「シャカリキ!」(その3)
音楽がほんとうに好きな人のために、
自分のオーディオの才能を使うということは、
つまるところ、自分のためなんだ、という考えもできる。
オーディオマニアよりも、
オーディオにまったく詳しくない人で、音楽がほんとうに好きな人ほど、
だましたりごまかすことはできないものだ。
その人が使っているスピーカー、そのスピーカーを鳴らしている部屋、
アンプやCDプレーヤーなど、
自分の環境とはすべてが違う。
聴いている音楽も大きく違うこともある。
つまり何もかも違うところで、
ほんとうの音楽好きの人を満足させる音にする、ということは、
自分のオーディオの才能に磨きをかけることでもある。
自分のシステム、自分の部屋、好んで聴く音楽の範囲で、
真剣にやっていても磨きがかけられない才能の領域がある。
だからこそ、自分のためなのだ。