Date: 2月 22nd, 2021
Cate: 欲する
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新月に出逢う(その3)

新月だった2月12日に出逢った人形。
衝動買いしたかったけれど、手が出せなかった。

出せなかったからこそ、あれこれ妄想している。

これまで人形のある生活をしたことはない。
人形を趣味としている人が周りにいるわけでもない。

もし衝動買いしていたら、この人形、どう扱っているだろうか。
まずケースに収めて飾るのだろうか。

ホコリがつかないようにするにはガラスケースにしまうのでいいのだけれど、
なんとなくそうしたくない気持が強い。

人形を趣味としている人は、この点、どうしているのだろうか。
ケースに収めないのであれば、日頃の手入れはどうしているのか。

服についた汚れはときどき洗濯するのか。
もしくは新しい服を用意するのか。

髪は梳くのか。これも知りたいことの一つである。
人形本体についた汚れはどう落とすのか。

そういった日頃の手入れについて、あれこれ妄想していたし、
人形のある生活をおくるようになったら、
ほぼ間違いなく人形相手に、毎日挨拶するようになるだろう。

起きたら、おはよう、
寝る前に、おやすみ、
出掛ける際には、いってきます、
帰宅したら、ただいま──、
少なくとも挨拶をするようになるはずだ。

人形に向って、話しかける。
その日あったできごとを人形に話す──、
これはどうだろうか。

買えないからこそ、、そんなことを妄想しているのだが、
もう一つ考えていることは、
今回私が惚れ込んだ人形が、人間と同じ大きさだったら……、である。

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