MQAで聴けるエリザベート・シュヴァルツコップ(その1)
エリザベート・シュヴァルツコップのMQAでの配信が、
e-onkyo musicで始まっているのは知っていた。
それでも、私がいちばん聴きたい曲は、まだそこにはなかった。
出ないのか、しばらくしたら出るのか。
一年後でも二年後でもいいから、出してほしい、
とにかくMQAで聴きたい──、
ULTRA DACでMQA-CDの音を聴いた日から、そう思っていた曲が、
今日から配信されるようになった。
“Strauss: Seven Songs – Mozart: Concert Arias”の一曲目、
モーツァルトの“Ch’io mi scordi di te?… Non temer, amato bene, K. 505”である。
シュヴァルツコップの歌唱は、どうも苦手だった。
のめり込めないような何かを、聴く度に感じていた。
そんなときにふと手にしたのが、CD化されたばかりのモーツァルトのアリア集だった。
今回配信された“Strauss: Seven Songs – Mozart: Concert Arias”とは、
だから収録曲に違いがある。
そんなことはどうでもいい。
私がとにかく聴きたかった一曲が入っているのだから。
“Ch’io mi scordi di te?… Non temer, amato bene, K. 505”は、
私にとってシュヴァルツコップへの認識をがらりと変えてくれた。
シュヴァルツコップには、もっと素晴らしい歌唱がたくさんある──、
そうなのかもしれない。
私はシュヴァルツコップの歌唱をすべて聴いているわけではない。
でもそんなことはどうでもいい、と思っている。
美しい音楽が聴ける。
それで充分である──、
そう思いながらも、さらに美しい音で聴きたい、という欲がある。