ハイ・フィデリティ再考(テクニクスの広告)
現在のオーディオ雑誌に掲載されているオーディオの広告については、
あれこれ書きたいことはあるが、ここでは控えておこう。
また昔の話を書くことになるが、
1978年のテクニクスの広告。
「テクニクスカセットデッキ物語」という9ページのカラーページから成るものがあった。
この「テクニクスカセットデッキ物語」の第四章。
リモートコントロールという見出しがついている。
カセットデッキRS-M85の写真もあるが、第二章でとりあげられていて、
ここ第四章ではRP070というリモートコントロールユニットがメインである。
キャッチコピーは、こうある。
《技術が進歩すると、オーディオ機器はハイ・フィデリティになる。
音楽に対してだけでなく、人間に対しても……。》
ボディコピーの最後には、こうある。
《この機器に込められた「技術の進歩はリスナーに対してのフィデリティに貢献する」という哲学。
テクニクスがオーディオに心を燃やす理由が、ここにある。》
いまのテクニクスは、どうなのか、そのことに触れたいわけではない。
人間に対してのハイ・フィデリティ、
リスナーに対してのハイ・フィデリティ、
意外に見落しがちなことのように思う。
約40年前の広告を見て、考えている。