Archive for category テーマ

Date: 1月 18th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その4)

オーディオ雑誌の編集者が会社を辞めて、オーディオ評論家となる。
これまでにもけっこうあったことだろう。

会社を辞めた編集者は、オーディオメーカー、輸入元など、
オーディオ関係のところに挨拶に行くであろう。

昔は、それが当り前だった。

時代は変ってきた、と感じたのは、
ある編集者が退職してオーディオ評論家になったときの話を聞いたからだ。

その編集者がやめたとき、その会社のトップが、
オーディオ関係各所に、
○○が独立してオーディオ評論家になるから、よろしく頼む──、
そういった内容の文書を送り付けていた。

話を聞いただけでなく、その文書も見せてもらったことがある。
間接的な圧力といえる。

こんな内容のものが届いたら、
その人に対しての態度は決まってしまう。

その人を悪し様に扱ったら、
その人がいた会社のオーディオ雑誌での扱いがどうなるか……、
そんなふうに捉える人がいてもおかしくない。

後ろ盾、それも強力な後ろ盾を武器にオーディオ評論家になる。
時代が時代だから、仕方ない、と考えることもできなくはない。
オーディオが吸いたいしている時代に、オーディオ評論家になる、という人がいたら、
会社でバックアップしましょう、ということなのだろう。

それに未確認なのだが、最初のうちは、
その出版社がある程度の収入を保証する、ということでもあったらしい。

俄には信じ難いが、あり得るのかもしれない。
けれど、そんなことをやろうものなら、必ず、どこからはその件は漏れてしまう。
漏れたことは、誰かの耳に入り、拡がっていく。

しかもソーシャルメディアがこれほど普及した時代では、悪手でしかない。

Date: 1月 17th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その3)

オーディオショウでは、出展社のブースで、
オーディオ評論家が一時間ほど担当することが、当り前になっている。

ここ数年、オーディオ評論家に頼らずに、自社のスタッフだけで行っている会社も増えてきたが、
それでもオーディオ評論家を使うところは、まだ多い。

オーディオ評論家にとっても、オーディオショウは稼ぎ時である。
あちこちのブースから呼ばれているオーディオ評論家は、
いちおうは売れっ子ということなのだろう。
客が呼べるオーディオ評論家ということなのだろう。

そういう人は、一日いくつものブース(出展社)をまわる。
それたけ実入りが増える。

オーディオショウが昨年のようにほとんど行われないということは、
その分、収入が減る、ということである。

オーディオショウだけがなくなったわけではない。
オーディオ店に呼ばれることも、そうとうに減っているはずだ。

人が集まるところに呼ばれなくなる、
そういう機会がもとからなくなってしまっている。

昨年、オーディオマニアの友人と、
「オーディオ評論家も大変な一年だったね」という話をした。

今年もそうなりそうな気配が濃い。

オーディオ評論家は、いわば自由業と呼ばれる職種だ。
こういう状況がこれからも続いたり、
数年後に再び起ったりするのであれば、
オーディオ評論家を目指す人は、どれだけ現れるだろうか。

オーディオ雑誌の編集者から、オーディオ評論家に転身する人も、
予定を変更したり、あきらめたりしているのかもしれない。

Date: 1月 17th, 2021
Cate: 終のスピーカー

無人島に流されることに……(その10)

五味先生が、「音痴のためのレコード鑑賞法」で、こんなことを書かれている。
     *
 ハイドン(一七三二—一八〇九)もバッハにおとらず沢山の作品がある。ことに交響曲と弦楽四重奏曲はモーツァルト、ベートーヴェンなどに多くの教化を与えたもので、秀作も多い。だが、初心者には交響曲を聴くことをすすめる。一般には「軍隊」や「時計」「驚愕」「玩具」など標題つきのものが知られているが、もし私が、百五曲のハイドンの交響曲で何をえらぶかと問われれば、躊躇なく「情熱」(交響曲四九番)と第九五番のシンフォニー(ハ短調)を挙げるだろう。この二曲には、ハイドンの長所がすべて出ているからで、初心者にも分りやすい。
「ハイドンは朝きく音楽だ」
 と言った人があるほど、出勤前などの、爽快な朝の気分にまことにふさわしい音楽である。そしてあえて言えば、ハイドンは男性の聴く音楽である。
     *
無人島に流されることになったら、ハイドンに関しては、
私は交響曲も弦楽四重奏もいらない。
グレン・グールドのハイドンがあればいい。

「ハイドンは朝きく音楽だ」はそのとおりだ、と思う。
けれど、ここでの「朝」は毎日訪れる朝だけでなく、
別の意味の「朝」もあるように、入院している時に感じていた。

退院間近になって、治り始めていることを実感できるようになったときに、
グレン・グールドのハイドンを口ずさんでいた、ということが、そうなのだろう。

Date: 1月 16th, 2021
Cate: ヘッドフォン

ヘッドフォン考(その8)

五味先生の「いいヘッドフォンを選ぼう」。
     *
 なまなかなスピーカーで鳴らすより、いまや良質のヘッドフォンで聴くほうが、よっぽど、音楽的にも快美な音を楽しめることは、心あるオーディオ愛好家ならとっくに知っているだろうが、こんど二十日間ばかり入院を余儀なくされ、病室にデカい再生装置を持ちこむわけにも参らぬので、もっぱらFMの収録テープをヘッドフォンで聴いた。デッキはルボックスA700。ヘッドフォンは西独ゼンハイザーとオーストリアのAKGを併用したが、凝り性の私のことだから他にも国産品を二、三取り寄せて聴きくらべてみた。いろいろなことがわかった。ヘッドフォンにもデッキとの相性があること、かならずしも周波数特性の伸びは、高低域の美しさを約束しない——いいかえれば測定値の優秀さはそれだけでは音楽美に結びつかぬサムシングが、まだ音響芸術の分野にはあるという、以前からわかりきっていたことを、あらためて再確認したわけだ。
 国産のヘッドフォンは、明らかにAKGなどと比較して高域はのびている。だが、そのピアノはスタインウェイやベーゼンドルファーの高音の艶っぽさをもっていない。おもちゃのピアノで、キンキラ鳴るだけである。ヴァイオリンのユニゾンも、どうかすれば砂をふくんだザラついた音になり、あの飴色をしたヴァイオリンの胴が響かせる美音ではない。ソース自体はFM放送だが、こんなにもFMの高域は美しいのかと、ゼンハイザーやAKGでは思わずうっとり聴きほれてしまうのだから、国産ヘッドフォンメーカーは猛反省してもらわねばなるまい。
 きみが国産で聴いているなら、だまされたと思ってAKGかゼンハイザーのHD424、あるいはHD400の試聴をすすめる。HD400など九千八百円(一九七八年八月現在)という信じ難い安さで、しかも聴き心地は満点。
     *
このころのヘッドフォンの数といまとでは、ずいぶん違ってきている。
しかも価格帯の幅も、いまのほうが広い。

ここで五味先生が書かれていることを読んで、
私も、一つヘッドフォンを──、と思っても、
ふところに余裕がある人ほど、どれを買おうか、と迷うことだろう。

ふところに余裕がなければ、買える価格帯がおのずと決ってしまうから、
選択肢は限られてくる。
ふところに余裕がある人でも、ヘッドフォンに出せる金額はこれくらいまで、
と上限をきちんと決められるのであれば、選択肢は絞られてくる。

とにかく自分で買える範囲で、いい音のヘッドフォンを選ぶ──、
それが当然のことだと、ずっと思っていた。

もちろん音がいいだけではなく、ヘッドフォンではかけ心地もひじょうに重要になる。
それを含めて選ぶわけなのだが、
あくまでも私のヘッドフォン選びは、屋内での使用である。

けれど外出時こそヘッドフォンが必要という人にとっては、
そしておしゃれに関心の高い人は、ヘッドフォンのファッション姓が重要だ、という。

音がよくてかけ心地もいい。
値段も手頃なヘッドフォンがあったとしても、
好みのファッションとの相性が悪ければ、選択肢に入らない、そうだ。

Date: 1月 15th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その2)

帰宅時間が遅くなると、
食事のできる店がすべて閉まっている。

遅くなった日ほど外食したい、と思うわけだが、
そうもいかず足早に帰宅して自炊することになる。

夜の早い東京になっている。
なんとなく懐しい気持にもなっている。

東京で暮すようになって、今年の春で丸四十年。
そのころの田舎は、こんな感じだった。

食事のできる店は、たいてい夜八時には閉まっていた。
田舎では大きな、宴会もできる洋食の店が九時までやっていたのが遅いほどで、
田舎の夜は、早かった。

そういう状況だから、今年のオーディオショウはどうなるのか。
なんとか開催できるようになったとしても、マスク着用が求められるはずだ。

多くの人が気づいているはずだが、マスクをして音を聴いていると、
いつもと違って聴こえる。

このことについて、誰もいわないけれど、こちらから話をふると、
みな、やっぱりそうでしょう、ということになる。

ふだん口を開けて聴いているわけではないから、
マスクをしているしていないの違いは、鼻がマスクで覆われているかどうか、である。

マスクをしていても、鼻を出せば違う。

今年のオーディオショウの開催は、マスク着用でみな聴くことになる可能性が高い。
開催する・出展する側としては、それでも音を聴いてほしい、と考えるのか、
それともマスクを着用せずにすむような状況になってからの開催を望むのか。

Date: 1月 14th, 2021
Cate: オーディオマニア

オーディオは男の趣味であるからこそ(その16)

なにかが欠けていたり、足りなかったりするからこそ、
モノは、そして音は完結するのかもしれない。

完成を目指し、足りない、欠けていたりするのを足していく。
いつまで経っても完結しない。

それを理想を目指して、ということはできるし、
それも男の趣味だと思う。

それでもどこまでいっても、なにかが欠けていたり、足りなかったりするものだ。
オーディオは男の趣味だからこそ、そこで潔さが求められる。

Date: 1月 13th, 2021
Cate: 新製品

JBL SA750(その3)

SA750の紹介記事は、
オーディオ関係のウェブサイト以外にもある。

GIZMODOというサイトにも、SA750の紹介記事がある。
タイムマシンが持ってきてくれたJBLの60’sデザインアンプ
というタイトルの記事だ。

おそらく同じ資料を見て書かれたものだろうが、
オーディオ関係のサイトの紹介記事とは、違うといえば違う。

武者良太という人が書いている。
オーディオマニアではないのだろうか。
ソーシャルメディアに見られるオーディオマニアの反応とも違う。

デザインについての反応も、ずいぶん違う。
武者良太という人は、SA600に憧れはないのだろう。

記事の最後のほうに、こうある。
     *
JBL(Harman)を率いるSamsung(サムスン)だからこそ、世界的におうち時間が長いこの時代に合わせて、ゆったりと音楽が楽しめるアンプを作ったのではないかと思えてきます。
     *
こういう捉え方も、ずいぶん違うな、と感じたところ。

Date: 1月 12th, 2021
Cate: ディスク/ブック

スピーカー技術の100年III ステレオ時代と日本製システムの変遷(その2)

誤植のまったくない本というのは、いったいどれだけあるのだろうか。
スピーカー技術の100年III ステレオ時代と日本製システムの変遷」も、いくつかある。

すぐに誤植と、誰にでもわかる程度であれば、ここで取り上げたりはしない。
けれど、59ページ掲載の写真11-26は、見逃せない。

そこには《前面ネットを外して撮影したミニスピーカーシステムの外観(1964年)》とある。
本文中(57ページ)にも、1964年に撮影された、とある。

けれど、この写真に写っているのは、
ブラウンのL100、ダイヤトーンのDS5B、ロジャースのLS3/5A、グッドマンのMaxim、
パイオニアのCS-X3の五機種である。

LS3/5Aが日本に輸入されたのは1976年、
L100、DS5B、CS-X3は1977年に登場した機種である。
Maximだけが、この中では古い機種である。

写真は1977年に撮影されたもののはずだ。
この時代のオーディオを知る人ならば、すぐに間違いだと気づく。
問題なのは、ずっと後の世代に人たちは、この間違いに気づきにくいことだ。

資料的価値の高い本に、そう書いてあると、
その時代のことを知らない人は、そうなのか、と素直に信じてしまう。

そうなると、誰かが、違うよ、と指摘したところで、
あの本にそう書いてあったのだから、となかなか信じてもらえないことだって、十分考えられる。

不真面目な本であれば、あえて書かない。
でも「スピーカーの技術100年」は、より信頼ある本になってほしい。

そのためにも正誤表をきちんとつくり公開してほしい。

Date: 1月 12th, 2021
Cate: 書く

毎日書くということ(本音を失っているのか・その6)

よく汲みだす井戸の水は澄んでいる、という。

本音も同じだろう。
本音を押え付けたり、無視したりしているうちに、
書き手という井戸のなかの水(本音)は、いつのまにか澱んでしまった。

しかも澱んでしまっていることにすら気づいていない書き手がいる。

Date: 1月 12th, 2021
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その12)

この組合せ、この時の音があまりにも印象的だったこともあり、
私にとってラックスの38といえば、SQ38FDでもSQ38FD/IIではなく、LX38である。

しかも私はウッドケースというのが、あまり好きではない。
LX38はウッドケースがオプションになっていた。

おそらくウッドケースをつけると値上げしなければならなかったため、
なんとか価格も維持するためだったのだろう。

だとしても重いコートを脱ぎ捨てかのようでもあり、私はLX38を好む。
ではLX38の程度のいいのを探してきてコーネッタを鳴らしたいか、となると、
興味がまったくない、とはいわないまでも、それほどではない。

なぜかというと、まず一つはスペンドールのBCIIとコーネッタは、
同じイギリスのスピーカーシステムであっても、ずいぶんと性格が違う。
それに当時はアナログディスクで、カートリッジはピカリングだった。

いまはそうではない。
ピカリングのXUV/4500QのようなCDプレーヤー、もしくはD/Aコンバーターはない。

あのころとずいぶんと、いろんなことが変ってきている。
LX38の出力管、50CA10も、いまでは製造されていない。
探せば、まだ入手できる真空管ではあるが、
なんとなく避けたい気持があったりする。

中国で、さまざまな真空管が製造されているが、
50CA10は、そのラインナップにはない。おそらくこれから先も期待薄だろう。

他にも、こまかな理由がいくつかあって、
LX38で、どうしても──、という気持にはなれないでいる。

やはりKT88のプッシュプルアンプで鳴らしたい、という気持のほうが、強い。
いい音の真空管アンプであれば、なにもKT88のプッシュプルにこだわる必要はない──、
頭では、そう理解していても、一度はKT88のプッシュプルで鳴らしてみたい。

それも自分の手で鳴らしてみたい。

Date: 1月 11th, 2021
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その11)

コーネッタを手に入れたことで、
この項のテーマが微妙にずれてきてしまっている。

だんだんとコーネッタにおける黄金の組合せ的なことを考え始めている。

別項で「黄金の組合せ」について書いている。
黄金の組合せという表現がつかわれるようになったのは、
タンノイのIIILZとラックスのSQ38FDの組合せからであろう。

この組合せの音は聴いたことがない。
それでもなんとなく想像はつく。

IIILZとコーネッタは、基本的には同じユニットといってもいい。
もちろんMonitor GoldとHPD295Aは違うユニットだ、という人もいるのはわかっている。

それでも別ブランドのユニットと比較すれば、どちらもタンノイの10インチ同軸型ユニットである。
ならばコーネッタにもSQ38FDが合うのだろうか。

これも別項で書いているのだが、
ラックスのLX38(SQ38FD、SQ38FD/IIの後継機)で鳴らしたスペンドールのBCIIの音は、
いまでも聴きたい、と思うほどの音だった。

熊本のオーディオ店で、この組合せで、と瀬川先生にいった。
瀬川先生は、なかなかおもしろい組合せだ、といわれた。
接続が終って、音が鳴り始めた。

カートリッジは、ピカリングのXUV/4500Qにした。

スピーカーにしてもアンプにしても、カートリッジもそうなのだが、
どれもはっきりとした個性をもつ音だ。

鳴ってきた音を聴かれた瀬川先生は「玄人の組合せだ」といわれた。
自分で考えた組合せということもあって、
私にとっての「黄金の組合せ」といえば、この組合せの音である。

Date: 1月 10th, 2021
Cate: 新製品

メリディアン 251 Powered Zone Controller

メリディアンの輸入元がオンキヨーに移行して一年以上経つが、
音沙汰なし、といっていい状態が続いている。

先日、久しぶりにメリディアンのサイトを見ていた。
Productsの項目をみていたら、Integrated Ampsとあった。

以前みたときにはなかった項目である。
どんなプリメインアンプなのだろう、とクリックしてみると、
そこに表示されたのは、218と同シャーシーの251である。

Integrated Amp(プリメインアンプ)ではあるけれど、
218同様、フロントパネルにはツマミはひとつもない。
iPhone、androidのアプリ、IP Controllerで操作することになる。

出力は8Ω負荷で65W×2、4Ωでは100W×2である。
シャーシーは218と同じであっても、プリメインアンプなだけに、
重量は218の約五倍の2.5kgである。
といってもコンパクトだし軽いプリメインアンプである。

入力は218に準ずる。
もちろんMQA対応である。

JBLのSA750もそうなのだが、D/Aコンバーターを搭載し、
しかもMQA対応であれば、それだけのことであっても、
聴いてみたい、という気持が高まる。

1986年だったか、アルパイン・ラックスマンからプリメインアンプ、LV109が登場した。
D/Aコンバーターを搭載した初めてのプリメインアンプである。
LV109は、かわりにフォノイコライザーを搭載せず、LE109として販売していた。

当時、ステレオサウンドにいたから、
D/Aコンバーターを搭載することへの反応を、直接知ることができた。
肯定的な意見は、ほぼなかった。
私も懐疑的だった。

アンプ・エンジニアが技術的な挑戦として試作品をてがけるのは理解できても、
製品化することのメリットがあるとは思えなかった。

それから三十数年が経ち、ずいぶん捉え方も変っている。

Date: 1月 9th, 2021
Cate: 新製品

JBL SA750(その2)

ソーシャルメディアを眺めていたら、
JBLの新製品、SA750は、アーカム(ARCAM)のSA30をベースにしているのではないか、
そんなことを目にした。

確かにスペックを比較すると、そう思えてくる。
いまアーカムの輸入元は日本にはなく、SA30というモデルがあることも、
今回初めて知った。

しかもアーカムは、いまではハーマン・インターナショナルの傘下である。
となるとますます、その可能性は高くなる、といえる。

事実かどうかは、SA750が登場してみないことにはいえない。
内部写真を比較できれば、一目瞭然となるのか。

それともSA30をベースにしていたとしても、
筐体が変更されるとともに、コンストラクションも変更されているのかもしれない。

可能性としては低いが、
たまたまSA30と同じスペックになってしまった、ということもあるかもしれない。

仮にそうだとしよう。
こういう例は過去にもある。

あえて固有名詞は出さないが、
インターネットではかなり話題になっていた。

ベースとなった国産モデルと、
流用した海外モデルの内部写真が比較されていた。

価格的にさほど違わないのであれば、
アピアランスを好みで選択する、ということも、
趣味の世界だから考えられる。

けれど、価格もずいぶん違っていた。
どうすればこれだけ違うのだろうか、と首を傾げたくなるほどだった。

海外モデルのほうは、オーディオ雑誌でも取り上げられていた。
そこそこの評価を得ていたけれど、
国産モデル(安価な製品)をベースにしていることに触れた人はいなかったはずだ。

SA750は、どうなるのだろうか。
4月発売ということは、
早ければ3月発売のステレオサウンドが取り上げるかもしれないし、
遅くとも6月発売の号には載るはずだ。

誰が担当するのか。
当り障りのないことを書くだけなのか、
SA30との比較を含めて書くのか。

Date: 1月 8th, 2021
Cate: 新製品

JBL SA750(その1)

いくつかのサイトに掲載されているのでご存知の方も多いだろう。
今年4月に、JBLの創立75周年を記念してのプリメインアンプSA750が登場する。

同時にスピーカーシステム、L100 Classic 75も登場する。

SA750という型番を見て、SA600の後継機か、と期待した。
記事の本文を読んでいくうちに、SA750の写真が登場した。
……(微妙)が、私の正直な感想である。

SA600を知っている世代ならば、がっかりした、というのが、本音だろう。
SA750のデザインを素晴らしい、という人はいるのだろうか。

悪い、とまではいいたくない気持がある。
なんとなくフロントパネルの右三分の二が、ラジオのように感じられる。

それでもSA750のプリメインアンプとしての機能には興味がある。
トーンコントロールはないようだが、
Dirac Live(ルーム補整)を備えているし、
フォノイコライザーはもちろん、D/Aコンバーターも内蔵している。

しかもMQA対応である。
Roon Ready対応でもある。

それにずんぐりむっくりではないのもいい。
音はどうなのかは、いまのところなんともいえない。

写真を見てがっかりした。

こういう内容の機能を搭載しているだけに、
なんらかのディスプレイを必要とするのだろう。
そのせいもあって素敵なデザインとは、お世辞にもいえない。

いっそのことディスプレイに関しては、
iPhoneなどのスマートフォンやiPadなどのタブレットにまかせてしまうのも、
ひとつの手であっただろうが、
プリメインアンプ一台で完結させたかったのでもあろう。

それでも内容を知れば、なかなかに面白いそうなプリメインアンプだと思う。

5月ごろにOTOTENが開催されれば、そこでお披露目となるのだろうが、
このコロナ禍では、OTOTENの開催がどうなるのかなんともいえない。

Date: 1月 6th, 2021
Cate: audio wednesday

第119回audio wednesdayでやる予定だったこと

今日は第一水曜日。
喫茶茶会記がビル建て替えによる退去にあわなければ、今日はaudio wednesdayだった。

2020年4月、コロナ禍で休んだため、
120回ではなく119回になってしまったが、
今日でaudio wednesdayは丸十年である。

なので少し趣向をかえて、アルテックの604-8Gをもっていき、
416-8Cのかわりに取り付けて鳴らす予定だった。

604-8Gは元箱におさまったままなので、宅急便で送ることができる。
クルマを持たない、運転できない私でもなんとかなる。

604-8Gを思いっきり鳴らしてみる──、が119回のテーマだった。