4343における52μFの存在(その4)
3110は、ウーファー、トゥイーターともにスロープ特性は12dB/oct.である。
ウーファー側の信号系路には、コイルとコンデンサーが、それぞれ直列と並列にはいり、
そのあとに、10Ωの抵抗と13.5μFのコンデンサーを直列接続したものを、ウーファーに対して並列にいれている。
ホーン側の信号系路には、タップ付きのインダクター(コイル)が使われている。
BBCモニター系のネットワークにもよく使われる手法である。
高域側にホーン型を採用した場合、一般的にウーファーよりも能率が高く、
固定抵抗および連続可変抵抗を入れて、能率の合わせるわけだが、これでは損失が出て、
抵抗器からの発熱もある。
コイルの途中からいくつかのタップをもうける、この手法は、
マッキントッシュのトランジスターパワーアンプの出力に設けられているオートフォーマーと同じで、
電圧の低下だけを行ない、電流の損失はほとんどない、といわれているものだ。
各ユニットの能率合わせには好適な手法であるのだが、ひとつのタップならまだしも、
複数のタップとなると製造過程が大変となるため、
JBLのスタジオモニターでも、必ずしも採用されているわけではない。