オーディオマニアと取り扱い説明書(その8)
この項を書くきっかけとなったのも、マッキントッシュのMA7900に関することだった。
MA7900は、その後も、一度ディスプレイに、Firmware updateと表示が出たこともある。
MA7900はスピーカーとCDプレーヤーには接続しているが、
インターネットには接続していないし、そういう端子もない。
にもかかわらず、こんな表示が出る。
どこかが明らかに故障するとか、音がおかしくなっているわけではない。
Firmware updateの表示が出ても、電源を一旦落せば消えてしまう。
とはいえ精神衛生上よくない。
今回のMCD350のデジタル出力のトラブルに関しても同じだ。
リセットすることで、いつもの音になっている。
デジタル出力も使えるようになっている。
けれど、本当にこれでいいのか、と私は思う。
出来の悪いOSで動いているパソコンではないのだから、
不具合が生じたら、一度電源を落せばいい──、
というのは、オーディオ機器の感覚からは離れている。
前回も書いたが、これが登場したばかりのメーカーの製品ならば、
そんなものだろう、とこちらも思うわけだが、
マッキントッシュの製品である。
以前のマッキントッシュならば、
一つのツマミにいくつかの機能を受け持たせるようなことを行っても、
安定していたであろうし、リセットが前提ということはなかったはずだ。
マッキントッシュは堕落し始めている──、
こんなこと思いたくなかったが、
喫茶茶会記にあるMA7900とMCD350を使っていると、否定は出来ない。
そして取り扱い説明書が、また不親切なのだ。