オーディオ評論をどう読むか(その8)
ステレオサウンド 218号の特集の企画に興味をもちながらも、
発売されてから一週間、まだ読んでいないのには、小さな理由がある。
特集「リファレンスディスクから紐解く評論家の音の聴き方」の登場するのは、
小野寺弘滋、傅 信幸、三浦孝仁、柳沢功力、山之内 正、和田博巳の六氏。
そこに黛 健司氏の名前がないからだ。
以前から感じていることなのだが、
ステレオサウンドの黛氏の扱いには、疑問がつきまとう。
私だけが感じているのではなく、
私の周りのオーディオマニア、きちんとステレオサウンドを買っている人たちも、
なぜ、もっと黛さんを登場させないのだろうか、といっている。
いろんな事情があるのだろう。
それでも218号の特集で黛 健司氏を外す理由が、私には理解できない。
山之内 正氏よりも黛 健司氏が古くからのステレオサウンドの書き手である。
しかも黛氏は、ステレオサウンドの編集者だったころ、瀬川番だった人だ。
だからこそ黛 健司氏に、今回の特集で書いてほしかった、
黛 健司氏の書いたものを読みたかった。
こういういい方を本人は嫌がられるかもしれないが、
黛 健司氏は瀬川先生の一番弟子だった、と私は思っている。
学生のころから瀬川先生の追っかけで、
編集者として瀬川番だった人なのだから、
瀬川先生からいろんなことをきかれているはずだ。
そこには音の聴き方に関することだってあったはずだ。