オーディオの「介在」こそ(ヘッドフォンで聴くこと・その1)
どの新聞だったのかは忘れてしまったけど、
日本でiPhoneが発売されてしばらく経ったころ、「iPhone、日本市場で苦戦」といった記事があった。
iPadが登場したときも、似たような記事を見かけた。
でも、それらの記事が出るすこし前に、電車に乗っていると、iPhone、iPadを使っている人を、
毎日、必ず見かけるようになっていた。
iPhoneに関していえば、一車両に、ひとりということはなく、
複数の人が使っていることが多く見かけていただけに、なんと間の抜けた記事なんだろう、と思った。
こういう記事を書く人は、電車に乗らないのだろうか。
少なくとも、東京に住んでいて、電車に乗ってまわりを見渡せば、それが流行りつつあるのかどうかは、
なんとなく感じとれる。
その例でいえば、最近電車でよく見かけることが多くなったのが、
ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンで音楽を聴いている人だ。
ヘッドフォン、イヤフォンで聴く人は、増えているのだろう。
若い人のなかには、スピーカーに関心をもたずに、ヘッドフォン、イヤフォンだという話も耳にする。
そういう人たちのなかからスピーカーに移る人も、少ないような話も聞く。
スピーカーで聴くのがメインの私でも、ときにはヘッドフォンで音楽を聴く。
思うのは、スピーカーとヘッドフォンを併用している人の音楽への接し方と、
ヘッドフォンだけという人では、もしかすると違うのかもしれない、と、
電車の中でのノイズキャンセリングのヘッドフォンを見て、思う。
ノイズキャンセリングにするのは、雑音を打ち消して、
いい音をそれほど音量をあげずに聴けるという効果が認められてきたのだろう、と昨年までは思っていた。
でも、今年になって思うのは、耳を閉ざしているのではないか、ということだ。