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Date: 1月 5th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その9)

4350と4355の違いは、ネットワークの回路図を見なくても外観からでもわかることだが、
改めて回路図を比較していて、決定的な違いを思い出した。

4350は、ウーファーが2230(4350Aは2231A)、ミッドバスは2202A、
ミッドハイが2440とホーン2311と音響レンズ2308の組合せ、トゥイーターが2405。バスレフポートは6つ。

4355は、ウーファーが2235H、ミッドバスが2202H、ミッドハイは2241と2311+2308の組合せ、
トゥイーターは2405で、バスレフポートは2つ。

ユニットそのものに大きな変更はない。
外観上の変更で目につくのはバスレフポートの数の違いだが、
それにひっそりと隠れているのが、レベルコントロールの数の違いである。
4350は1つ、4355は2つ。
数の違いとしては「1」だから、それほど大きな違いとは受けとれないかもしれないが、
4350、4355ともにバイアンプ駆動であるから、大きな違いである。

Date: 1月 4th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その8)

以前書いているが、4343を設計したのは、パット・エヴァリッジ。
彼は、4350、4341(4340)も手がけていることは判っているが、4343以降はJBLを離れてしまったようだ。

4343のネットワーク3143、4350用の3107、4341用の3141
4341のバイアンプ駆動モデル4340用の3140を比較してもらいたい。

まず気がつくのは、3143と3141は、ほとんど同じものだということである。
違いは、4343は切替スイッチにより、ネットワーク駆動とバイアンプ駆動が可能になっている。
そのためのスイッチが加えられたのが4343用の3143で、回路構成、部品の定数は、3143と3141は同一である。
もっとも4341と4343は使用ユニットも共通しているため、ネットワークが同じでも不思議はない。

バイアンプ駆動が前提の4350と4340のネットワークを比較すると、あることに気がつく。
そのことは、4350と4355との、あまり話題になることはないのが不思議だが、
決定的な違いともいえることがらだ。

Date: 1月 4th, 2010
Cate: 書く

続・毎日書くということ

毎日書くということと、毎日ブログを公開していくということは、同じことではない。

あるテーマについて書くとき、毎日少しずつ書いては公開していくやり方より、
一度に集中して、まとまった量を書きあげて、それを分割して日々公開していく方が、ずっと楽である。
書き溜めておけるし、毎日書かずにすむ。

いまのやり方をしていると、ときどき、「思わず」書いてしまうことがある。
それをそのまま公開して、話がどんどん逸れてしまい、本来のテーマに戻れるのか、と、
自分でも心配になることがある。

「思わず」書いてしまったことは、直後にはたいてい、書かなければよかったかも……、と思うこともある。
それでも、書き進めていくうちに、自分で書いておきながら思わぬ展開になり、
「思わず」書いたことが結果的にはよかったとも思うことがあるため、いまのやり方を続けている。

「思いつき」や「思いこみ」で書くことは、さけるべきである。
けれど、「思わず」という感覚は、意外に大切なものなのかもしれない。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その7)

部屋の広さ、最大音圧レベルが特定される条件では、ホーン型でも6dB/oct.での使用は、
十分ありだと、個人的に考えているが、
使用条件が千差万別で、どういう使われ方をされるのかわからない、市販品をつくる側にたてば、
やはりホーン型スピーカーには、6dB/oct.のネットワークは採用しない。

エド・メイが4320のネットワーク3110において、やっていることは至極当然のこと。
彼の凄さは、同時期の4310において、まったく正反対ともいえる、
これ以上部品点数を削ることのできないネットワークを設計し、
4320も4310も、要求通りのものをつくりあげていることである。
この発想の柔軟さは、見事である。

さらに4310のネットワークをつくることもできれば、
マランツに移ってからは、ネットワークによる位相補正まで行なっている。

ひとつの手法に固執することなく、目的・要求に応じて、最適と判断される手法を使い分けてこそ、
オーディオエンジニアリングのあるべき姿といえよう。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その6)

4333を、4310(4311)のようなコンデンサーだけによるローカットフィルターによるネットワークで鳴らす場合、
もしくはコイルを使ったハイカットフィルターも使い、いわゆる通常の6dB/oct.のネットワークにしたとする。

ゆるやか減衰特性で、クロスオーバー周波数が同じあれば、トゥイーター(ドライバー)には、
かなり下の帯域まで、そこそこなレベルで入力されることになる。
こう書いていくと、すぐにでも破損しそうで、音量もかなり小さめになると想像されるだろう。

JBLのホーン型ユニットを使ったスタジオモニターを6dB/oct.のネットワークなり、
チャンネルデバイダーを用いて鳴らしたとして、どこまでの音量までいえるのか。

もう20年近く前の話になるが、早瀬さんは、4355を鳴らされていた時に、
パッシヴのチャンネルデバイダー(もちろん6dB/oct.)で、4ウェイのマルチアンプドライブを試みられている。

かなり広いリスニングルームにおいて、4355は不足ない音量まで再生できていたようだ
爆音というレベルでの再生はおそらく無理だったろうが、その感触からすると、
10畳程度の広さの空間ならば、4ウェイでなくとも、4333でも、意外と6dB/oct.でいけるのかもしれない。

6dB/oct.のネットワークとは直接関係のない話だが、ウェストレイクのスピーカーシステムで、
JBLの2420をホーンなしで、トゥイーターとして使われていた例もある。
意外と丈夫なのかもしれないが、それでも4333や4343で6dB/oct.で鳴らされるのあれば、
注意は、12dBや18dBのネットワークとは違い、それなりに必要になってくる。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その5)

同じ時期に、同じ人間が設計したふたつのネットワーク(4310用と4320用の3110)の違いは、
そのまま4311と4320の使用目的の違いでもある。

4310は、アルテック604の音のキャラクターを模倣しようとしたものに対し、
4320は、604ユニットを搭載した612システムにとってかわろう、
とJBLが開発した本格的なモニタースピーカーである。
当然中高域にはホーン型を採用している。
すべてコーン型の4310とはユニットの規模が、ウーファーのサイズをはじめ、投入されている物量が大きく異る。
システムとしての規模も、そうだ。

そして想定されるモニタリング時の音量も違いもある。

4320、受け継いだ4331、その3ウェイ仕様の4333のネットワークが、もし6dB/oct.仕様であったとすれば、
ドライバーユニットの破損が、録音スタジオの現場では相次ぐことは容易に想像できる。

いうまでもないことだが、コンプレッションドライバー型ではホーンロードがかからなくなった帯域では、
わずかの過大入力でもダイアフラム破損につながる。
コーン型ユニットのように受持ち帯域もさほど広くはない。

しかも4300シリーズでつかわれているホーンは、それほど大型のものではない。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その4)

3110は、ウーファー、トゥイーターともにスロープ特性は12dB/oct.である。
ウーファー側の信号系路には、コイルとコンデンサーが、それぞれ直列と並列にはいり、
そのあとに、10Ωの抵抗と13.5μFのコンデンサーを直列接続したものを、ウーファーに対して並列にいれている。

ホーン側の信号系路には、タップ付きのインダクター(コイル)が使われている。
BBCモニター系のネットワークにもよく使われる手法である。

高域側にホーン型を採用した場合、一般的にウーファーよりも能率が高く、
固定抵抗および連続可変抵抗を入れて、能率の合わせるわけだが、これでは損失が出て、
抵抗器からの発熱もある。

コイルの途中からいくつかのタップをもうける、この手法は、
マッキントッシュのトランジスターパワーアンプの出力に設けられているオートフォーマーと同じで、
電圧の低下だけを行ない、電流の損失はほとんどない、といわれているものだ。

各ユニットの能率合わせには好適な手法であるのだが、ひとつのタップならまだしも、
複数のタップとなると製造過程が大変となるため、
JBLのスタジオモニターでも、必ずしも採用されているわけではない。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その3)

意外とうまく鳴ってくれるかもしれない。ただし音量の制約がつく。
4311は、ウーファー、スコーカー、トゥイーターすべてコーン型ユニットを採用している。
4311の前身4310は、1971年に登場している。
正確に、1968年には登場しており、4310の型番を与えられたのが、3年後である。
開発エンジニアは、のちにマランツに移り、900シリーズのスピーカー設計を主導したエド・メイである。

ステレオサウンド刊行の「JBL 60th Anniversary」によると、
4310は、当時スタジオモニターとして最も多く使われていた
「アルテックの604の音のキャラクターを、小さなサイズで模倣しよう」というものであったらしい。

同時期、エド・メイは4320のネットワークも手がけている。
4320に搭載されたネットワークの型番は3110。回路図はJBLのサイトから入手できる。
4310のネットワークの回路図は不明だが、4311、その後継機の4312の回路図から推測するに、
コンデンサーによるローカットのみ、であろう。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その2)

4311のネットワーク3111の回路図には、コイルの存在がない。
ウーファーへの配線には、ネットワーク構成部品はなにもない。アンプからの信号はそのまま送り込まれる。
スコーカーとトゥイーターに、ローカット用のコンデンサーがそれぞれにひとつずつはいっているだけで、
あとはレベルコントロールが、やはりそれぞれにひとつずつ記載されているだけ。

部品点数は4つである。
同じJBLの3ウェイでも、4333となると、構成部品は多くなり、スロープ特性も違う。

4311はハイカットはユニットの特性をコントロールすることで行ない、
ローカットのみコンデンサーによる6dB/octのカットとなっている。
3ウェイである以上、4311よりも部品点数を減らすことは、スコーカーとトゥイーターの能率を、
ウーファーはまったく同じに設計すれば、レベルコントロールが省けるぐらいで、無理である。

では4333を4311のようなネットワークで鳴らすことはできないのか。

Date: 1月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL
4 msgs

4343における52μFの存在(その1)

JBLの古い製品の技術的資料は、JBLのサイトから入手できる。
すべてではないが、知りたいものの多くは公開されているし、JBLが買収したUREIの資料も、ここにある。

4300シリーズのネットワークの回路図も、上記サイトにある。
4343、4333、4341、4355、4345などの他にも、オリンパスのネットワークの回路図も、
SG520、SE400S、SE408S、SA600、SA660のマニュアルもある。

JBLプロフェッショナル・シリーズのネットワーク、3100シリーズは、下2桁の型番によって、
どのスピーカーシステムに採用されたものかが区別される。
4343用は3143、4355用は3150、4345用は3145というふうに、である。
ただしすべてのネットワークの型番が、システムの下2桁と一致しているわけではない。
4350用は3107で、4301用は3103で、それ以外のネットワークについて簡単に説明すると、
3106はクロスオーバー周波数、 8kHzで、16Ω仕様、
3110Aは、 800Hzのクロスオーバー周波数で、ウーファーは8Ω、トゥイーターは16Ω仕様、
3115Aは、500Hzで、ウーファー・8Ω、トゥイーター・16Ω仕様、
3120Aは、 1250Hzで、ウーファー・8Ω、トゥイーター・16Ω仕様、などである。
3135は、バイラジアルホーンを搭載した4435用だ。
シングルウーファーの4430用も初期のモデルは3135で、のちに61449Pに変更されている。

リストには、3111がある。
型番からわかるように、3ウェイのブックシェルフ型スタジオモニター4311用のネットワークだが、
クリックすると、3110の回路図が表示される。
3110のところをクリックすると、3110が表示されるから、リンクミスだが、
3111はブラウザーに表示されるURLの「3110」を「3111」に変えればダウンロードできる。

Date: 1月 2nd, 2010
Cate: 音楽性

「音楽性」とは(その7)

少なからぬ人が、「欠陥」スピーカーに惹かれるのは、エキゾティシズムへの憧れがあるようにも思う。

1970年代、スピーカーは、国による違い、風土による違いによって、はっきりとした特色があった。
アメリカでも、西海岸と東海岸のスピーカーは、はっきりと違う。
音だけでなく、技術志向においてもあきらかな違いがある。

アメリカとヨーロッパのスピーカーの音も違う。
ヨーロッパのなかでも、イギリス、フランス、ドイツでは、それぞれ異る音色をもっていた。

技術の進歩とともに、それに製造工場の集中化によっても、それは残り香となりつつあるようにも思う。

つまり異国のスピーカーのもつエキゾティシズムが希薄になっている時代だからこそ、
ひとは、違うエキゾティシズムを、無意識に求めてるようになっているのではないか。

たとえば時代の違いによるエキゾティシズム。

Date: 1月 1st, 2010
Cate: ジャーナリズム, 瀬川冬樹

オーディオにおけるジャーナリズム(特別編・その7)

試聴リファレンス

Speaker  ○4343──────(メイン)
○BC-II/KEF 104AB(イギリスの新しいモニター系のSP)
○ARDEN、ALTEC 19、(やや旧タイプのフロアー型)

Amp ○LNP-2L/SAE 2500(or 510M)
Cartridge ○MC-20/JC-1AC、VMS-20E、SPU-GT/E、455E、4000D/III、4500Q、V15/III、EPC-100C

Date: 1月 1st, 2010
Cate: ジャーナリズム, 瀬川冬樹

オーディオにおけるジャーナリズム(特別編・その6)

没個性な量産品に対するユーザーの反動、に対して
A.キットをふくめて自作、改造の記事をどう扱うか。
B.使いこなしで、いかに自分を表現するか!
 a.リスニングルーム探訪のような形で、個性的なユーザーを探す。
 b.使いこなしのちょっとしたヒントを常設記事にする。
 c.改造や自作というほど大げさでなく、既製品にほんの少し何かを加えて個性化するヒント等……。
読みもの をどう扱うか
A.随筆風の……(わりあいまじめな)
B. 具体的な製品や具体的な風潮などを例示しての論壇風の……
C.リラックスした……(やや冗談ふう、やぶにらみ風、etc.)
D.読者との意見交換、発表。(新人を発掘する場にできれば)
E.オーディオ関係者(メーカー、販売店 等)の意見……
入門記事、解説記事
◎オーディオが一般化するにつれて、ほんとうのちょっとした基礎のところのわからない人が大半を占めるようになっている。
◎見開き完結の読切連載のような形にするか……
◎常設とせず、随時、ページ数もその時に応じて、にするか……
◎オーディオをハード的に扱わず、音楽愛好家の側から、メカや電気に全く弱い人にでも理解できるような解説が必要。
製品以外の話題、ニュース、情報
催し(メーカーのショールーム)、ディスカウントセール、録音会等……
地方での催しでも、中央のメーカーの後援又は主催であれば紹介できる(講師、内容、日時、問合せ先)

Date: 1月 1st, 2010
Cate: ジャーナリズム, 瀬川冬樹

オーディオにおけるジャーナリズム(特別編・その5)

新製品紹介を2本立てで考える。
その1は、本誌選定の形で十分にスペースをとり、解説/分析/使用感の3部からなる詳細なレポートとする。一製品あたり6〜10ページ又はそれ以上、毎月2ないし3点を扱う。(既刊のあらゆる専門誌が、スペースをせまく考えすぎる。充分な時間をかけた分析、試聴と、その結果の中味の凄い紹介、読み終って嘆能するような)
その2は、記事のニュース的な扱いで、その月の製品(アクセサリーまで含めて)すべてを網羅する。

上の2つのいずれも、その製品の位置づけを明確にするために、ライバル製品との対比(グラフ、一覧表などで整理する)、及びそのメーカーの系列の中での地位、その他の事から、十分にその意味あいを明らかにする。

選定 新製品紹介の方法
①解説、紹介/メーカーの開発意図も(受け売りでなく、スタッフが十分に消化した形で)紹介する。製品そのものを、それをみたことのない人にも十分に想像のつく程度に簡潔に具体的に解説すると共に、その製品の出現した必然性、選定した意味を明確にする。技術的な(例えば回路方式などの)解説は最小限を、細心の注意をもって扱い、電気や音響、物理、科学の基礎のない愛好家にも、よくわかるようにする。

発売時期(全国)を明記する。

②分析、測定/ありきたりの測定でなく、実用にもとづいたデーターをとる。メーカーの盲点をつく測定を常に考える。ただし、例えばアンプの出力等、量的に明確でしかも変?項目については、メーカーの発表値に偏りがないかどうかをえならずチェックする(グラフとして発表しない場合でも)。
測定データーは、その製品が製造中止になるまで保管し、ヒットした製品については、適当な時期に追跡測定をして、初期ロット品との比較を随時掲載する。
シャシー構造、エンクロージュア等、その構造、構成が性能に影響のある部分については十分に分析し、評価を加える。

③使ってみて(又は聴いてみて)/ヒアリングテスト、及びデザインや操作性、ことに実際のユーザーの部屋で、何らかの不つごうを生じないかどうか、をよく検討する。
ヒアリングテストには、組合せをいくつか変える。ライバル機(別項カコミで一覧表)との比較、位置づけ、CPを考慮した場合しない場合、等 多角的な検討を忘れぬこと。
●具体的な使いこなしについて十分にスペースをさく(ユーザー側から熱心な要望がある)
●組合せについてのヒントも加える(ユーザー側から熱心な要望がある)
●音を聴いたことのない人にも、音が聴こえるような表現に心がける

④以上の3点を、できるだけ簡潔に、しかし充分に分析の加えられた表現になるよう意を盡すこと。
○なお、冒頭に、メーカー紹介(簡潔に、メーカーの来歴と体質、オーディオ界での地位等)(カコミでも可)
○また、「(例えば)今月の用語」として、その製品で話題になった技術用語、専門用語を簡明に解説するカコミを設ける。
○文体は簡明、即物的、ベタベタした感情を入れず、客観的であるかのような印象を与えることを心がける。指摘すべき弱点を素直に指摘し、良い点は十分に(しかし表現を抑えて)ほめる。
○アサヒカメラ診断室のように、複数のテスターの意見を編集部がまとめる形(?)
   ↓
ただし、それよりも内容の豊かで簡明な
⑤上記②の測定について
○たとえばアンプの場合、いままで測定されなかったトーンコントロールの各ポジションでのf特を入れたい。
○TC、EQのf特について、その偏差やうねりを見せるだけでなく、添い身について(CP等考慮しながら)十分な解説を加える。

○③の試聴について
 ●リファレンスの製品との比較(価格を無視した評価尺度として)、国による音の傾向を掴む(例JBL、BC-II……)
 ●ライバル製品との比較(CP、その時点時点でのレヴェルを考えて)
 ●平均音量レヴェルを3〜4段階の等級に分けて試聴(パワー、耐入力等の性格を分析する手段)
 ●聴きどころの基準を最初は明確にしておき、必ず同じ基準での評価を書く。

新製品紹介 B欄
ニュース性/網羅すること/製品の性格・位置づけを重視した簡明な解説/情報の早さ、正確さ(A欄からの性格上、製品が市販された後でとりあげることが往々にしてありうるのに対して、B欄はとにかく情報を早く流すことを生命とする)

Date: 1月 1st, 2010
Cate: ジャーナリズム, 瀬川冬樹

オーディオにおけるジャーナリズム(特別編・その4)

内容とはべつに
A.目次を見やすく。(表紙2の次に必ず置く)

B.広告に対する考えを新たにして、広告も情報記事のひとつと考え、インフォメーション欄として、一括し(記事中に分散させず)目次中に作品をとりこむ等。できれば本誌向きの広告のパターン,スタイルをスポンサー側に一考してもらう。あくまでも、広告をまま子扱いするのではなく、逆に、積極的にユーザーの目にふれやすい情報欄として扱うのが本意(たとえばこの欄に独立のトビラをつける等)であると共に、本文記事のレイアウトも含めて簡明な印象を与えるような配慮。(スポンサーの大半がこの点を誤解しているが、多くの読者の意見を聞いてみれば、むしろ広告欄を一括して集めてある方が、積極的に歓迎される)

C.上のことも含め、月刊誌であっても、SS本誌同様、いつまでも保存しておきたくなるような、上品で美しい本にしなくてはならない。

D.音楽、レコード欄をどう扱うか
オーディオ誌であることに徹するなら、レコードは新譜一覧表の形だけ扱う(但し表の作り方に工夫を加え、もっと見やすいものにする。現在各誌の表組みはひどく見にくく、実用的でない)
但し例えば「朝日新聞」の試聴室や「暮しの手帖」のレコード欄のように、毎月のテーマをきめて、新譜であると否とにこだわらず、評論家の選んだレコードを楽しく紹介する欄は欲しい(例「今月はモーツァルトの室内楽を聴いてみよう」、「今月はジャズ・バラードの素敵なムードを味ってみよう」……式に)

E.オーディオ記事の扱い方全般に、かつての熱っぽい雰囲気の凍えらせて、冷たくつき放したような印象が支配していることを、多くの読者が強い不満をもって指摘している。この点はライター、エディターともに猛反省をしなくてはならない最重要点。
活き活きとした澄んだやさしい目で、しかも熱烈に愛情をこめてオーディオに対するという姿勢を、永続させること。少なくとも、そういう感じが、毎号の誌面にヴァイタリティを持って表現されること。その姿勢をバックボーンにしたときに(結果的に、例えば)新製品A欄での、おさえた表現が輝くような。