リュージュのオルゴール
フランコ・セルブリンがオルゴールを手掛けたとしたら──。
今日、聴いたスイスのオルゴールメーカー、リュージュ(REUGE)。
父の一周忌で熊本について、市内をぶらぶら。鶴屋(デパート)に久しぶりに入ってみた。
エスカレーターで上の階に行く途中に、八階でオルゴール展をやっている、との告知。
リュージュというオルゴールメーカーは知らないけれど、なんだか良さそうな感じがしたので、ちょっと寄ってみる。
かなりの台数のオルゴールが展示されている。スタッフの方が声をかけてくれて、いくつかを聴くことができた。
一番高価なオルゴールは四百万円超。金属、木、カーボンという素材を組み合わせたそれは、いままでのオルゴールのイメージからは、遠く離れた姿をしている。
他にも、ぱっと見オルゴールとは思えないモデルもいくつかある。
もちろん箱型のオルゴールもある。
その中の一つ、スタッフの方が、これを聴いてほしい、というモデルがあった。
価格は百五十万円ほど。三百万円超、四百万円超がいくつかある中では、地味な存在に思えるのだが、
その音、というよりも響きは、圧倒的に素晴らしかった。
美しく朗々と響く。
聞くと、シリンダー型のムーヴメントはリュージュ製なのだが、箱(外装)は、日本の家具職人の手によるもの。
音に対して、とてもこだわりのある人とのことで、ムーヴメントの響きをうまく筐体全体に伝え、増幅している感を受ける。
ムーヴメントが同じでも、オルゴールとして、どう仕上げるか(まとめるか)によって、音(響き)は、ずいぶんと違ってくる。
同じスピーカーユニットを使っても、エンクロージュア、ネットワークなどが違えば、別物のように響いたり響かなかったりするのと同じことだ。
フランコ・セルブリンがオルゴールを手掛けていたら、今日、聴くことができた、まさしく一品もののオルゴールのようになるはず。
そう思える音を、今日、聴くことができた。