トーンコントロール(その7)
メリディアンの218はDSPを搭載している。
このDSP内で信号処理をすることで、
218のアナログ出力を固定か可変かを選択できる。
つまりデジタルボリュウムの機能をもつ。
さらに2バンド(低音と高音)のトーンコントロール機能ももっている。
これまでにもデジタル信号領域でレベルコントロールを行なうモデルは、いくつもあった。
それらのほとんどの機種が、劣化は生じない、と謳っていた。
素直に信じたい気持はあるし、
ほんとうにそうなってくれれば素晴らしいことではある。
けれど実際には、それほど悪くはない、という機種もあれば、
あまり使いたくない、というレベルの機種もあった。
まだまだ発展途上という感じであったのが、いまから十年以上前のことだ。
十年以上が経った。
メリディアンの218の同じ機能をすぐには試そうとは思わなかった。
これといった理由はないが、やはり以前の印象が残っていたことも関係していよう。
それでも十年以上が経っているわけだ。
ずいぶん進歩しているはずである。
それでも半信半疑だったことは認める。
コントロールアンプをパスして、パワーアンプと218を接続する。
この程度の音が鳴ってくるのか、どきどきした。
いい感じだ。
十年以上が経っていることを実感できた、とでもいおうか。
そうなると218のトーンコントロール機能も試してみたくなる。
iPhoneに、Meridian IP Controlをインストールしていれば、簡単に操作できる。
ここでのトーンコントロールの効き方に、驚いた。
このくらいかな、と適当に目安をつけて低音をブーストした。
これまでのアナログ式のトーンコントロールでは、100%狙い通りには、まずならない。
なのに218のトーンコントロールは、すんなり狙い通りといおうか、
それ以上のようにも思えた。
こんなふうに低音がブーストされるのか。
聴いていて心地よい。