スーパーウーファーについて(その10)
メインスピーカーとのあいだの調整がうまくいったときの音は、
メインスピーカーとスーパーウーファーの息が合っている──、
そういう感じの音になる。
具体的にかけば、音楽のフォルティッシモにおいての音の伸びが、
質の良いエキスパンドをかけたように、それまでとはあきらかに違う次元で、
音のエネルギー量そのものが勢いをつけて増してくる。
だから、結局のところ調整にかけるディスクは、ふだん聴きなれているもののなかから、
比較的録音のよいもの、とくにダイナミックレンジがよく録れているものであればいい。
変に低域に耳の注意がいきがちのディスクを、あえて用意する必要はない。
くり返すが、聴きなれているディスクがいちばんいい。
スーパーウーファー側の調整のなにかが、うまいところにおさまっていないと、
なかなか、上に書いたようには鳴らない。
できれば聴きなれたディスクが数枚、
それもジャンルが違っているものがあれば、それらを鳴らしてみる。
音楽のジャンルが大きく変っても、調整がうまくいっていれば、
フォルティッシモでの音の伸びは、それこそめざましいものが聴きとれる。
録音におかしいところがなければ、ほんとうに気持よくなってくれる。
スーパーウーファーを附加することは、スピーカー全体のエネルギー量に大きな変化を加えた、ということだ。
このことを忘れなければ、スーパーウーファーの調整は、そう難しいものではないはずだ。
もっともその先に、さらに進もうというのであれば、また違う難しさが出てくるけれど、
少なくともレベル調整をやっていくうちに、
スーパーウーファーが鳴っていなかった、ということにならない。