Date: 7月 9th, 2016
Cate: High Fidelity
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手本のような音を目指すのか(その4)

マランツのModel 7のデザインは完全な左右対称ではなく、
電源スイッチ側にある四つのツマミの径は、反対側にある四つのツマミよりも小さい。

ほんのわずかだが左右対称を崩してある。
DEQXが自動補正した音から、ほんのわずかな違和感のようなものをとりのぞくには、
同じ作業が必要ということだった。

バランスを崩す、といってしまうと正確な表現ではなくなってしまうし、
間違って伝わる可能性も出てくるのだが、
感覚的には、それはほんのわずか崩す、といったものであることは確かだ。

小学校のころ、こんなことが少し流行った。
正面写真のセンターに鏡を置き、
左半分の顏だけの顏、右半分だけの顏をつくる。
どちらの顔も、写真の顏とは違ってくる。

つまり人の顔は一見左右対称のようであって、完全な左右対称ではない。
美男美女といわれる人の顔は、より左右対称である、ともいえる。
それでも完全な左右対称な顔の人はいない。

もし完全な左右対称の顏をもつ人が現れ、
しかも左右対称の表情をしたら、それをわれわれはどう感じるのだろうか。

DEQXを始め、同種の機器の自動補正のプログラムは、人間が作ったものではあるけれど、
けれどいまのところは、どこか左右対称のような自動補正をしているのではないか、
そんな気がしないでもない。

どの機器も使ったことがないので、友人の感想を聞いてそう感じているだけにすぎない。
そして思うのは、自動補正で得られた音は、完璧なバランス、
もしくは完璧なバランスに近いものなのか、ということだ。

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