4343における52μFの存在(その7)
部屋の広さ、最大音圧レベルが特定される条件では、ホーン型でも6dB/oct.での使用は、
十分ありだと、個人的に考えているが、
使用条件が千差万別で、どういう使われ方をされるのかわからない、市販品をつくる側にたてば、
やはりホーン型スピーカーには、6dB/oct.のネットワークは採用しない。
エド・メイが4320のネットワーク3110において、やっていることは至極当然のこと。
彼の凄さは、同時期の4310において、まったく正反対ともいえる、
これ以上部品点数を削ることのできないネットワークを設計し、
4320も4310も、要求通りのものをつくりあげていることである。
この発想の柔軟さは、見事である。
さらに4310のネットワークをつくることもできれば、
マランツに移ってからは、ネットワークによる位相補正まで行なっている。
ひとつの手法に固執することなく、目的・要求に応じて、最適と判断される手法を使い分けてこそ、
オーディオエンジニアリングのあるべき姿といえよう。