トーンコントロール(その6)
最初に使ったトーンコントロールは、ラジオについていたものだった。
ツマミは一つだけ。
時計回りで高音が、反時計回りで低音がブーストされる、という簡易的なものだ。
その次はラジカセのトーンコントロールだった。
こちらはツマミは二つあった。
つまり、一般的な低音・高音をそれぞれ調整できるタイプだ。
最初に使ったプリメインアンプのトーンコントロールも、
ラジカセのトーンコントロールと基本は同じだった。
二台目のプリメインアンプ(AU-D907 Limited)のトーンコントロールは、
ターンオーバー周波数の切替えが可能だった。
ステレオサウンドで働くようになって、
マークレビンソンのLNP2のトーンコントロールも触ってきたし、
CelloのAudio Paletteの6バンドのイコライザーも触っている。
他にもいくつかのイコライザーに触れてきた。
いまは、喫茶茶会記にあるマッキントッシュのMA7900のトーンコントロールも、
使うことがある。
これまでに使ってきたトーンコントロール(イコライザー)にも優劣はあるが、
それでも、触る前にある、
ここをこうしたい、というこちらの要求にぴったりと応えてくれるトーンコントロールはなかった。
このツマミをいじれば、こんなふうに変るだろう(というか、変ってほしい)という想像と、
実際に鳴ってくる音とは、どんな場合であっても少なからずズレがある。
そのズレを少しでも修正するために、しつこく使ってみるしかないわけだし、
そういうものであるという認識でもある。
ところが二日前の月曜日、必ずしもそうでないことを、初めて体験した。
メリディアンの218を使ってのトーンコントロールにおいて、である。