4343における52μFの存在(その27)
やっとここから本題に入っていくわけだが、4343、4341のネットワークの回路図のなかで、
ミッドバスのハイパス(ローカット)フィルターを構成するコンデンサー
(容量:52μF)の位置に注目してもらいたい。
このコンデンサーの挿入位置については、数年前のステレオサウンドに連載されていた、
元ダイヤトーンのスピーカー技術者であった佐伯多門氏による、
4343を現代に蘇らせる、という主旨の記事中でも、問題とされていた。
早瀬さんから聞いた話では、海外のマニアのあいだでも、
この52μFの位置については、掲示板で論議されている、とのことだった。
スピーカー端子から入力された信号は、まずふたつに分かれる。
ひとつはウーファー(2231A)のネットワーク回路へ、
もうひとつは、ミッドバス(2121)以上の3つのユニットへ、と分かれる。
通常4ウェイのスピーカーシステムであれば、入力端子のあとで、
それぞれのユニットのネットワークへ、と4つに分割される。
それが4343(4341)では、まず2分割され、上3つの帯域のユニットへの信号はすべて、
52μFのコンデンサーを経由することになる。
くり返すが、この52μFのコンデンサーはミッドバスのハイパス(ローカット)フィルターを構成する部品であり、
ミッドハイ(2420)、トゥイーター(2405)には、当然だが、それぞれハイパスフィルターをもつ。
この52μFのコンデンサーを経由する理由は、技術的には見当らない。