴らすことができるようになった。

別項「トーンコントロール」の(その7)と(その8)で書いているように、
メリディアンの218のトーンコントロール機能に、いま昂奮している。

この昂奮を誰かに伝えたい。
なので、今回は直前になってテーマを変更する。

“Zone controller – Digital Pre Amplifier”としての218の音を聴く。
具体的には喫茶茶会記のアンプ、マッキントッシュのMA7900を、
プリメインアンプとしてではなく、
パワーアンプ入力端子を使ってパワーアンプとして使う。

コントロールアンプとして218を使う。
8月にはワーナーミュージックからもMQA-CDが発売になった。
ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーのチェロ協奏曲も鳴らしてみたい。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。