「音楽性」とは(その7)
少なからぬ人が、「欠陥」スピーカーに惹かれるのは、エキゾティシズムへの憧れがあるようにも思う。
1970年代、スピーカーは、国による違い、風土による違いによって、はっきりとした特色があった。
アメリカでも、西海岸と東海岸のスピーカーは、はっきりと違う。
音だけでなく、技術志向においてもあきらかな違いがある。
アメリカとヨーロッパのスピーカーの音も違う。
ヨーロッパのなかでも、イギリス、フランス、ドイツでは、それぞれ異る音色をもっていた。
技術の進歩とともに、それに製造工場の集中化によっても、それは残り香となりつつあるようにも思う。
つまり異国のスピーカーのもつエキゾティシズムが希薄になっている時代だからこそ、
ひとは、違うエキゾティシズムを、無意識に求めてるようになっているのではないか。
たとえば時代の違いによるエキゾティシズム。