Date: 2月 24th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その11)

「レコード・オーディオの革命」、24ページの図で重要なのは、
Z1とZ2の極性である。
Z2とZ1に対して逆相になるように接続してある。

どういう理由になるものなのか、
なぜか本文中に記述は見当たらない。

図をみて、気づく人だけわかればいい、ということなのだろうか。
これに気づくと、小山式CZ回路(1)をいつかは試してみたい、と思うようになる。

この図はfacebookで公開している。

肝心のCR方法が、どう作用しているのか。
なぜ、これほど音が変るのかに関しては「レコード・オーディオの革命」を読んでもはっきりとはしない。

「レコード・オーディオの革命」には「CZの説明」という章がある。
少し長くなるが引用しておく。
     *
 私たちが使用している電磁器は磁気とコイルで出来ています。マイクロフォン・テレコ用ヘッド・トランス・カッターヘッド等の録音系、カートリッジ・スピーカー等の再生系、すべてが電磁器です。
 この電磁器の共通の欠点を探しました。答は過渡現象による歪みでした。
 私の持っている本の中に、電機大出版局発行の大熊栄作先生の『交流回路と過渡現象』という本があります。その中にわかりやすい文章で過渡現象について解説されていますので転載させていただきます。
「回路に流れる電流,あるいは電圧が時間に対して常に同じ状態の変化をくり返し、回路では一定時間に一定の電力を消費する場合について学んできた。このような状態を定常状態という。
 これに対して、LやCを含む回路では、スイッチの開閉、あるいは回路状態に移るときに、磁気あるいは静電エネルギーの変化を妨げる逆起電力を生じ、電流や電圧は瞬時に定常状態に変化することができず、定常値に落ちつくまである時間を要する。
 この定常値に落ちつくまでの状態を過渡状態といい、この現象を過渡現象という。
 この過渡現象のうち、R−LあるいはR−C回路では磁気的あるいとは静電的エネルギーの一種類だけが回路に出入することによって生ずるので、これを単エネルギー回路の過渡現象という。これに対してR−L−C回路では、磁気および静電エネルギーが重なって出入することによって生ずるので、これを複エネルギー回路の過渡現象という。」
     *
小山雅章氏によれば、小山式CZ回路は、《この過渡現象の解決方法と信じます》とある。
つまり小山雅章氏自身も、小山式CZ回路による音の変化に関しては、
はっきりと理論立てて説明されているわけではない。

そうだと思う。
何にどう作用しているのか。
はっきりとしたことは何もいえない。

Date: 2月 24th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その10)

「レコード・オーディオの革命」を読むと、
私がCR方法と呼んでいるのは、小山式CZ回路の(3)にあたる。

「レコード・オーディオの革命」の24ページに図がある。
Z1がある。

これがスピーカーユニットだったり、カートリッジだったり、テープヘッドだったりする。
このZ1にZ2とコンデンサーを直列にした回路を並列に接続したのが、
小山式CZ回路(1)である。

この小山式CZ回路(1)でのZ2とは、Z1と同じモノということになる。
つまりスピーカーユニットの場合、
ユニットを二つ用意して、一つは音を鳴らすスピーカーとして、
もう一つのユニットは小山式CZ回路(1)のZ2として使う。

そんな使い方をすればZ2のユニットからも音が出るのでは──、と思われるだろうが、
数pFのコンデンサーが直列になっているため、実際には鳴らないといっていいレベルだろう。

実際に小山式CZ回路(1)をやるのであれば、
二つ目のユニットからボイスコイルを取り出して、Z2を使うということなのだろう。

つまり小山式CZ回路(1)とはZ1=Z2どなる。

小山式CZ回路(2)は、Z2にZ1に近い特性のモノを使うということだ。
Z1≒Z2となる。
実際には、Z1のインダクタンスを測って、同じか近い値のコイルを使うことになるはずだ。

小山式CZ回路(3)は、Z2を用意するの大変だから、Z2を抵抗で置き換える。
私がCR方法と呼んでいるのは、小山式CZ回路(3)のことである。

「レコード・オーディオの革命」によれば、
Z1のインピーダンス特性が直線である場合に、効果大とある。
となるとスピーカーユニットの場合、効果大にはならない理屈になるが、
実際に試してみると効果大である。

ただし私は小山式CZ回路(1)と小山式CZ回路(2)は試していなので、
これらと比較すると小山式CZ回路(3)は効果小なのかもしれないが、
実用性でいえば小山式CZ回路(3)しかないといっていい。

Date: 2月 24th, 2021
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(オンキヨーのこと・その2)

(その1)で、メリディアンの扱いはどうなるのか、と書いた。
私はオンキョーのオーディオ機器への思い入れは、ほとんどない。

それでもオンキヨーという会社が気になるのは、
e-onkyoとメリディアンのことがあるからだ。

昨晩遅くに、オンキヨーのウェブサイトを見ていた。
取り扱い海外ブランドのところに、クリプシュの名はあるけれど、メリディアンの名はない。

メリディアンの本国のウェブサイトをみると、
昨日現在、日本の取り扱いはオンキヨーになっている。

どうなるのだろうか。
オンキヨーはメリディアンの取り扱いを、結局やらないままやめてしまうのか。
だとしたら、今後はどうなるのか。

新しい輸入元に移るのか、
それともオンキヨーの前にやっていたハイレス・ミュージックに戻るのか。

最悪なのは、どこも扱わなくなることである。

Date: 2月 24th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その9)

十日前の(その6)にkmさんという方からコメントがあった。
私がCR方法と呼んでいるのは、小山式CZ回路ではないかという指摘だった。

そこには本も出ていた、とあった。
さっそく調べてみたら、小山雅章氏の「レコード・オーディオの革命」が見つかった。

小山式CZ回路だから、おそらくこの本のことだろう、と注文した。
1984年に出た本で、すでに絶版。
私はamazonで480円で購入できた。

今日帰宅したら届いていた。

私がCR方法と呼んでいる、この手法は、以前別項で書いているように、
1970年代の後半、電波科学で読んだ出原眞澄氏(記憶違いでなければ)のコラムで知った。

そこに小山式CZ回路とあったのどうかは記憶にない。
出原氏は以前からある、というふうに書かれていたから、
小山式CZ回路のことなのだろう。

国会図書館に行き、電波科学のバックナンバーをたどっていけば、
詳細がはっきりするけれど、
「レコード・オーディオの革命」を読んでいえるのは、
私がCR方法と呼んでいる手法の活用例のほとんどは、小山雅章氏も試されていたことだ。

ずいぶん前に読んでいたことなのだが、正しく理解していたことが、
「レコード・オーディオの革命」を読んではっきりした。

そして「レコード・オーディオの革命」には、
電磁歪を除くCZ回路とある。

Date: 2月 23rd, 2021
Cate: 新製品

新製品(マッキントッシュ MCD85・その2)

ステレオサウンドの新製品紹介の記事が大きく変ったのは56号からだ。
カラーページが使われるようにもなり、
カラーページには「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」、
モノクロページには「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」とそれぞれタイトルがつけられている。

「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」の扉には、こう書いてあった。
      *
あたらしい、すぐれた製品との出会いは、私たちにとって、いつもドラマティックな体験です。心おどろせ、胸はずませて、あたらしい出会いを待ち受け、そして迎えるさまは、とうていマニアでない人びとには理解してもらえないでしょう。
そのマニアの中のマニアともいうべき、本誌筆者の方々に、毎号いちばんあたらしい、いちばん感動的な出会いについて書いていただこうというのが、このあたらしいページです。
やがて月日が経つとともに、それぞれの方々の出会いの歓びの鮮度は色あせていくかもしれません。あるいは、使いこんでいくうちに、日ましにその製品がもたらす歓びは色濃くなっていくかもしれません。
でも、それぞれ筆者自身にとっての、いまの真実は、ここに記されているとおりです。
     *
新製品にふれるということは、確かにそういうことだ。
このころと違って、いまは実物にふれる前に、
インターネットで新製品情報を知ることができるようになった。

それぞれのオーディオメーカーのウェブサイトにて新製品の情報が公開される。
海外メーカーの新製品の場合、いつ日本に入ってくるのか、
どんな音がするのか、とあれこれ想像する。

楽しい時間である。
けれど、マッキントッシュのMCD85やMHA200の写真を眺めると、
マッキントッシュという老舗オーディオメーカーの衰退(終焉)の始まりを、
もしかすると見ているのではないか、という気もしてくる。

インターネット普及以前、
海外のオーディオ情報がいまのように誰もが知ることができなかった時代は、
輸入元の判断で日本に輸入されない機種があった。

そのメーカーのブランドイメージを損うという判断からなのが大半だった。
いまはそういう時代ではない。

そういう時代に、マッキントッシュはMCD85やMHA200のようなデザインを出してきた。
なぜ? とおもう。

Date: 2月 23rd, 2021
Cate: オーディオ入門

オーディオ入門・考(あらためて感じていること・その2)

どの世代にも、自称オーディオに詳しい、という人はいる。
だから「誰かオーディオに詳しい人、知らない?」と周りにきけば、
「オレ、詳しいよ」という人がいたり、
「○○さんは詳しかったはず」となったりするであろう。

そういう人に相談したとして、答が得られるのだろうか。
たとえばアンプを買いたい、と相談したとしよう。

自称オーディオに詳しい人は、自分が買うんだったら、と判断しがちのところがある。
自分で欲しくないモノを人にすすめることはできない──、
それは確かにそうなのだが、自分の好きなモノ、使いたいモノだけをすすめて、
相談している人にとって、いい結果となるのだろうか。

自称オーディオに詳しい人と相談している人の違いがあるにもかかわらず、
このアンプがいいよ、と、海外製の個性的なアンプをすすめたりする例を、
いくつか知っている。

そのアンプをすすめたくなる気持はわからないでもない。
でも、そのアンプを使う人がどういう人なのかを、ほんとうに考えての推薦機種なのか。

故障した場合のことを考えての機種なのか、と思うことがけっこうあった。
アンプを複数台持っている人にすすめるのであれば、そういうアンプでもかまわないことがある。

そのアンプが故障したとしても、代用のアンプがあるのだから。
しかし、相談している人は、これからアンプを買おうとしている。
ほかのアンプなんて持っていない。

そういう人に海外製のアンプをすすめることは、私はよほどのことがないかぎりしない。
故障した際のアフターサービスの体制の違いが、
国産アンプと海外アンプでは、やはりあるからだ。

海外製のアフターサービスのすべてが国産のそれよりも劣っているわけでなはい。
それでも時間がかかることが多いケースを知っているからだ。

それに輸入元がなくなってしまったらどうするのか。

Date: 2月 22nd, 2021
Cate: ディスク/ブック

Piazzolla 100(黒田恭一氏の文章)

音楽が好き、という人は大勢いる。
音楽が大好き、という人もけっこういる。

本人が、好きといっているのをこちらが疑うことはしたくないのだけれど、
ほんとうに音楽が好きなの? とおもうこともままあったりする。

だから、別項ではあえて「ほんとうの音楽好き」と書いている。

黒田先生が、「音楽への礼状」でピアソラのところで、こう書かれていた。
     *
 それからしばらくして、あなたは、ゲーリー・バートンと共演して、東京で一度だけコンサートをなさったことがありました。あのときのことを思い出すと、どうしても気持が萎えてきます。決して大きい演奏会場ではなかったにもかかわらず、客席のほぼ半分はうまらないままでした。もったいないな、こんなにいいコンサートが満員にならないなんて、と空席のままの座席をみて思いました。
 あのコンサートが満員にならなかった理由としては、宣伝不足とか、時期がよくなかったとか、あれこれいろいろあったようでしたが、事情通から、不入りの理由のひとつとして、「タンゴ」のピアソラと「ジャズ」のゲーリー・バートンの共演ということで、純潔をたっとぶ「ジャズ」ファンと「タンゴ」ファンがそれぞれそっぽをむいたこともあると説明されて、ぼくは、一瞬、ことばにつまりました。今どき、そんな、馬鹿なことが、と事情通にくってかかりそうになりました。驚き、同時に、呆れないではいられませんでした。
 その事情通の説明が正しかったのかどうかは、今もってわかりません。しかし、残念ながら、彼のいうような状況がまったくないとはいえないかもしれないな、と思わざるをえないような状況にぶつかることが、ままあります。そのことから判断すると、多くのひとが、この時代にあってもなお、自分が不自由にしか音楽がきけていないのも気づかず、レッテルによりかかって音楽をきいているようです。
     *
ほんとうの音楽好きを、言葉で表わすことはできないのかもしれない。
そんなに簡単に書けることではない、とわかっている。

それでも、ほんとうの音楽好きな人は、
純潔をたっとぶようなことはしないはずだ。

Date: 2月 22nd, 2021
Cate: 欲する

新月に出逢う(その4)

人形には、目がある。
その人形に惚れ込むということは、その人形の目に惚れ込むことなのかもしれない。

以前、別項で引用したことをもう一度、ここでも書いておく。

辻村寿三郎氏が、ある対談でこんなことを語られている。
     *
部屋に「目があるものがない」恐ろしさっていうのが、わからない方が多いですね。ものを創る人間というのは、できるだけ自己顕示欲を消す作業をするから、部屋に「目がない」方が怖かったりするんだけど。
(吉野朔実「いたいけな瞳」文庫版より)
     *
辻村氏がいわれる「目があるもの」とは、ここでは人形のことである。
つづけて、こういわれている。
     *
辻村 本当は自己顕示欲が無くなるなんてことはありえないんだけど、それが無くなったら死んでしまうようなものなんだけど。
吉野 でも、消したいという欲求が、生きるということでもある。
辻村 そうそう、消したいっていう欲求があってこそもの創りだし、創造の仕事でしょう。どうしても自分をあまやかすことが嫌なんですよね。だから厳しいものが部屋にないと落ち着かない。お人形の目が「見ているぞ」っていう感じであると安心する。
     *
人形作家の辻村氏が人形をつくる部屋に、「目があるもの」として人形をおき、
人形の目が「見ているぞ」という感じで安心される。

部屋に「見ているぞ」という目がある。
いまのところ、そういう生活を送ったことはないから、
真夜中に人形と目が合ったりしたら、恐怖するような気もする。

このことを思い出したからこそ、人形の大きさが気になってくる。

Date: 2月 22nd, 2021
Cate: 欲する

新月に出逢う(その3)

新月だった2月12日に出逢った人形。
衝動買いしたかったけれど、手が出せなかった。

出せなかったからこそ、あれこれ妄想している。

これまで人形のある生活をしたことはない。
人形を趣味としている人が周りにいるわけでもない。

もし衝動買いしていたら、この人形、どう扱っているだろうか。
まずケースに収めて飾るのだろうか。

ホコリがつかないようにするにはガラスケースにしまうのでいいのだけれど、
なんとなくそうしたくない気持が強い。

人形を趣味としている人は、この点、どうしているのだろうか。
ケースに収めないのであれば、日頃の手入れはどうしているのか。

服についた汚れはときどき洗濯するのか。
もしくは新しい服を用意するのか。

髪は梳くのか。これも知りたいことの一つである。
人形本体についた汚れはどう落とすのか。

そういった日頃の手入れについて、あれこれ妄想していたし、
人形のある生活をおくるようになったら、
ほぼ間違いなく人形相手に、毎日挨拶するようになるだろう。

起きたら、おはよう、
寝る前に、おやすみ、
出掛ける際には、いってきます、
帰宅したら、ただいま──、
少なくとも挨拶をするようになるはずだ。

人形に向って、話しかける。
その日あったできごとを人形に話す──、
これはどうだろうか。

買えないからこそ、、そんなことを妄想しているのだが、
もう一つ考えていることは、
今回私が惚れ込んだ人形が、人間と同じ大きさだったら……、である。

Date: 2月 22nd, 2021
Cate: オーディオマニア

「シャカリキ!」(その3)

音楽がほんとうに好きな人のために、
自分のオーディオの才能を使うということは、
つまるところ、自分のためなんだ、という考えもできる。

オーディオマニアよりも、
オーディオにまったく詳しくない人で、音楽がほんとうに好きな人ほど、
だましたりごまかすことはできないものだ。

その人が使っているスピーカー、そのスピーカーを鳴らしている部屋、
アンプやCDプレーヤーなど、
自分の環境とはすべてが違う。

聴いている音楽も大きく違うこともある。
つまり何もかも違うところで、
ほんとうの音楽好きの人を満足させる音にする、ということは、
自分のオーディオの才能に磨きをかけることでもある。

自分のシステム、自分の部屋、好んで聴く音楽の範囲で、
真剣にやっていても磨きがかけられない才能の領域がある。

だからこそ、自分のためなのだ。

Date: 2月 22nd, 2021
Cate: オーディオ入門

オーディオ入門・考(あらためて感じていること・その1)

ほんとうの音楽好きは、いい音で聴きたがっている。
このことは以前からそのはずだと、思っていたし、
やっぱりそうだった、とつい最近強く感じた。

いい音で聴きたがってはいても、どうやればいいのかがわからない。
オーディオ機器というモノが必要になるのだから、
ある程度の予算が必要なのはわかる。

けれど、ではいったい何を買えばいいのか。

そのためにオーディオ雑誌がある、と答えたいのだが、
そういう人がオーディオ雑誌(どれでもいい)を買って、熟読したところで、
何を得ることができようか。

何を買えばいいのか。
それぞれのオーディオ雑誌が年末の号で、賞を発表している。
ステレオサウンドだと、ステレオサウンド・グランプリとベストバイが、
冬号の特集になって久しい。

ベストバイの特集を読めば、何を買えばいいのかがわかるのか。
何にもわからない。

とりあえず、多くの人が点数を入れている機種を揃えれば、それでいいのか。
それでほんとうの音楽好きの人を納得させられる音が出てくるのであれば、
一応の答をオーディオ雑誌は提示している、といえそうなのだが、
実際のところ、オーディオ雑誌は何も答えてくれない。

昔のオーディオ雑誌には、読者相談コーナーがあった。
そこで取り上げてくれたら、答が得られるのか、といえば、
答にはなっていない回答があるだけだ。

となると、周りにオーディオに詳しい人がいるかどうかだ。

Date: 2月 21st, 2021
Cate: 新製品

新製品(マッキントッシュ MCD85・その1)

マッキントッシュのCDプレーヤーの新製品、MCD85が発表になっている。
音については聴いていないので触れない。
ここで取り上げているのは、MCD85のデザイン、
ひいては最近のマッキントッシュのデザインに関して、どうしても何かいいたくなったからだ。

MCD85の少し前に、管球式のヘッドフォンアンプMHA200が発表になっている。
MHA200の写真をみたときにも、何かをいいたくなった。

ずっと昔、こんな感じの自作アンプがオーディオ雑誌に載っていた(という記憶がある)。
既視感たっぷりのMHA200である。

しかも、それがカッコよければいいのだけれど、
お世辞にもそうはいえないどころか、どこかアマチュアのコピーのようにも感じるし、
1970年代、マッキントッシュのMC275に似たスタイルのシャーシーのキットがいくつもあった。
それらを思い出させるレベルにしか見えない。

二年前に、MC2152が出た時も、同じようなことを書いた。
そこで感じたことは、MHA200をみて強まり、MCD85でさらに強まった。

世の中には、マッキントッシュの製品すべてをベタ褒めするオーディオマニアがいる。
多いのか少ないのかは知らないが、いるのは知っている。
そんな彼らは、MHA200、MCD85もベタ褒めするんだろうな……、と思っているところだ。

そんな彼らは、たいてい、こんなことをいう。
マッキントッシュの良さがわからないのは、あなたが未熟だからだ、と。
おおむねそんなことをいう。

そんな彼らは、MHA200、MCD85のデザインに疑問をもつ人に対しても、
やはり同じことをいうのだろうか。

そして、ここでもオーディオ評論家はどう書くのだろうか。

Date: 2月 21st, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その8)

クラングフィルムのオイローパジュニアは励磁型である。
つまり一般的なスピーカーよりも、コイルを一つ多く持っている。

励磁用のコイルに、CR方法を試してみると、音は変化するのだろうか。
ボイスコイルは信号系におけるコイルであるから効果があるのは予想できる。

けれど励磁用のコイルはそうではない。
アンプにおける電源トランスの一次側、二次側のコイルとも、ちょっとワケが違う。

音が変らない、ということはないはずだ。
私の環境では励磁用のコイルで試してみることはできない。

けれど、その音を聴いてみたい。
それはCR方法による効果のあらわれかたが、
スピーカーのボイスコイルの場合と同じなのか、それとも違ってくるのか。

それによって、CR方法がどう作用しているのか、
それを少しでも解明することにつながっていく、と考えるからである。

Date: 2月 21st, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その7)

CR方法について、関心・興味をもつ人もいれば、
そんなことで音がよくなるわけがない、とまったく無関心の人もいるはずだ。

無関心の人のなかには、それだけ効果があるのならば、
なぜ多くのオーディオメーカーが採用していないのか、と、
そんな疑問をもつ人もいることだろう。

私だって、不思議に思っている。
CR方法を実際にやった人も、そう思っているはずだ。

そのくらいに音が変化する。
はっきりといえば良くなる、といっていい。

ここを読まれている方のどのくらいがCR方法を試してみようか、
と思われているのかは、私にはわからない。

それでも実際にやった方からメールが届いた。
以前、ハイドンの交響曲四九番が、La passione(受難)であり、
情熱ではない、という指摘をくださった方だ。

今回のメールは、CR方法をやってみた、ということだった。
まずワーフェデールのW15/CSで試したみた、とあった。

使用部品は、私がすすめているDALEの無誘導巻線抵抗とディップマイカコンデンサーで、
どちらも海神無線で購入されている。

このことだけでも、書いている私としては嬉しい。

ワーフェデールで、音質上の改善が認められたので、
メインスピーカーでも試されたそうだ。

この方のメインスピーカーは、クラングフィルムのオイローパジュニアとのこと。
ここでもCR方法による音質の向上が認められた、とあった。

これまでいくつかのスピーカーで実践してきている。
タイプ、年代、大きさの異るスピーカーでも、効果があった。

なのでヴィンテージスピーカーと呼ばれるモノにも効果はある、と考えていた。
それでも、実際にやる人はほとんどいないのでは──、と勝手に思ってもいた。

けれども、実践された方がいた、というのは嬉しいだけでなく、とても心強い。
実践した人はCR方法について、周りのオーディオマニアにもすすめられるだろうから。

私も、近日中にある人のところで実践してくる。

Date: 2月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その2・補足)

(その2)で、Amarra PlayはApp内課金することで、
MQA再生とTIDALの利用が可能になる、と書いた。

課金は2020年11月の時点では、860円だった。
けれど現在は1,600円になっている。
ほぼ二倍になっている。

二倍になったのか、
たまたま私が購入したときがディスカウントの期間中だったのかは定かではないが、
1,600円でも課金していたはずだ。