Date: 3月 12th, 2021
Cate: ディスク/ブック
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Peter and the Wolf(その1)

プロコフィエフの「ピーターと狼」。
昔はオーディオ雑誌の試聴レコードとしても登場していた。

私がもっているのは、バレンボイムが指揮したディスクのみ。
なぜか、これ一枚かといえば、ナレーションがジャクリーヌ・デュ=プレだからだ。

長島先生が、試聴レコードとして、この「ピーターと狼」をもってこられた。
「これ、知らないだろう」といいながら、かけてくれたのが、これだった。

とはいえ、ほかの「ピーターと狼」を聴いていないわけではない。
試聴レコードとして聴いたものもある。

それでも多くを聴いているわけではない。

今日、TIDALでデュ=プレのナレーションの「ピーターと狼」があるかどうかを検索していた。
結果はなかったのだが、数多くのアルバムが表示された。

オーマンディ指揮、デヴィッド・ボウイ(ナレーション)のもあった。
これも発売されたのは知っていたけれど、聴いたことがなかった一枚。

同じように聴いていなかった一枚が、アンドレ・プレヴィン指揮のものだ。
プレヴィンは1973年にEMI、その後、テラークにも録音している。

「これも試聴レコードとして、何度か見たな」と懐しい気分になったのは、
1973年録音のほうで、ナレーションは当時のプレヴィン夫人のミア・ファロー。

TIDALではMQA(44.1kHz)で聴ける。
MQAでなければ、懐しいな(聴いてもいないのに)と思うだけで通りすぎていただろう。

MQAだから聴いてみた。
元の録音も優れているのだろうが、とにかく音がいい。
聴いていて、気持がいいくらいに、である。

ほぼ50年前の録音。
いいかえれば半世紀前の録音なのに、はっと驚くところが随所にあった。

だからといって、もっと早く聴いておけば──、とは思わなかった。
当時のアナログディスクの音と、いまのMQAでの音。

どちらがよいのかを聴いて確かめたいとは思わない。
これから先、頻繁に聴くことはない。

もしかするともう聴かないかもしれない。

今回聴いたのも、落穂拾い的なところからである。
それでも、そのみずみずしい音は、
落穂拾いから連想される音とはずいぶん違う性質のものだ。

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