4343における52μFの存在(その30・余談)
2ウェイ構成のスピーカーシステムの場合、クロスオーバーポイントはひとつ。
3ウェイになると二つ、4ウェイでは三つだが、
実際には、2ウェイ以外のスピーカーシステムでは、クロスオーバーポイントは、増えることがある。
ネットワークの遮断特性、スピーカーユニットの周波数特性によっては、
となりあう帯域のユニットとのあいだではなく、
ひとつとんだ帯域のユニットとのクロスオーバーポイントがでてくる。
そのクロスオーバーポイントの-3dBや-6dBではなく、-20dBちかく減衰しているとはいうものの、
帯域分割をすればするほど、第二のクロスオーバーポイントは発生しやすくなる。
このことは以前からときおり指摘されていたことだが、実際の製品で、
個々の帯域の周波数特性を測定してデータが発表されることがほとんどなかったこともあって、
実際にグラフで確認する機会はなかったはずだ。
ステレオサウンド 52号に掲載されている4343のクロスオーバー特性グラフをみると、
ウーファーとミッドバス、ミッドバスとミッドハイ、
ミッドハイとトゥイーターのクロスオーバーポイントのほかに、
ウーファー(2231A)とミッドハイ(2420)のクロスオーバーポイントが、
800〜900Hzのあいだにあることがわかる。
ミッドバス(2121)とトゥイーター(2405)はどうかというと、
2121の、ネットワーク込みの周波数特性が、3kHzあたりから急激に減衰しているのことと、
2405も、8kHzあたりから下の帯域での減衰が急激なこともあって、
3.5kHzあたりでクロスしているかしていない、かといった感じである。
2121のレベルをいくらかあげれば、わずかにクロスするはずといった感じで、
2231Aと2420のクロスオーバーポイントよりも、さらに20dBほど低いレベルである。