Archive for category ブランド/オーディオ機器

Date: 2月 19th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その19)

振動板の駆動源といえるマグネットが兼用されているため、
節倹の精神によってタンノイはつくられている、ともいえるし、
口の悪いひとならば、ケチくさいつくり、とか、しみったれたつくり、というかもしれない。

けれどオートグラフという、あれだけ意を尽くし贅を尽くしたスピーカーシステムをつくりあげたタンノイが、
その音源となるユニットに、節倹の精神だけで、ウーファーのコーン紙のカーブを、
トゥイーターのホーンの延長として利用したり、マグネットをひとつにしたとは、私は思っていない。

ボイスコイルがひとつだけの純粋のフルレンジユニットでは、ワイドレンジ再生は不可能。
かといって安易に2ウェイにしてしまうと、タンノイが追い求めていた、
家庭での音楽鑑賞にもっとも大切と思われるものが希薄になってしまう。
そのデメリットをおさえるために、できるかぎりの知恵を出し、
コーン型のウーファーとホーン型のトゥイーターを融合させてようとした結果が、
タンノイ独自のデュアルコンセントリックといっていいだろう。

これは、外観からも伺えないだろうか。
アルテックの604の外観が、同軸型2ウェイであることを顕示しているのに対し、
タンノイのデュアルコンセントリックは、何も知らずにみれば、大口径のフルレンジに見えないこともない。

Date: 2月 18th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343とB310(その3)

ボザークは、この項の(その1)にも書いているように、
スピーカーユニットのラインナップは、4種類だけである。

JBLは、1978年の時点(ステレオサウンド発行のHiFi Stereo Guideに掲載されている単売ユニット)で、
フルレンジユニットが17、トゥイーターが4、ドライバーが9、ウーファーが14種類ある。

スピーカーメーカーとして、JBLとボザークを対比させていくと、
西海岸と東海岸、バスレフ型やホーン型エンクロージュアが主流のJBLと密閉型のボザーク。

スピーカーユニットの数も大きく違うが、その振動板においても、
JBLは、コーン型ユニットだけに絞っても、形状、制振材の塗布の有無、紙の質などが、
それぞれの用途によって使い分けられている。
ボザークは、ウーファーはパルプコーン、それ以外はメタルコーンで、
どちらも不要な振動を抑える工夫がなされている。

JBLのラインナップの多彩さ、派手さのまえでは、ボザークは地味にうつる。

スピーカーユニットの使用法においても、JBLは4350のダブルウーファーを除くと、
基本的にはパラレル使用はほとんどない。
ボザークは、東海岸の他のメーカーと同じように、ダブルウーファーだけでなく、
スコーカーやトゥイーターも、多数使用している。

そして4343は瀬川先生が愛用されたもの、B310は井上先生が愛用されたもの。
このふたつのスピーカーシステムには、ひとつの共通点があり、
それは瀬川先生と井上先生のスピーカーに対する考え方の共通点ともいえるのではないだろうか。

Date: 2月 17th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その18)

アルテック、タンノイといった古典的な同軸型ユニットで、
ウーファー部の磁気回路とホーン型トゥイーター(もしくはスコーカー)の磁気回路が完全に独立しているのは、
長島先生が愛用されてきたジェンセンのG610シリーズがそうである。

完全独立、ときくと、マニアとしてはうれしいことではあるが、
ふたつ以上のマグネットが近距離にあれば干渉しあう。

干渉を防ぐには、距離を離すことが手っとり早い解決法だが、同軸型ユニットではそうもいかない。
ならばひとつのマグネットでウーファー用とトゥイーター用を兼ねよう、という発想が、
タンノイのデュアルコンセントリックの開発に当たっては、あったのかもしれない。

もっともマグネットは直流磁界で、ボイスコイルが発する交流磁界の変化によって、
磁束密度が影響を受ける、それに2次高調波歪がおこることは、
いくつかのスピーカーメーカーの解析によってはっきりとした事実であるから、
一つのマグネット(ひとつの直流磁界)に、二つの交流磁界が干渉するタンノイのデュアルコンセントリックでは、
音楽信号再生時に、どういう状態になっているのかは、専門家の話をうかがいたいと思っている。

Date: 2月 16th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その17)

Uni-Qをもってして、同軸型ユニットは完成した、とはいわないが、
Uni-Qからみると、ホーン型トゥイーターのアルテックやタンノイの同軸型は、あきらかに旧型といえるだろう。

ただ、オーディオマニア的、といおうか、モノマニア的には、
アルテックやタンノイのほうに、魅力を強く感じる面があることは否定できない。
Uni-Qの優秀性は素直に認めても、個人的に応援したくなるのは、アルテックだったり、タンノイだったりする。

空想してもしかたのないことではあるが、もしJBLがUni-Qを開発していたら、
モノとしての魅力は、マニア心をくすぐるモノとして仕上っていただろう。

Uni-Qは、あたりまえのことだけど、あくまでもイギリス的に仕上りすぎている。
もっといえば、いかにもKEFらしく仕上がっている。
そこが魅力でもあるのは重々承知した上で、やはりもの足りなさも感じる。

すこし話はそれるが、アルテックとタンノイの同軸型ユニットを比較するときに、磁気回路の話がある。
タンノイはウーファーとトゥイーターでひとつのマグネットを兼用している、
アルテックはそれぞれ独立している、と。

たしかに604や605などのアルテックの同軸型ユニットにおいて、
ウーファーとトゥイーターのマグネットは独立している。
が、磁気回路が完全に独立しているかという、そうではない。

604の構造図をみればすぐにわかることだが、ウーファー磁気回路のバックプレートと、
トゥイーターのバックプレートは兼用していることに気がつくはずだ。

Date: 2月 16th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その16)

ウーファーとトゥイーターの中心軸を揃えた同軸型ユニットは、
その構造ゆえの欠点も生じても、マルチウェイスピーカーの構成法としては、
ひとつの理想にちかいものを実現している。

同軸型ユニットは、単体のウーファーやトゥイーターなどにくらべ、
構造はどうしても複雑になるし、制約も生じてくる。
それでも、各スピーカーメーカーのいくつかが、いまも同軸型ユニットを、新たな技術で開発しているのをみても、
スピーカーの開発者にとって、魅力的な存在なのかもしれない。

KEFは1980年代の終りに、Uni-Qという同軸型ユニットを発表した。
それまで市場に現れた同軸型ユニットとあきらかに異り、優位と考えられる点は、
ウーファーとトゥイーターのボイスコイルの位置を揃えたことにある。

アルテックの604シリーズ、タンノイのデュアルコンセントリック・ユニットが、
トゥイーターにホーン型を採用したため、ウーファーとトゥイーターの音源の位置のズレは避けられない。

パイオニアのS-F1は、世界初の平面振動板の同軸型、しかも4ウェイと、規模も世界最大だったが、
記憶に間違いがなければ、ウーファー、ミッドバス、ミッドハイ、
トゥイーターのボイスコイルの位置は、同一線上にはなかったはずだ。

ユニットの構造として、Uni-Qは、他の同軸型ユニットを超えているし、
同軸型ユニットを、スピーカーユニットの理想の形として、さらに一歩進めたものともいえる。

Date: 2月 15th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343とB310(その2)

ボザークの音は、いちどしか聴いたことがない。
それも聴いたといっても、耳にしたことがある、といった程度で、決していい状態で鳴っていたとは思えなかったし、
正直、どんな音だったのかは、まったくといってよいほど記憶に残っていない。

しかも型番もなんだったのかはっきりしてない。
エンクロージュアもボザーク純正のシステムだったことは間違いないと記憶しているが……。

ボザークの輸入元は一時期トリオだったことがあり、価格を抑えるために、
エンクロージュアは日本で作っていて、ユニットを組み込んだモデルもある。

だから井上先生の言葉を参考にしたい。
     *
ボザークのサウンド傾向は、重厚で、密度の高い音で、穏やかな、いわば、大人の風格を感じさせる米国東海岸、それも、ニューイングランドと呼ばれるボストン産ならではの音が特徴であった。このサウンドは、同じアメリカでもかつて日本で「カリフォルニアの青い空」と形容された、JBLやアルテックなどの、明るく、小気味よく、シャープで反応の速い音のウェスタン・エレクトリック系の音とは対照的なものであった。
     *
ボザークのよさは、十代の若造がちょい聴きしたぐらいでわかるようなものでないことだけは、はっきりとしている。

Date: 2月 15th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その15)

ステレオサウンド 47号の測定結果で比較したいのは、
アルテック620AとUREI・813であることはいうまでもない。

813のネットワークの効果がはっきりと出ているのは、
インパルスレスポンス、群遅延特性、エネルギータイムレスポンスにおいてである。

620Aのエネルギータイムレスポンスは、まず-40dB程度のゆるやかな山があらわれたあとに、
高く鋭く、レベルの高い山が続く。
最初の山がウーファーからのエネルギーの到達を示し、それに続く山がトゥイーターからのものである。

813はどうかというと、ゆるやかなウーファーの山の中ほどに、トゥイーターからの鋭い山が入りこんでいる。
ふたつの山の中心が、ほぼ重なり合っている形になっている。

620Aでのウーファーの山のはじまりと、813でのはじまりを比較すると、
813のほうがあきらかに遅れて放射されていることがわかる。
インパルスレスポンスの波形をみても、このことは読み取れる。

620Aでは、やはりゆるやかな低い山がまずあらわれたあとに鋭い、レベルの高い山が続く。
813では、ゆるやかな山の始まりが遅れることで、鋭い山とほぼ重なり合う。

群遅延特性も、同じアルテックの604-8Gを使用しているのに、813はかなり優秀な特性となっている。

Date: 2月 4th, 2010
Cate: 4343, JBL, 使いこなし

4343における52μFの存在(その15・続々余談)

もう一度、コントロールアンプ、パワーアンプとも左チャンネルを使った音を聴く。
そしてスピーカーを、右チャンネルに接ぎかえる。
同じ音で鳴ることは、稀である。ここでも、聴こえ方は違ってくる。

ホワイトノイズを聴くのが嫌な人は、音楽を聴いて試してみてほしい。
マルゴリスがいうように、聴きなれたディスクをモノーラルにして聴くのがいいと思う。

コントロールアンプとパワーアンプのあいだに、
グラフィックイコライザーやパラメトリックイコライザーを挿入している場合には、
もちろんそれらの機器の左右チャンネルの音を個別に聴いておく。

そうやってさまざまな組合せの音を聴いて、左右の音の違いが最も少なくなる組合せを選択するだけで、
音場感の再現性に磨きがかかる。

ひとつひとつ接ぎかえて、その音をきちんとメモして、ということをくり返すのに、お金はいらない。
ただひとつ行動するだけである。

音は、確実に変る。これも「使いこなし」である。なにも特別なテクニックは必要としない。
丹念に音を聴いて判断していくだけ、である。

ただ、必ずしも音がよくなるわけではないことも最後につけ加えておく。
左右チャンネルを指定通りに接続している状態がいいということも、当然あるからだ。

Date: 2月 2nd, 2010
Cate: 4343, JBL, 使いこなし

4343における52μFの存在(その15・続余談)

このノイズの出方も、注意ぶかく聴くと、左右チャンネルで微妙に違うことがわかるはずだ。

フォノイコライザーがあればそれを接いでノイズを出せばいいが、
CDのみの場合であれば、チェック用CDにホワイトノイズがはいっているものがあるから、それを使えばいい。
ただし音量には気をつけること。

CDプレーヤーの左チャンネル(別に右チャンネルでもいい)から出力を取り出し、
コントロールアンプの左チャンネル、パワーアンプの左チャンネルにいれて、
スピーカーも左チャンネルのみを使い、ノイズの鳴り方を確かめる。

次にコントロールアンプまではそのままで、パワーアンプのみ右チャンネルに信号をいれ、
スピーカーはもちろん左チャンネルで、またノイズを聴く。

パワーアンプによっては、この差はわずかかもしれないし、かなり違った鳴り方をするものもある。
少なくとも、左チャンネルのときと、まったく同一であることは、まずない。

今度はパワーアンプは左チャンネルに戻し、コントロールアンプのみ右チャンネルを使用して、
また同じことをくり返す。やはりノイズの出方は違うはずだ。

さらにコントロールアンプ、パワーアンプとも右チャンネルにする。
これで、4つの組合せの、ノイズの出方をチェックしたことになるわけだ。

Date: 2月 2nd, 2010
Cate: 4343, JBL, 使いこなし

4343における52μFの存在(その15・余談)

モノーラルの状態で音を確認することは、昔ながらの方法なのだが、
いまではすっかり忘れさられているような気がする。

アンプには、入力端子、出力端子にL、Rの指定がある。
とはいえ、なにもこの通りに接続しなければならないわけでは、決してない。
左チャンネルの信号が、最終的に左チャンネルのスピーカーに届けばいいわけで、
そこまでの系路は、どこを通ってもいい。

最新のアンプは、フォノイコライザーを搭載していなかったり、測定上のSN比が向上しているため、
ボリュウムを目いっぱいあげても、スピーカーからノイズがはっきりと聴こえることはほとんどない。
けれど、アナログディスク全盛時代は、入力セレクターをPHONOにして、ボリュウムを最大にすると、
けっこうなノイズがスピーカーから聴こえてきた。

このノイズのおかげで、プログラムソースが何もなくても、それにアース電位を測るテスターがなくても、
AC極性をあわせることが可能だった。

ACの極性をかえると、このノイズの質、量の出方が変化するからで、
とうぜんノイズの質がザラつかず、レベルの低い方が、正しいAC極性というわけだ。

Date: 2月 1st, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その16)

低音を基準にしてレベルコントロールを行なうということは、はっきりと意識していなくても、
ほとんどのひとが、そうしていることであり、このことが、たとえばサブウーファーの導入にあたって、
反対に、難しさになっていく気もする。

サブウーファーを導入したものの、うまく調整できず、結局は元のシステムに戻してしまったという話を、
直接・間接的に聞くことがあるし、インターネットでも、わりと見かけることである。

残念だと思う。良質な低音が鳴りはじめれば、いままで余裕をもって鳴っていたと思っていたのが、
どこか精いっぱいであったかのように、さらなる余裕をもって、伸びやかに響きが部屋に満ちていくのだから。

なぜサブウーファーの調整が難しい、と感じるのか。
それはメインスピーカーのレベルを基準として、サブウーファーのレベルを調整しようとするからではないだろうか。

土台となる低音(ウーファー)を基準とする調整方法に、知らず知らずのうちになれてしまっているのに、
なぜかサブウーファーの調整時には、そのことを忘れてしまいがちになっていないだろうか。
サブウーファーのレベルを基準として、メインスピーカーのレベルを調整してみる、という感覚を意識するだけで、
サブウーファーの使いこなしのコツのひとつだと、私は実感している。

Date: 2月 1st, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その15)

ステレオサウンド 51号で、JBLのマルゴリスは、レベル調整のやり方について語っている。

使うレコードは、もちろんよく知っているもの。それをモノーラルで再生すること、が第一。
だからスピーカーは、片チャンネルずつ鳴らし調整していくことになる。

4343の場合、3つあるレベルコントロールすべて絞り込むこと、が第二。
そして音楽を聴き、ウーファーとミッドバスのバランスをとる。次にミッドハイのレベルを、
最後にトゥイーターを調整していく。

もう片方の4343も、同様に調整したうえで、音像イメージがセンターに明確に定位するように、
左右のスピーカーのバランスをとることが、第三。

音像がセンターにぴしっとあった時点で、ステレオで鳴らし、
レコードを変えながら、微調整していくことが、第四のポイントである。

このやり方は、いうまでもなく、レベルコントロールをもつスピーカーシステムであれば、
なにもJBLのスピーカーシステムでなくても、有効な調整方法だと思う。
マルチアンプで組んでいるシステムの調整にも、もちろん有効だ。

このやり方でもわかるように、スピーカーシステムの基準は、低音(ウーファー)にある、ということ。
音楽のベーシックトーンは、低音であり、まず土台となる低音のレベルを決めたうえで、
その上に、中低音・中高音・高音を構築していくべきである。

Date: 2月 1st, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その14)

現在のJBLの、レベルコントロールに関する考え方は変化しているのかもしれないが、
少なくとも4300シリーズを積極的に展開していた頃のJBLは、レベルコントロールは、
使い手が積極的に調整するためのものと考えていた、と受けとっていいだろう。

ユニットの能率に、±1dBの差があることを前提していた当時のJBLの製品の中にあって、
4350はレベルコントロールがひとつだけで、トゥイーターの2405だけの調整しかできないということは、
何を意味しているのだろうか。

少なくともミッドバス(2202)とミッドハイ(2440)のレベルは、いじるべからず、ということであり、
この二つのユニットに関しては、選別して、能率差がないものを組み込んである、と受けとっていいはずだ。

4350が、他の4300シリーズのスピーカーシステムと決定的に異る点は、
バイアンプ駆動ということよりも、ここにある、と私は考えている。

Date: 1月 21st, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その13)

2405ほどではないが、私の経験では、JBLのユニットは、総じてコーン型ユニットよりも、
ドライバーユニットに、能率差はわりと顕著なことである。

ステレオサウンドの試聴室にあった4344でも、レベルコントロールを追い込んでいくと、
左右で、ミッドハイ(2421)のレベル差が、1dBほどあった。
たとえば4343(4344)の例でいえば、ミッドバスのユニットの能率の差は、左右チャンネルでないとして、
レベルコントロールの0dBの位置で、ミッドハイ(2420もしくは2421)の能率の差があったとしたら、
わずかではあるが、クロスオーバー周波数が左右チャンネルで異ることになる。
単にミッドハイのレベルがすこし高いだけではない。

もちろん2420の能率の差があったところで、
ミッドハイのローカットの周波数はネットワークによって決まるので一定だが、
カットオフ周波数・イコール・クロスオーバー周波数ではない。

ミッドハイのレベルが高くなると、ミッドバスとのクロスオーバー周波数は、すこし下の周波数に移動する。

JBLのマルゴリスは、ステレオサウンド 51号で、レベルコントロールについて、
「アンプのトーンコントロールとは違いますから、これを動かしたからといって歪が増えたりするわけではありません。十分レベルコントロールを活用して、それぞれの部屋に合ったレベルバランスに調整していただきたいと思います。」
と語っている。

Date: 1月 11th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その12)

4350でふしぎなのは、ミッドバスとミッドハイのレベルコントロールがない点である。

ステレオサウンド 51号に「♯4343研究」という連載の1回目が載っている。
JBLプロフェッショナル・ディヴィジョンのゲーリー・マルゴリス氏とブルース・スクローガン氏に、
ステレオサウンド編集部がきき手として、4343のセッティングとチューニングの説明している。< そこでマルゴリスは、スピーカーのレベルコントロールついて、 「リスニングルーム個々によって全く音響条件が違うわけですから、 それぞれの部屋で最適なバランスが得られるように、充分に活用してください。」と語っている。 さらに「スピーカーユニット自体も、生産上の能率差はプラス・マイナス1dBが許容されていますから、 最大2dBの能率差が出ることもあるわけです」と続けている。 あくまでも最大2dBの能率差ということだから、運がよければ、ほとんど差がないこともあるだろうし、 まあ、1dBぐらいは違っているだろう、と覚悟しておいたほうがいい(と私は思っている)。 とくに能率差がわりと多く発生しているのが、トゥイーターの2405である。 この記事中にある、マルゴリス調整後の4343のレベルコントロールの写真を見ると、 2405のレベルは、左右でかなり差があることがわかる。