原音に……(コメントを読んで・その1)
(その4)にfacebookでコメントがあった。
惚れ込めるオーディオ機器との出あいは、
過去に較べると減ってきていると感じていますか、というものだった。
最初はfacebookのコメント欄で返事をしようと思っていた。
でも書きたいことを思っていたら、コメント欄に書くには少し長くなりそうなので、
ここでこうやって書くことにした。
オーディオ歴は40年以上になる。
惚れ込んだオーディオ機器は、いくつかある。
思いつくままにあげていけば、
JBLの4343、マークレビンソンのLNP2とML2、
EMTの930stと927Dst、トーレンスのReference、ノイマンのDST、
SUMOのThe Gold、スレッショルドの800A、
ロジャースのLS3/5AとPM510、スペンドールのBCII、QUADのESL、
フィリップスのLHH2000、SMEの3012-R Specialなどが、すぐに頭に浮ぶ。
惚れ込んだオーディオ機器ということであって、
優れたオーディオ機器、いい音を聴かせてくれたオーディオ機器ということになると、
一つ一つ挙げていくのは面倒なくらいにある。
といっても百はいかないくらいの数だ。
惚れ込んだオーディオ機器というのは、私の場合、
私が優れたオーディオ機器と判断したモノよりも、さらに優れているというわけではなかったりする。
たとえばSMEのトーンアーム。
私が惚れ込んだのは3012-Rであり、Series Vではない。
Series Vは、ほんとうに優れたトーンアームである。
その音を聴いて、驚いた。
その驚きは、いまでもはっきりと思い出せるほどだ。
欲しい、と思った。
その時使っていたプレーヤーがトーレンス101 Limitedでなければ買っていたであろう。
トーンアームはSeries Vで終着点かとも思わせた。
その後、さまざまなトーンアームが登場してきていて、
Series Vよりもずっと高価なトーンアームもいくつかある。
その中にあっても、いまでもSeries Vはもっとも優れたトーンアームだと信じている。
けれど、惚れ込んだということではSeries Vではなく、やはり3012-Rなのである。