ベーシストとしてのマーク・レヴィンソン(その1)
ステレオサウンドで働きはじめたばかりのころ、先輩編集者のSさんが、あるレコードを聴かせてくれた。
ポール・ブレイの「バラッズ」だ。
マーク・レヴィンソンがベーシストとして、2曲参加している。
録音は1967年だから、レヴィンソンは17か18歳だ。
レヴィンソンがミュージシャンとして、短い期間だが活動していたことは知っていたが、
こんなに若いときとは思いもしなかった。
Sさんは「レヴィンソンのアンプっぽい演奏だよ」と言っていた。
「ハメをはずすことのない、どこか神経質な感じを漂わせる演奏」というSさんの言葉が、
先にあったためか、たしかにジャズに詳しくない私の耳にも、そんなふうに聴こえていた。
マーク・レヴィンソンについて書いていたら、ふとこのレコードのことを思い出し、
検索してみたら、2000年にユニバーサルミュージックからCDが発売されていた。
CDのディスク番号は、UCCE3003。
すでに廃盤のようだが、Amazonで新品が入手できた。
それほど入手は難しくないようだ。
ただAmazonでは、新品が定価で買えるのに、中古盤が、ほぼ4倍の価格で出品されてたりもする。
今日届いたCDの帯には、「世界初CD化」とある。
おそらく日本盤しかないのだろう。
「これだ、これ。あの時聴いたレコードだ」と、27年前のことを、聴いていたら、けっこう鮮明に思い出せた。
ステレオサウンドで働いてなかったら、聴く機会はなかったであろうディスクだ。
レヴィンソンが参加しているレコードは、他にもあるらしい。